寄付をするのは、子どものためでもあり社会のためでもある
「実はうちも子どもが学校に行っていなくて」
そうおっしゃるのは、都内在住、不登校のお子さんを育てる立山さん。キーサポーターとして、キーデザインを支えてくださっています。
キーデザインを初めて知ったのは、東京でのイベント。そこからどういう経緯や想いがあってサポーターになってくださったのか、伺ってきました。
キーデザインと出会った当初
ーキーデザインとの初めての出会いはなんでしたか?
都内で行われたイベントでした。宇都宮で何か困ってる人を助けるために活動されている方がいるんだ、という認識ができた程度でしたね。
土橋さんの人柄はなんとなく伝わってきた感じで、具体的にどんな活動をしているのかはあまりわからなかった。記憶にとどめた感じでした。
ーその後はどんな関わりをしましたか?
それをきっかけに土橋さんをTwitterでフォローしました。いろんな居場所についての発信をしていて、がんばっているな~と思っていた感じです。
うちは子どもが、小6、中2、高1で、みんな学校には行かず、家の中で過ごしています。それで不登校関係の取組みをされていたので、気になっていました。
不登校のお子さんへの想い
ーお子さんにこうなってほしいな、という何か想いはありますか?
自分らしく生きることができればいいと私は思っています。私は職場の大学で障がいのある学生のサポートをしていることもあって、学校に入る前から長男は学校では生きづらいかなと感じていました。
ただ実際に学校に行かなくなってみると、親の立場として「学校に行かなくてもいいや」という気持ちになるのにはかなり時間がかかりましたね。
「行かせなきゃ」はありませんでしたが、「全然行かなくてもいいか」というところに至るまでにはだいぶ時間がかかってしまいました。
ーそう思えたきっかけはなんだったんですか?
担任の先生がとてもいい方で、いろいろとサポートしてくださっていました。半年くらい長男と一緒に登校していたんですが、ある時、長男が学校の門の前で、ランドセルを投げ捨てたんです。
その時に「あ、学校は行かなくてもいい」とやっと気付けたんです。学校に行くことがそんなに辛かったのかと。
ー登校に同行することのしんどさってどういう感じですか?
どれだけ一緒に登校しようと、長男が「学校に行きたくなる」ことはありませんでした。それに対して、おだてたり、誘導したりして連れて行ってたので、結構しんどかったですね。
子どものやりたくないことを無理やりやらせるその毎日がしんどかった。「本当にこれが子どものためになっているのか」という迷いがずっとあって。
スクールカウンセラーの方に相談はできていて、「無理してでも学校に来てね」ではなく「1時間とかゲームしに来るだけでいいから」という感じでした。いろいろな不登校の理由や状況があると思いますが、たまたまうちの家庭の場合は学校の理解がありました。
でもそれが逆に「いつか行けるようになるんじゃないか」という期待になってしまって、「学校には行かなくてもいい」という考えに至るまでに時間がかかってしまいました。
ーこういうことは、周りに相談できるものなんですか?
私の両親、つまり子ども達の祖父母には全く理解されませんでした。学校に行くのが当たり前の時代を生きてきてますからね。ご近所さんや地域の方に話しても理解されないだろうなと、周囲に積極的に話したいという気持ちもなかったですね。
でもあるとき、職場で話をしました。そしたらすごく理解してくださって、長男が学校に行けなくて家にいるんですって伝えたら、柔軟に働けるように配慮してもらって。環境はとても恵まれていますね。
ー学校以外の場所に子ども達を連れて行くことはありますか?
基本的には、本人の興味のあることをやってもらおうと思っていて。将棋やプログラミングに興味があったようなので、不登校になった最初の頃は地域の将棋教室に行ったり、プログラミング教室に行ったりしていました。
その後、都内のフリースクールに見学に行って、長男がここなら通えると言ったことをきっかけに、フリースクールに行くようになりました。
ー最近はどうですか?
長男が元気になってきたので、自分の子どもだけじゃなくて、他の家庭の子どもたちにも多様な居場所・多様な学びの場をつくっていくことに、何か貢献できないかなって考えています。学びといっても勉強じゃない部分の学びですね。
「自分が好きな事ってなんだろう」「自分らしいってなんだろう」って話しながら、「自分ってこういうことしたかったんだ」と気付いて育てていくことがとても大切だと思っています。
子ども達の頼れる先をつくりたい
ーキーサポーターになったのはどうしてですか?
親としては、子ども達が大人になった時、やっぱり困ったりすることがあると思うんですよね。そんなときのために、子ども達には、助けてくれる人や支えてくれる人、一緒に歩いてくれる人をたくさん増やしておきたいんです。
親である私がいなくなった時のことを考えるとやっぱり不安があるので。何かあった時に頼れる先をたくさん作っておきたいから、キーデザインのようなところのサポートをしたいと思っています。
キーデザインのような団体が成長していったときに、自分の子どもだけじゃなくて、同じように悩んでいる人や社会のためにもなると信じているので。
ーありがとうございます。外から見てキーデザインってどうですか?
キーデザインがすごいなと思うのは、世代を超えて多くの人を巻き込んでいるところ。
おじいちゃんおばあちゃんがいたり、親世代がいたり、子どもがいたり、素晴らしいと思います。それを見て、サポートしたいと思いました。
生きづらさを抱えている人が、経済的に生きていくのが大変でも、支えてくれる人のつながりや仕組みがある、そんな地域の居場所をつくろうとしているキーデザインを応援しています。
キーデザインでは生きづらさを抱える若者に安心できる居場所をつくるべく月々1,000円からなれるマンスリーサポーターを募集しています。
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取材/執筆
キーデザイン 代表理事 土橋優平
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