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#六 ワンデイ イン ザ レイン

3ヶ月ぶりに吸い込む街の喧騒。ちょっと目に痛いくらいの電飾や広告や看板。ここは松山の繁華街、銀天街と大街道だ。駐輪場の埋まり具合を見るにまだまだ以前の活気を取り戻すまでには至ってないが、大通りはまあまあな人数でごった返していた。たいていマスクをかけていたので、その表情は窺えなかったが。
雨やみを待ちつつ、大街道の入口付近で友人と待ち合わせをした。その姿、羅生門の下人の如し。

待つという行動は存外じれったいものだ。通話をしつつ互いの現在地を探り探り、近づいて行く。大きな横断歩道に差し掛かったところでようやく相見えることができた。

割と名の知れたラーメン屋の暖簾をくぐると、すぐに円形に配置された座席に通された。一通りメニューに目を通し、一番安かったやつを硬麺で注文。実食してみたところ、思ったより硬いなあと思った。
「麺の硬さピラミッドでこれより上に君臨するバリカタ、ハリガネとは一体どのような茹で方をするのだろう?」
と僕の脳内の好奇心センサーが少しだけ反応したが、なんとか押さえつけた。僕が古典部部長だったらば「私、気になります!」とばかりにその茹で方を突き止めるまで帰らないまである。

チャーハン、ギョーザ、ラーメンの3点セットを食べている中年おばさん2人を横目に退店。この人たち、果たして食いきれるのだろうか。おばさん2人の行方は、誰も知らない。

続いて近くのマックに入店。この日の外出の目的は他でもなく、マックで自習することである。成金がお札を燃やすくらい軽い気持ちでカフェラテを注文し、テーブル席に腰を落ち着けてテス勉開始。

駄べりながら勉強したことが功を奏したのかは定かでないが、日本史だけに関して言えば模試の点は7割近くであった。中学時代には及ばない上に完全な自己満足だが、久しぶりの快挙であった。その他の教科は取り立てて触れるほどでもない、もしくは触れたくないような点だったが、400点をマークしているので(普通クラスにしては)出来はいい方...らしい。しかし選抜クラスには朝飯前な点だという。選抜クラス半端ねえって!(死語)

こんな点では地元大学すら通らないので何の気休めにもなりはしない。相対的にはいい点である反面、それでも大学受験に対してかなりの危機感を抱いた次第である。

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