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学問と技術で作られたドーム

昔は気候や天災を人知を超えた存在の所業として祈りを捧げてきたけれども、最近は「今年の冬いい加減にしろよ」「令和ちゃんは季節の調整が下手なんだね」とか言えるようになって来ている。

そういったポストを見ると、みんなが学問と技術で作られたドームの中で肩を寄せ合っている様子が浮かんでほっこりする。先人の努力のおかげで、季節の寒暖差ぐらいなら軽口を叩けるようになっている。歴史ありがとう。

俺は夏が好きで、冬がめちゃくちゃ苦手です。

冬のイメージはともかく、実際に経験する季節としての冬が無理すぎる。なんなんだあの寒さ。生命として動けない。死が近すぎる。「冬眠」という言葉が違和感なく日本語に溶け込んでいるんですよ。熊でも流石に冬は眠るよね、と万人が思ってる季節なんですよ。

そもそもね、日照時間が短いということは単純に太陽から受け取るエネルギーの総量が少なくなってるってことじゃないですか。じゃあ動けなくて当然じゃないですか?「夏と冬どっちが好き?」って並列みたいに聞いてますがそこには明確な上下差が存在しています。なのでその質問は、はい?いや帰るってなんですか。まだ合コンは終わってませんよい(笑)

ただ、イメージとしての「冬」は夏より好きです。銀世界のしんとした無機質な終末感はたまらない。『白い恋人達』や『スノースマイル』の雰囲気も。寒さを凌ぐために家族がこたつで温まっている、という無機質と対極の暖かなイメージがあるのも良い。

そしてこれは俺が悪いのだが、温度に合った服装の感覚も未だに掴めていない。

3月に「本日はまっこと、日が照っておりますので。」と薄着で外出して夜にエッチなおもちゃぐらい震えたり、
9月に「ま、夜には寒くなりますからネ」と厚着で外出した数分後に道端でミミズと一緒に干からびていたりする。
コットン西村さんが毎日気候に合う服装を教えてくれているのは有名だが、何故かそれに頼るのが悔しくて、俺は政治に興味のない若者みたいなスタンスを取ってしまう。「信じてください!」という駅前の演説が響かない。選挙に行った方がいい。

嫌い繋がりで思い出した話。人に対する話ではない。

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