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2頭へ向けた4文字の言葉。豪華メンバー揃ったヴィクトリアマイルの振り返り。



自分用にレース後のポイントを見て振り返ってみた。

超豪華メンバーだったので記録用に。

金色のマスクマンさんのレース回顧記事を見て

騎手の馬場意識、ポジショニング、心理など勉強になったので

その辺を意識しなが見よう見まねで。





ヴィクトリアマイル2022年回顧





ありがとう。おかえり。



レース終えてはっきりと口に出した。
今年のヴィクトリアマイルは
個人的に記録よりも記憶に残るレースだった。


2020年 勝ち馬 アーモンドアイ

2021年 勝ち馬 グランアレグリア


2頭は競馬ファンなら誰もが知る怪物牝馬。
ここ2年は一体どんな勝ち方をするのか、
どんな時計が出るのか、を楽しみに観ていた。


今年はそういう意味では混戦だったし
レース前から全頭にスポットが当てられた。
俺もワクワクが止まらない程
楽しみで仕方なかったんだが
期待を遥か超えて記憶に残るレースとなった。


そんなレースを振り返ってみる。

まずはスタートだが
中継ではわからなかったが⑬レイパパレが
スタートで大きく躓いているのがわかる。

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川田騎手はかなりの前傾姿勢から
片足でバランスを取り落馬しなかった。
すごい体幹の強さだよ。
レイパパレはスタートの遅れはあったものの
スピードはある馬。楽に好位外めを取ることができた。


一方ここではスタート後
⑧〜⑫の5頭が接触している。
大きなロスでもないし良くあることなんだが
⑩ローザノワールがすんなりハナを取れなかった
原因の一つだろう。

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⑦レシステンシアが
トップスタートを決めているんだが
あまり主張しなかった。
武史騎手がレース後のコメントで
「マイルは長いかなと思っていました。」
とコメントしているように
前走のようなペースでは逃げれない。
内のソダシを見て出を窺っているのがわかる。

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隊列が決まったのは300m付近。
二の脚を使って⑩ローザノワールがハナ。
数字を見ると16秒。300m付近にあたる。

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今年のヴィクトリアマイルは
0〜200m区間ラップが12.5
これは過去5年で見ても4番目の数字。
5位の2017年が稍重だったことを踏まえると
かなり遅い数字ということがわかる。


⑩ローザノワールが押して
ハナを主張したんだが数字的には
そこまで大きく負荷はかかっていなかった。



最初に唸ったのはこの場面。
後ろに目を向けると⑮福永騎手が
⑬レイパパレの後ろのポジションを狙いに行った。
そこに⑪ルメールが内から外へ
プッシュしている。これは上手い。

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ルメールに外に追いやられた
⑬福永騎手はファインルージュの後ろの
ポジション争いへ。

ファインルージュの後ろは
②ソングライン、⑫ミスニューヨークも
狙っており3頭でその後ろを争う形に。

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ただ、そのファインルージュも
内のディヴィーナが外へアクションしており
⑧クリノプレミアムが外へ張ってきたため
1つ後ろのポジションになっている。

ディヴィーナの口向きが外にいってるのが分かる。

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池添、デムーロ、福永の
上位騎手のポジション争いだが
コーナーでミスニューヨークが
少し遅れたのを逃さず両サイドの2人が締める。

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そこで②ソングラインが接触があったのか
馬場の影響なのかわからないが
躓いたんだよな。ちょうどこの部分。
池添騎手の体が起き上がってるのがわかる。

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結果②池添がファインルージュの後ろを
確保したんだが福永騎手も外へ回ったが
最低限ロスなく締めてタイトに回っている。

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ただ個人的にこの2度のポジション争いに
敗れたことがこの馬の敗因に
なったんじゃないかな。

福永騎手もレース後に
「レイパパレの後ろを取りたかった」
と発言しており、このポジション争いは
今回のレースの大きなポイントだったと思う。


内に目を向けると
⑤ソダシはノープレッシャーで運べている。
ただ誤解して欲しくないのは
決して恵まれたから勝てた訳じゃない。
自らこのポジションを選択できる先行力が
あるからこそ、ノープレッシャーで運べた。
周りに包まれることもなく。
オークスなんかではマークされ
掛かる様子も見せていたんだが
今日は自分のリズムで運べている。
ピンクの丸の部分が空いているのがわかる。

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向正面半ば〜4角が
11.4-11.6-11.7と緩んだペースを考えると
正直この時点で後方にいた馬には厳しい展開。


直線入口では⑩ローザノワールが
約3馬身ほどリードを保っている。
かなり展開が向いていた。

捕まえに行かないと
いけなかったのが⑦レシステンシア
⑬レイパパレの2頭なんだが
⑦レシステンシアは先程言った通り
武史の中で距離不安があった。
追い出しはギリギリまで待ちたい。

これである程度前が残る展開になったと思う。

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最後の直線。

レシステンシアはまだ追ってない。

入口では⑤ソダシが⑦レシスの外を狙っている。

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ただ前日から伸びるのは外だった。

⑦レシステンシアも外へ出す。
手綱を見ればわかるんだが
⑤ソダシはしっかり追われながら
外を狙っている中、内へ切り返していた。

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並の馬なら加速が一度止まると
再度エンジンをかけるのに時間を要するんだが
ソダシの闘争本能が戻ったと表現すべきか
ほとんど減速することなく内へ切り返せている。


その外へ目を向けると
⑬レイパパレが外へヨレている。
その不利に巻き込まれたのが
⑧クリノプレミアム
⑪ファインルージュ。
⑧クリノプレミアムは外へ振られ
一度減速してしまった。

本来レイパパレが通っていたのはこの点線部分。

進路が狭くなっている。

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⑪ファインルージュも躓いてしまった。
ただその後のルメールの好判断。
⑧が外へ来るのを察知して
すぐに内へと判断している。
これが個人的にこのレースの見所No.2

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ルメールがレース後に
「あの不利がなかったら…」と
発言していたのがこの部分だと思う。


ただこの瞬時の判断があったからこそ
2着まできたと言える。
震えたよこのルメールの判断には。

このルメールの判断に
やられたのは②ソングライン。
その後ルメールは⑦レシステンシアの外へ。

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②ソングラインも同じ進路を選んだんだが
⑦レシステンシアも外の良いとこへと。


そうなれば外にいる
⑪ファインルージュが有利。

コンマ1秒程だがこれで少し減速して
⑦レシステンシアの
内を行くことになってしまった。
着差が着差だけに勝負を分けたポイントだった。

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このレースを制したソダシは
先行力もあり不利なく運べたのが今回の勝因。
ただ直線では併せることなく伸びていたし
馬に闘争心が戻ってきたんじゃないかな。
これまで適性外のレースを使っていたが
ようやくこの馬のベスト条件が
見つかったんじゃないかな。
気性的な危なさを3歳時から見せていたが
パドックの雰囲気は女王そのものだった。
精神的にも力をつけており
進化したこの馬が見れて嬉しかった。
「おかえり」と言ってあげたい。


2着のファインルージュは負けて強し。
ルメールの好判断もあったんだが
あの不利を食いながら
最後まで伸びているんだから強い。
スムーズなら勝ち負けが
あったかどうかは別にして
3着馬とはもっと差があったと思う。
前走は+16kgで馬体も良く見えなかったが
今回は−10kgで臨んだが
馬体は完璧に仕上がっていた。
ギリギリまで攻めたようにも見えたよ。
それだけに悔しかっただろうね。
3歳時は能力と小回りでごまかし2000mを勝ったが
血統からも1800mくらいまで限界。
そうなるとGⅠは限られてくる。
充実した秋を過ごして
来年またこの舞台へ帰ってきて欲しい。
府中牝馬Sに出てくれば再度本命にするだろう。



3着のレシステンシアは
最後の直線入口で早めに前を
捕まえに行かなかったのが3着に繋がった。
去年と違い1200m戦4戦からの参戦で
やはり適性は短い方になっている。
武史騎手の心情だと焦って
早めに捕まえに行ってもおかしくなかった。
最近結果が出ていないがこれなら安心。
直線の我慢は今回のレースの中でも
光ったポイントだと思う。
この馬も高松宮記念とは雲泥の差だった。
ただ、良い時はもっと良かった。
まだまだこの馬には上がある。
秋のスプリント路線でも十分主役を張れる。
良い時のこの馬が見たいね。


4着のローザノワールは
積極的にハナを取りに行ったからこその4着。
番手にいたのが⑦レシステンシア
⑤ソダシだったのが良かった。
⑦レシステンシアも距離不安があり
⑤ソダシも馬のリズムを崩したくないタイプ。
これで楽逃げの隊列ができた。


5着のソングラインは運がなかった。
この内枠も良くなかったよ。
仕上げも良かっただけに悔しい一戦。
池添のコメントからも伝わってくる。
ただこの舞台では崩れないね。
馬体からもマイルまでだね。
秋の大目標は香港マイルかな?
今回の敗戦が騎手、馬共に
大きな成長につながるといいね。


14着のアンドヴァラナウトは
2度のポジション争いで負荷もかかった。
福永騎手も上手く締めて回ってたんだが
それでも終始外外を回っていたロスもあった。
気性的に難しい面を3歳時から見せていたし
初の輸送も響いたのかもしれないね。
これは良い経験になったんじゃないかな。
ただ、この状態で0.9差なら
着差程負けていないし秋は楽しみ。
エリ女でも十分勝ち負けするんじゃないかな。


後方勢にいた馬は
このペースだとチャンスは少なかった。
ワンターンでの東京だと捲りも厳しいし
どうしても直線勝負になってしまう。
レースの上がり3ハロンが34.2
11.1−11.3−11.8 というラップ。
前半の時計を考えれば物足りなかった。
後方待機組はいい脚を使っていたのは事実。
見直せる馬もいる。


1人気に推されたレイパパレ
0.7差の12着だった。
敗因は色々考えられるんだが
個人的に1番大きかったのはスタート。
スピードも十分マイルで通用する。
二の脚の速さでポジションも取れた。
ただこれまでのレースから
2000〜2200mのペースで経験しており
前半遅かったとは言え今回1000m通過は58秒。
2000mだとハイペースになる部類。
大きなペースの違いもあったと思う。
輸送のあった香港C、オールカマーと
着順を落としているように輸送も課題。
もう5歳で残された時間も短い。
買えるとこは限られてくるね。




最後にデアリングタクト
本当に素晴らしい走りをありがとう。
大怪我からターフに戻り
復帰戦がいきなりのハイレベルGⅠ。
今回のこのレースが盛り上がったのは
彼女の復帰があったから。
復帰に向けてのこの約1年。
関係者の方々がデアリングタクトの復帰に
全力で力を注いでくれたことに
本当に感謝したい。
この馬の走りを見させてくれてありがとう。
直線インから上がってきた時は感動した。

個人的に走りすぎた印象で
想像以上に戻っている。
ペースが遅かったのも良かった。
ソダシの後ろを確保でき
最内枠ながらこの馬場でインを狙う馬が少なく
周りに包まれなかったのも良かった。
3着とは0.2差。出来過ぎた復帰戦だと思う。


おかえり。

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