イギリス英語と英語発音の学習メモvol.1

イギリス英語の発音について

・容認発音(RP:Received Pronunciation)
イギリス南西部を発祥とする発音、現在はイギリス国内であれば地域差もない標準発音。ただし、発話者は人口の3〜5%に過ぎない。

・non-rhotic
音節の最後に現れる/r/を発音しない。イギリス英語に特徴的な音の一つ。
アメリカ英語は巻き舌に近い/r/の音が顕著に聞こえるが、イギリス英語は/r/があっさりと発音されて聞こえる

・河口域英語(Estuary English)
1980年頃に使われ始めたロンドンの下町労働者階級で話されるコックニーとRPの中間的な特徴を持つアクセント

・スコットランド英語
特定の母音のあとの/r/を明確に発音する。sayの二重母音(ayの部分)が長母音になる(「セイ」ではなく「セー」)。lake(湖)と同じ意味のloch「ロッホ」のchの部分がScotland英語特有の子音/X/(無声軟口蓋摩擦音)となる(/x/は喉の奥で/h/「ホ」のような音)。


・アイルランド英語の特徴
特定の母音のあとの/r/を明確に発音する。thinのthがtに近い発音になるので、「スィン」ではなく「ティン」に近い音声になる」。


・イギリス北部英語
母音に特徴がでる。/ʌ/と/u/の区別がない、そのためイギリス英語を話す人はbook/bʊk/とbuck/bʌk/を区別するが、北部のイギリス英語は区別せず「ブック」と発音する。またhalfもイギリス発音では/hɑːf/と発音するが、北部英語はアメリカ英語のように/hæf/と発音する。

イギリス英語の高め方

・イギリス英語の対応力を高めるためには、じっくり「精聴」(分析)し、特徴を掴んだら、「多聴」(量をこなす)。

・最初はイギリス英語とアメリカ英語の違いを認識する。

・まずは自分の弱点がどこなのか把握する@精聴(特にディクテーション)、そして自分で発音できるようにする@発音トレーニング(理論把握とシャドーイング→音読して最終確認)。

・特に初期のうちはディクテーションが大事。何度も聞いて、書き取り、一通り終われば、スクリプトで自分の聞き取れなかった部分を確認。弱点の確認だけでなく、1)どこがイギリス英語的なのか2)アメリカ英語との差を確認していく。

・量をこなすことが大事なので、結果よりもコツコツ続けるプロセスに楽しみを見出す

イギリス英語の特徴とアメリカ英語との違い

・イギリス英語とアメリカ英語の大きな違い
個々の単語の発音だけでなく、イントネーションも大きく違う。

(例)疑問文の抑揚が下降調で終わる。Yes/Noクエスチョンであっても、ピッチは上がるが、抑揚は下がり気味になる

・r音化・r音性
r音化は特定の母音のあとの/r/を明確に発音すること。(carを米:kɑr、英:kɑːとし、イギリス英語では/r/を明確に発音しない)。r音化の「〜化」とは「〜にかける」という意味、「/r/の音を母音にかける」ということ。/r/の音だけでなく、元の母音をしっかり発音すること。

<r音化の違いの例>
pear   (アメリカ:/pɛr/・イギリス:/peə/)
morning (アメリカ:/mɔrnɪŋ/・イギリス:/ˈmɔːnɪŋ/)
pearl  (アメリカ:/pɜrl/・イギリス:/pɜːl/)
cart  (アメリカ:/kɑrt/・イギリス:/kɑːt/)
year  (アメリカ:/jɪr/・イギリス:/jɪə/)
start  (アメリカ:/stɑrt/・イギリス:/stɑːt/)

・アメリカ英語は「たたき音化」がおこる
アメリカ英語ではwaterのtの音がラ行のような音になる「ワラー」と発音される、このような特徴を「たたき音化」という。イギリス英語は逆にtが明確に発音される。

<tの発音のアメリカ英語とイギリス英語の違い>
water   (アメリカ:/ˈwɔtər/・イギリス:/ˈwɔːtə/)
butter  (アメリカ:/ˈbʌtər/・イギリス:/bʌtə/)
flutter  (アメリカ:/ˈflʌtər/・イギリス:/ˈflʌtə/)

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