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#弐 すちゃらか撮り鉄旅日記 ’20正月①

僕の趣味のひとつに「撮り鉄」というのがある。平たく言うと、カメラで鉄道を撮る趣味だ。最初の自己紹介で語ったように、長期休暇には撮り鉄のために県外にも出掛ける。
これは、まだコロナ禍などその片鱗すら見せてなかった(と思う)頃のお話である。
なお、以降は読者の皆さんが鉄オタであることを前提とするのでそうでない人にはあまり面白いものではないだろう。

1月2日の午前5時5分。まだ夜も更けぬ頃に「しおかぜ・いしづち4号」は松山駅を出発した。この時座ったのは5号車最後尾の優先席。荷物を置くスペースが広くてスマホの充電もできる至高の席だ。
「高校生のくせして優先席とは」と思う方がいるかも知れないので、最後まで誰も座らないのを確認して選んだこと、その後も優先席を必要とする人がいないか気を配っていたことは明記しておこう。いくら僕とて、そこまで図々しい奴ではない。

これはカレー味のカップヌードルとMAXコーヒーだ。
鉄旅初日のモーニングはこれだと相場が決まってる、と全俺が主張している。ちなみにここにコッヘルと防寒具があるとちょっとゆ〇キャン△っぽい感じになるが、まあどうでもいいか。
MAXコーヒーは四国ではあまりメジャーでないが、甘党の人は探してみよう。ほとんど練乳である。

丸亀駅で列車を降り、自転車を借りに向かう。
レンタサイクルでクロスバイクも取り扱っている超優良自治体、丸亀市。その恩恵にあずからぬのは損だ。
ということで、これに乗って撮影地を回ろう。

多度津カーブは駅から徒歩で向かえるお手軽カーブだ。土讃線に向かう前に、まずは本数も種類も充分にある予讃線の複線区間で肩慣らしだ。
が、実はこの日は僕にとって初めて「置きピン」を使った撮影をする日であった。三脚の固定の仕方をよく分かってないくせに、解放値使ってみたい病を発症している。故にろくな仕上がりの写真が無いので、この直撮りの6000系を上げるのみにとどめる。

紆余曲折あり、仲多度郡琴平町は琴平駅に到着。最初からGoogle先生に頼ればいいものを、過去に丸亀市に住んでいた僕は「勘で辿り着けるだろう」と踏んでいたのだがとんだ思い上がりだった。結果として3、4kmほど遠回りをした。
正月であることに加え風が強かったので、駐輪場はごらんの有様を呈していた。ここで少しばかり休憩し、土讃線の定番撮影地・三坂山踏切へ。

僕が着いた時には、既に15人前後の先客がいた。そんなところへ自転車で単身乗り込むのはいささか気が引けるが仕方あるまい。

どうもこの日の三坂山踏切はお天道様から嫌われていたようだ(僕の置きピンミスもある)。ともすれば僕が嫌われていたとも受け取れるが...。
唯一、最後のフレームアウトは割と気に入っている。

被写体を待つのに疲れたので午後2時頃には撤収した。細かいことを言えば昼飯の調達で離脱した時間もあるが...。
他の撮影地に行けばいいものを、ここから乗り鉄へと転じた痴れ者がいる。僕である。


だがその前に少しだけ丸亀の街並みをぶらぶらし、過去の感傷に浸った。長旅ご苦労さまでした。

丸亀駅から岡山行きのしおかぜに乗車。四国のフリーきっぷは暇つぶしで瀬戸大橋線の列車に乗れるので大したものである。
6号車に1席だけ空きがあった幸運を喜びつつ、天の神様を微笑ませるべく汗水垂らして自転車を漕いだ過去の自分を褒めた。
撮り鉄の時には仏頂面だった神様だが、この頃になってようやく微笑んでくれたらしい。

時刻はまだ4時を回ったか回ってないかぐらいだが、既に西日が差していた。特急にしてはゆっくりめな歩調で列車は瀬戸大橋を渡っていく。

児島に着いた後、今度は南風で四国へ帰投。
下り列車であるためなのか、上りしおかぜと比べるとさして混んではいなかった。なお、この前に児島を発車した下りマリンライナーは平常通りであった。つまりすし詰め状態...(泣)。
振り子を堪能できるようなカーブは無いが、橋上でやかましく響くディーゼルサウンドと小気味よい観光案内を肴に再び瀬戸大橋を渡った(酒は飲んでない)。

丸亀駅にてフォロワーと合流。
訂正しよう、たまたま居合わせだけである。お互いやりたいことは済ませていた(というより精根尽き果ててた)ので、僕は飛び入り参加となったがとある料理店へと足を運んだ。この時、時刻は午後5時頃だった。

1時間ちょっとは並んだだろう。お互い趣味人なので話題は尽きないが、英気を養うための食事をするために並びそこで英気を損なうとは、これぞ本末転倒と言えよう。朝っぱらから動き回ってたので、ただ待ちぼうけるだけというのは身に堪えた。

そこまで並んで何が食べたかったか。言うまでもなく、丸亀名物の「一鶴の『骨付鳥』」だ。結局2人ほど後から到着(元は僕を除く3人での予定だったらしい。感謝!)し、4人で顔を付き合わせての食事となった。帰りの時間などの関係でゆっくりとした食事は出来なかったが、年明け早々結構楽しい思い出となった。今度はもっと早くから並ぼう。

取り留めのない会話をお供に、この日は終わりを迎えた。1人は丸亀駅で、後の2人も今治駅でお開きになったが何人かで行く鉄旅も悪くないと思った。
松山から始発しおかぜ(冒頭の午前5時5分発のやつ)に乗って香川を目指す旅の同行者は随時募集中だ。

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