英語力は本当に必要なのか?

Google翻訳やDeepLの登場により、英語が分からなくても英語のドキュメントや動画が理解できる時代になりました。いつかこういった時代が来るというのは僕が中学生の頃から言われており、当時勉強が嫌いだった僕は「英語力なんて将来自動翻訳が出来たら役に立たなくなるだろ」と信じ英語の勉強をサボってきました。自動翻訳が現実になった今、果たして英語力は本当に必要なのでしょうか?

前提として、自分は国際交流とか翻訳業務とかに興味はありません。できることなら日本で一生を終えたいと思っています。

自分はW社にて3ヶ月、C社にて3ヶ月、エンジニアとしてインターンしてます。どちらも内資の企業ですが、チームメンバーの多くが外国人であり、全て英語の環境で仕事をしています。そこでいくつか感じることがあったので書きました。

1つ目 会議やドキュメントでは翻訳が役に立たない

Google Meetには自動翻訳機能があり、リアルタイムに会議の会話を翻訳字幕として表示してくれます。しかし表示までにラグが大きく、とてもミーティングで使えるようなものではありませんでした。あとたまにフリーズします。Chromeには自動文字起こし機能が有るのですが、Google Meetの字幕よりもレスポンスが早いので、結局字起こし機能で英語字幕表示で耐えていました。リスニングの能力は必要ありませんが、字幕を速読する必要があるのでかなり英語に慣れてる必要があります。
ほとんどの会議がオンラインでしたが、対面での直接のアドバイスや議論の方が白熱するし、色々なアイデアが浮かびます。突発的に発生することがほとんどでそのためにわざわざGoogle Meetをセッティングするなどありえないので、対面での英語コミュニケーションが必要になります。そのような議論を英語力不足のせいで100パーセント吸収することが出来なかったのが悔しかったです。

2つ目 ドメイン知識の方が大切

一応オンライン英会話は続けているのですが、自分はあまり英語が得意ではなく、特にリスニングが苦手です。でも、業務で英語を使うのは意外と何とかなりました。理由は、ITは普段から使ってる用語のほとんどが既に英語であり、単語力で劣ることがなかったからです。単語力さえあれば、どんなに英語のリスニング力がなくても言ってる事のほとんどが理解できるし、単語を繋げればそこそこ話せてしまうのです。
つまり、「日常会話」というドメインに対しては知識が少なく、英会話に苦労しますが、「IT」というドメインに関しては知識があるのであまり英会話に苦労しないのです。
英会話は英語力そのものよりも話してる対象のドメインが大切だということを痛感しました。
もっとも、全てがITの話な訳ではありません。ランチや雑談の間は日常会話を行います。そのような時会話に参加出来ないのが少し寂しかったので「日常会話」というドメインに関しても要勉強ですね。

3つ目 英語力がないことで自分の可能性を縮めてしまう

少し技術的な話になりますが、僕はCloudサービスの開発に携わるのが将来の夢です。
日本で大規模なインフラ運用を行える企業は何社かありますが、日本企業でPublic Cloudを運用しているのはGMOとさくらくらいでしょうか。実態はGAFAMの独占状態であり、クラウドの開発はどこも日本では求人がありません(2022年調べ)。つまり開発経験をするにはアメリカに行くしかないということです。ITの有名なカンファレンスは基本的に英語だし、英語から逃げると得られる情報量が大幅に減ります。
ITがアメリカ一強とまでは言い切りませんが、少なくとも「インフラとクラウド」の分野に関してはアメリカ一強であり、インターン先で外人しかいなかったのもここら辺が関係するのかなと思います。つまり、自分の将来の夢を叶えるためには1度アメリカで働く必要があります。英語力不足でこの夢を諦めたくないと強く思いました。
 

結論、英語力は僕の人生を左右する重要なファクターになると思います。でもしばらくは他に勉強することが沢山あるし、英語に時間を割く時間はありません。あくまで英語はITとセットのサイドメニューであり、英語は手段に過ぎません。
ドキュメントやカンファレンスは極力英語原文で見聞きするとか、英語の会議で積極的に発言するとか、普段の勉強や業務の中で英語を使うように心掛ければ、英語でのITの仕事はできるようになるし、しばらくは英語に本腰を入れる必要はないかな、と思いました。

以上、2つ目の武器として英語を使おうと思っている人に役に立てば幸いです。

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