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雪を嬉しむ

俺は冬が好きだ。年末年始やクリスマスが近づいて浮つく気持ち、そこらじゅうに雪が積もって、陽光が照り帰ってきて、木の枝なんかびっしり花が咲いたようになっている。好きだ。

小学生の頃はおもちゃ箱に雪を詰めて踏みしめて作ったブロックを自衛官の父の監督のもと積み上げてかまくらにしたり、サンタのプレゼントを心待ちにしたり、ごちそうが食べられたり、せせらぎがしんと止んだ静けさを聞いたり、お年玉をもらえたり、雪玉に氷の下の川水を含ませて凍らせて人に向けてブン投げたり、投げられたり、とにかく楽しかった思い出が尽きない。
冷たくて無臭だけどきらきらしていて、家に帰ればお茶と暖房の香りがあったかくて、森は眠りながら光ったり暗くなったりを繰り返しているような、そんな季節。そんな雪。好きだ。

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