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まさかこんな日が来るなんて

想定外にもほどがある

人生には思いもよらないことが起きる。

ある日突然「生涯で一度も経験しなくていいことベスト5」に入るであろう出来事に遭遇し、生きた心地がしない1ヶ月を送ってきたそのあらましを、ここで供養させてほしい。

なんと先月、マンションの隣人が孤独死した。

猛暑日が続く9月半ばに1週間は経過していたと思われ、最初に異変に気付いたのが私だったのだ…。

警察が確認に入る日、私はリュックにとりあえずの荷物を詰めて、朝早くに家を出た。残念なことに私はその部屋から漏れ出るかすかな死臭を嗅いでしまったが、もろに嗅いだらそのあとは地獄に違いなかった。嗅覚の記憶が脳に焼き付いてしまう。そう思った私はことが始まる前に脱出し、それからちょうど1ヶ月。

今日、新居へ引っ越します。

聞けば、隣室は清掃とお祓いが完了したそうだ。が、その横で何もなかったように暮らせる自信が私には無かった。晴れた日に窓を開け、ベランダにシーツを干し、好きな料理を作って…想像したら完全に、吐きそうなくらい無理だった。

怒涛の引っ越し3連発

慌てて部屋を出た翌日、マンスリーマンションを会社が借りてくれることになった。爆速で物件を探し、翌日には契約を結んだ。人生で初めてのマンスリーマンション契約だった。
即入居が条件だったため吟味する余裕などなく、借りられたのは古く狭くカビ臭い倉庫のような部屋だったが、遺体が運び出されただけの凄惨な部屋の横で暮らすよりずっとずっとマシだった。

さらにその3日後、やはり元の部屋は引っ越そうと決意。
マンスリーマンションで仮住まいをしながら物件探しを始め、その3日後に部屋を決めた。審査を経て1週間後に契約、2週間後に引っ越し。←イマココ

まさか、わずか1ヶ月で引っ越しをする日が来るとは思わなかった。いやまさか隣人の孤独死に遭遇する日が来るなんて、そんなの青天の霹靂すぎる。

隣室の異変に気付いたときから今日まで、胸が悪くなるほどの緊張と不安と戦慄を抱えながら、複雑なパズルとも綱渡りともいえる引っ越しミッションに挑んできたのだが、どうやら今日私はやり切れたらしい。
旧居からマンスリーへ、マンスリーから新居へ、旧居から新居へ、という3つの引っ越しを1ヶ月に詰め込んだ結果、そうですこれが疲労困憊です、と胸を張れるくらいヘロヘロになり、寿命が3年くらい縮んだ気がするけど…

バイバイ、ありがとうさようなら

この部屋に住んで10年。
色々なことがあって、あの人と、この人と過ごした特別な思い出も山ほど詰まっていた。良いことばかりじゃなくても、全部受け止めてくれた部屋だった。
だけど、この部屋のものはほとんど捨てていこうと思う。家具家電、タオル1枚さえも新調したら、気絶するほどお金がかかった。このお金で豪華ヨーロッパ周遊が出来ると思ったら正直悔しいけれど、メンタル崩壊をお金で回避できるなら、この使い方は間違っていないと思った。

今はまだ、なぜ私がこんな目に…という思いは拭えないものの、究極の断捨離をしたからにはきっと良いこともあるはず、と信じることにする。
沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり、一の裏は六、禍福は糾える縄の如し、だ。

というわけで、今日私は思い出の詰まった古巣を出て行く。
Bye-Byeありがとうさようなら!

早く来い2024年!

秋を楽しむ余裕なんかゼロで駆け抜けた1ヶ月。気が付けば11月はすぐそこ、年末ってやつではないか。
普段なら、あー今年ももう終わっちゃうのか(怖)と言いたいところだが、今年に限っては「早く今年終われ、来年早く来い!」と思っている。

新しい部屋に何もかもが揃い、暮らしのペースが整ってくるまでにはもう少し時間がかかるだろう。部屋に自分が馴染むまで、借りてきた猫みたいな気分でソワソワする時間が少し苦手だ。が、きっとそれも1,2ヶ月の辛抱だ。
クリスマスキャロルが流れる頃には、新しい生活もきっと馴染んでいるだろう…と稲垣潤一的なことをそれっぽく口ずさみながら、大量のダンボールと格闘することにしよう。
いやまじで、クリスマスなんてすぐそこじゃん!私の秋を返してくれよ。

それにしても引っ越しは腰に来る。
シャ乱Qと稲垣潤一を歌っている場合ではなかった、まずはマッサージ屋へ急いだ方がよさそう…


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