映画「くすぐり/Tickled」がヤバい


タイムラインに流れてきたこんなツイートが、この映画の存在を知るキッカケだった。

<blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja"><p lang="ja" dir="ltr">マッド会での会話と俺のTLを見る限り、Netflixの『くすぐり』が最高に面白く(かつ怖い)、誰もがくすぐり話をしている(※TL調べ)ので、見ねばならぬ気がしてきた。</p>&mdash; 田中天(公開用) (@tanakaten) <a href="https://twitter.com/tanakaten/status/843674412742193152">2017年3月20日</a></blockquote>

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面白くて、しかも怖い映画となればホラー映画好きの血が黙っていない。
これは見ねばとばかりに早速Netflixのホラー映画欄を探してみたが、見つからない。

ン?と思って全体で検索すると、出てきたジャンルは「ドキュメンタリー」。

「くすぐり我慢大会」を取材するはずが、大会を運営する組織の闇に迫ることに…ホラーのようなドキュメンタリー『くすぐり』 (togetterの感想まとめリンク)

ホラーじゃなくてドキュメンタリー?
白石監督的なフェイク・ドキュメンタリー系のホラー映画なのかな? でもそれならホラー映画にカテゴライズされるはずでは?
ともあれ、見てみなければ始まらない。そんな諸々の疑問を持ちながらも見始めてみた。

あらすじとしてはこんな感じ。

ニュージーランドで情報番組のレポーターをしているデイビッド・ファリアーはある日、ネタ集めの作業中にインターネット上である奇妙な動画を見かける。
ある女性が主催者となって行われている「くすぐり我慢大会」というスポーツ大会への参加を呼びかけるホームページでは、若者なら国を問わず参加可能で、選ばれたチームはロサンゼルス行きの航空券とホテル4泊が無料。さらに1500ドルが支給されるという。
この不思議なイベントに興味を持ったデイビッドはさっそく主催者に取材許可を求めるのだが、主催者側からは返答の代わりに個人攻撃同様の過激なメッセージが帰ってくる。
それも一通だけでなく、何度も同様のメッセージが送られてくるのだ。
さらに奇妙なことは続く。
その後デイビッドは友人の手を借りてこの奇妙なイベントを運営する団体について調べてみるのだが、そこで運営団体よりこれ以上調べるなら訴訟の用意があると弁護士を通して警告され、さらにはるばるアメリカからニュージーランドまで代理人を寄越して手を引くよう脅迫まで受ける。
この反応はどう見てもおかしい。何かあるに違いない。
そう考えたデイビッドたち取材班は更なる追求のため、「くすぐり大会」が行われているアメリカへと発つが、そこで取材班は想像を絶する恐ろしい組織犯罪の実態を知ることになるのだった……というようなお話。

ユニークな同好会かと思われた「くすぐり大会」について調べていくうちに予想だにしない犯罪にたどり着くという展開や、事実がひとつずつ明るみになっていくにつれて見えてくる首謀者のおぞましさ。

人間の持つ心の闇から生まれる恐ろしいものを描いた映画は最近だと「哭声/コクソン」が衝撃的だったけど(こっちもまた感想をかきたい)、この「くすぐり」ではまた異なるベクトルの狂気がその事実の積み重ねからジワジワと滲み出ている。
特に首謀者とされている人物についての調査が進むにつれて明らかになってくる過去についてはなかなか壮絶で、これが本当に全てノンフィクションだとしたらかなり不気味というか、得体の知れない怪物的な世界が存在することへの恐怖を覚えてしまう。

「くすぐり/Tickled」は現在日本語字幕付きでNetflixで配信中。
ジワジワと怖い犯罪ドキュメンタリーに興味のある方は是非。

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