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ライラさんのおてて

デレステにライラさんのSSR2周目が実装されました。まぁ、もう可愛くて、可愛くて、他の色々もあり今割と幸せの絶頂な気持ちです。

全員へのSSR2周目が始まった頃から「まだかな…まだかな…」とずっとずっと待ってたりもしたからそりゃもう嬉しいし、「ライラさん」でトレンド入りしたのも嬉しいし、普段そんなにライラさんについて触れてない方達も「ライラさんかわいい」と言ってくれてて嬉しいし、手に入れられて嬉しいし、もうとにかく嬉しい。

で、ひとしきりテンション上がりっぱなしでMV堪能したりした後に、改めてカード絵を見て思ったのですが、今回のライラさん、ライラさんにしては手にちゃんと力が入っているような気がします。

これが結構気になったのでぐだぐだと寝る前にライラさんのおててについて考えた結果を以下に述べます。

注意:
・SSR「マイ・スウィート・アイス」までのモバ/ステ両方のライラさんのコミュやカードテキストのネタバレが多々あります。
・基本こじつけです。
・長いです。


①ライラさんのおててについて

ライラさんの魅力ってなんでしょう?

ミステリアスな雰囲気とかなんにでも喜んでくれるところとか語ろうと思えば色々あるのですが、わりとライラさん好きの中で「ライラさんのおてて」というのはかなり好きポイントとして語られているようなような気がします。ライラさんのおててクイズみたいなものを作られた方もいますし。


とりあえず「ライラさんのおてて、ってなんだ?」って思う人もそれなりにいると思うので参考画像を以下に貼っときます。

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どうです?こう、なんか力の入ってない、ふんわりした、何か握ってても引っ張ればすぐ抜き取れてしまいそうな赤ちゃんみたいな優しく華奢なシルエットがなんか、こう、いいと思いません?私は思います。

その優美な姿に「ライラさんの手」等という味気ない言葉ではなんか物足りないので「ライラさんのおてて」と言いたくなります。

で、このライラさんのおてては割とライラさんを象徴するものになっているような気がしていて、ライラさんデレステSSR一周目の時もシルエットの手の力の入ってない感じで「ライラさんだ!」と特定していた人が結構いましたし、ライラさん参加からかなり長い間どんなカードでもライラさんの手には力が入ってなくて、
「ライラさん=力の入ってないおてて」
というのは割と広く共有されたアトリビュートみたいな概念のように感じています。

そんな中で今回のカード絵が出ました。
別にアイスを力強く握っているわけではないんですけど、ライラさんにしてはちゃんとしっかり握っていて引っ張っても抜けそうにない感じがしてどうにも気になってしまいます。なので考えました。

②「手」は何を象徴しているか?

というわけでライラさんのおててについて考えていくわけですが、まずは一般的に「手」が何を象徴しているかを考えたいと思います。

「手」は人類にとってかなり重要な器官で、人類は手で道具を使うようになったからこそ現在のような文明を築き上げられています。なので色んな文化に「手」についての色んな概念があるわけですが、良く知られたものとしては
 ・攻撃と防御の手段(最も原始的な機能)
 ・清浄な右手と不浄な左手(ヒンズー教)
 ・癒しの象徴(手で触れる仕草)
 ・感情表現の媒体(へご)
 ・通信手段(手話/ハンドサイン等)
 ・連帯の象徴(手を繋ぐ)
あたりが良く語られると思いますが、この辺を抽象化してみると「手は外部に干渉する窓口である」というような概念があるように思えます。

なのでとりあえず仮説として「ライラさんのおててはライラさんの世界との関わり方を象徴している」と置いて、ライラさんのおてての意味を考えてみたいと思います。


③ライラさんと世界

おててに注目してまず思うのはライラさんの世界に対する優しさだと思います。

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たとえば「太陽の歌姫」の特訓前の洗濯物をもつ姿とか、「ミステリアスシエラザード」特訓前の鳩にパンを分けてあげる姿等、ライラさんは優しさに溢れてます。誰に対しても優しいし、コミュでもあったように怒るということが出来ないし、あのおててのふんわりした感じはライラさんの優しさがあるからこそ出ているのではないかと思います。これは多分間違いないと思ってます。


で、もう一つ個人的に強く思うのは、あの力が入ってない感じはライラさんが世界と強く繋がろうとしてないからこそなんじゃないだろうかという点です。

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ライラさんは優しい人です。どんなこともニコニコと楽しんでくれます。でも、どんなものも楽しめる博愛主義はなにも特別でないということと表裏一体で、どこか寂しい要素になりえます。そしてライラさんはわりとそういう要素を持っていると思うのです。

まずアイドルになったのに特別な理由はありません。お金のためです。お金がもらえるからアイドルになった子です。アイドル自体は楽しいんでくれているし、「素敵ですねー」等と言ってくれていますが、でも多分初期ライラさんにとってアイドルはあくまで手段であって目的ではないように感じます。途中でもっと割のいい手段があったら乗り換える、みたいなことは無いと思いますが、例えばアイドルであることがバレてライラさんパパの追ってが迫ってきたら、悲しみはすると思いますがそれでも多分アイドルをやめてしまうんじゃないかと感じます。何がなんでもアイドルでいたいという執着はあまり感じませんでした。

また人間関係に関しても、そもそも家出しているのです。ライラさんパパのことも、ライラさんママのこともちゃんと愛していて、会えないことに寂しさを感じもするのですが、それでも故郷も家族もドバイでの友人達とも離れて、頼れる知り合いなんて誰もいない日本に来ています。それは族内の強い結びつきを重んじるアラブ社会においては狂人といっていいレベルの行動です。

またライラさんの趣味は「公園で知らない人とおしゃべり」です。これはライラさんの人懐っこい要素にも思えなくもないのですが、公園で「誰かと」おしゃべりではなく、「知らない人と」というのが気になります。穿って考えると「特別な繋がりのない知らない誰か」だからこそ良いみたいなニュアンスがあるのかも知れません。

この辺を今までなんとなく「自由意志の象徴としてのライラさん」みたいな捉え方をしてたんですが、おててを介して「世界に強く繋がろうとしない」みたいな視点で見ると、ライラさんが抱える根の部分の問題みたいなものが見えるような気がします。

ライラさんはもしかすると何かと強く繋がることや何かと深い関係を結ぶことに対する強い忌避感を持った子なのかもしれない。そう思いました。

ライラさんが家出したのは婚姻が原因ですが、それは婚姻というものが否応なしに別の世界と深く繋がることだったからなのかも知れません。婚姻を「強制」されたことが嫌だったのではなく、「婚姻」という深い繋がりを作る概念そのものが嫌だったんじゃないかというそんな視点。


④博愛主義者のパラドックス

「博愛」というのは「ひろく愛すること」「すべての人を等しく愛すること」という概念です。これはなんとなく良いことのように思えますが、結構問題点があります。

よく言われるように「八方美人は嫌われる」というのもそうなんですが、上でも少し書いたように「特別なものが無い」=「何もかもを捨てることが出来る」=「何も愛していないのと同じ」とも言えて、全ての人を等しく愛しているようで誰も愛していないというパラドックスを抱えています。

アイドルのライラさんではなく、ドバイで産まれたライラという少女はもしかするとそういうどこにも深く繋がれないという問題を抱えた存在だったのかも知れないんじゃないかと。

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ライラさんに関する二次創作を見ていて比較的共通するテーマとして「消えてしまいそうなライラさん」というものがあるような気がしますが、それはライラさんのそうしたどこにも繋がっていないように見える部分に不安を覚えて浮かんできているものなのかもしれないなとか。

ライラさんと手を繋ごうとしてもするりとすり抜けるように感触が無い、みたいな感覚。それがあの力の入ってないおててなんじゃないでしょうか?


⑤明日を想う瞳

と、ここまでがアイドルになって初期のライラさんの話。

「ライラさんは深い繋がりを忌避している」というのはあくまでおててに意味があると仮定しての推論なので、全然違う気もしますが、まぁそれなりにはスジが通るように思えます。でも、それはあまりにも悲しい話なので、なんとなくちょっと嫌だなと自分で妄想しておいて思ったり。

でも、仮に仮定が合っていたとしても、もうライラさんの心配をする必要はないとは思ってます。だってもう「明日を想う瞳」という神カードが存在してますから。


アイドルマスターという作品は課題を抱えたアイドル達の自己実現を描く現代の神話群だと私は捉えてます。なので課題を抱えるアイドルがいるならそれが解決されるのは自明です。では「深い繋がりを忌避する」という課題を抱える子がファンの前に立つアイドルになったのならそれはどう解決されるのでしょうか?

 1)周囲からの支援と恩返し

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ライラさんがアイドルになってから最初のレアカードでライラさんはチヅルとアキハから服を貰います。なんかどうもその時までライラさん制服ぐらいしか服持ってなかったようで凄く嬉しそうにしていて、Pに「見てくださいませ〜」とかいってきます(かわいい)。

他にもフゴフゴさんからパン貰ったり、商店街の人から服をもらったり、まぁとにかくなんか色々貰ってます。そしてその度にライラさんはそれを喜んでくれているのですが、この貰うものは物質に限ってなくてステージで受けた声援やファンから気持ちみたいなものも「貰ったもの」としてかなり喜んでくれている節があります。

そしてことあるごとにそれを返そうとしてきます。例えばPに優しくしてもらえたから鳩にも優しくしたり、みなさんが受け入れてくれたからバンドのドラムの練習を頑張ったり、自分のために働いてくれたPにはシャツを洗濯してくれたり、とにかく貰ったものは返そうとします。

だから、アイドルとしてステージに立って、ファンの声を受け取って嬉しいと思ったのなら、ライラさんは絶対にそれを返そうとします。

「深い繋がりを忌避するもの」として解釈すると、ライラさんが恩を返そうとするのは、貰ったものを返すことで貸し借りを清算して関係をフラットに戻すという意味合いがあるかも知れませんが、仮に一時的なものにしろなんにしろ少なくとも貸しを返すまでは繋がりはできており、ライラさんはその貸し借りのやりとりを嬉しいものとして捉えているのが数々のセリフから見て取れます。

その繋がりは、最初は小さい、返せるものだったかもしれませんが、ライラさんの立つステージが大きくなるにつれて、少しずつ、少しずつ返すのが難しいものになっていったはずです。

ライブ時の発言も 「恩返し」→「みんなもライラさんと一緒に」→「夢中になってほしいですー」→「この物語、まだまだ続けていきましょうー…」と徐々にもう繋がりが返せないものになっていることを受け入れるように変化しているように思います。

 2)故郷に関する気持ちの変化

アイドルのライラさんには「繋がりを忌避している」という問題とは別に、設定上結構大きな問題があります。それは「パパに見つかると連れ戻されるかもしれない」という問題です。

初期Nカードでも以下のように言ってたりします。

有名になったらパパに見つかる…?それは困りますですね

そんな感じで「有名にならないといけないアイドルなのに、有名になると設定上は問題が生じる」というのがライラさんの抱えている問題で、なおかつライラさんはそのことを結構意識しているように思われます。

例えば最初のSRの「ミステリアスシエラザード」では以下のように言ってます。

あんまり目立つとパパに見つかってしまうかもですので、こっそり…でもわたくしのステージですから一番目立てるようにがんばりますですー

そんな感じでライラさんのアイドル活動はこっそりと目立たないように行われるものというのが最初期のスタンスで、故郷は忌避するものみたいな扱いだったように思います。クリスマスのカードでも雪だるまの恰好で「ライラさんの国は暑いので戻ったら溶けてしまう」みたいなことを言っており、「故郷=戻ってはいけない場所」という感じでした。

が、これもアイドル活動を続けているうちに少しずつ変化しているようで、みんな大好き「寂寥のアズラク」では故郷での生活を偲んだり、ママに手紙を送ったり、故郷の服を着て、故郷の音楽で踊ったりします。

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そしてそれ以降故郷に関するポジティブな話題が増えていきます。例えばお手伝いさんの話とか、何が人気だったとか、千夜一夜物語とか、避けていた故郷についてライラさんからむしろこちらに知ってほしいと色々話をしてくれるようになっていきます。

これはきっと1)での変化も影響していて、アイドルになったことで、忌避していた繋がりというものを受け入れることが出来るようになっていって、「繋がり」の最たるものである「故郷」についても受け入れることが出来るようになったからなんじゃあないだろうかとか思ったりします。

そして、アイドルとしての繋がりと、故郷に関する繋がりに関しての認識が変わったライラさんは色々悩んだ末に変わります。

 3)明日を想う瞳

というわけで本題の「明日を想う瞳」。
このカードですが、フレーバーテキストでライラさんはこう語ります。

わたくしがこの場所に立つのは、みなさんに伝えたい想いがあるからです。どうかこの歌が…近くの貴方へ、遠くのあの人へ、届きますように。願いをこめて、空いっぱいに響かせましょうー

このセリフ、ライラさんを見てきた人なら初見では絶対泣いたんじゃないかと思うのですが、ライラさんがアイドルとして、自分のことを「ライラさん」という第三者目線の一人称ではなく「わたくし」とはっきりといったこととか、「この場所」に立っていることを宣言してくれたりとか、「伝えたい思いがある」と言ってくれたこととか、今までどこかふわふわしたライラさんが、はっきりきっぱり明確に、疑いようがないほど直接的に、「わたくしはここにいる」と世界に顕現した瞬間なんだと思うのです。

それはこれまで日本でライラさんに色んな喜びを与えた「近くの貴方」に対する「もうどこにもいかない」という宣言であり、故郷にいる「遠くのあの人」=パパに対しての「もう逃げない」という宣言でもあるように感じます。

ということを踏まえてこのカード絵の特訓後のおててをみてみましょう。

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マイクをしっかりと握り、ピンと空に向けて指を刺しつつ手のひらを握っています。

「ライラさんのおててはライラさんの世界との関わり方を象徴している」という視点でこの絵を見るなら、まず右手は、マイクとはファンに自分の声を届ける媒介であり、それをしっかり握っているということは、ライラさんがもうファンとのつながりを離す気が無いということだと考えられます。また左手の空に向けた指は、自由の象徴である空と、またその空を介して繋がっている故郷の家族に向けられたものだと考えられ、故郷で抱えている問題としっかり向き合うという覚悟と、何物にも縛られず自分のままに生きるという強い意志を示しているものだと思われます。それはカードセリフと大きな矛盾はありません。

初期ライラさんはもしかすると「なにも特別にしたくない。繋がりたくない」という志向を持っていた子かもしれません。ですが、アイドル活動を通して様々な幸せな繋がりを持ったことで、「繋がることに対する忌避」はなくなり、得た繋がりを力に変えて前に進める子になったんじゃないでしょうか?

これは多大に自分の希望も混じっている気はしますが、おててが何かを象徴しているのだとしたらあり得る物語なのではないかと思います。

⑥アイスとライラさん

はい。というわけで「ライラさんのおててはライラさんの世界との関わり方を象徴している」というのはそれなりにはスジが通る仮説かと思うので、それを鍵にして、今回のライラさんのカードについて考えたいと思いますが、その前にそもそもアイスってライラさんにとってなんなんだろうということについて考えたいと思います。

ライラさんといえばアイス。アイスといえばライラさん。
というぐらいにもはやライラさんとアイスは切り離せない関係のようにたぶんみんな認識していると思います。なんせサインまでアイスだし。それはライラさんの好物がアイスで、事あるごとにアイス、アイス言っているからというのが理由だと思いますが、なんでライラさんの好物はアイスなんでしょう?

ライラさんの国では雪が降らないらしいので、割と新しもの好きなライラさんが物珍しくて感じて食べてみたら美味しかったから好き、みたいなのはなんとなく理由としてありそうですが、自分はメタファー大好きなのでなんらかの寓意があるものとして考えます。

で、ありえそうだなと思ったのが、
 アイス
 →放っておくと溶けて消えてしまうもの
 →繋がりがないから消えてしまうもの
 →ライラさん
みたいな連想。

おてて仮説の「初期ライラさんは繋がりを忌避している」というのがあっているなら上記連想から「アイス=ライラさん自身」ということがいえそうです。サインもアイスだし。

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これをもう少し補強する要素としては「パラダイスサマー」のカードおよびエピソードがあります。

このカードではライラさんは菲菲、ナターリア、志保と一緒に海に訪れて色々戯れたりするのですが、このカードは上記の「明日を想う瞳」の一つ前のカードです。なので、アイドルや故郷についての決意を固める直前のライラさんの状態だと思うのですが、
「海はひとつでございます。ライラさんと故郷も、繋がってますね…」
「P殿にはいつか、故郷の海を見てほしいですねー」
「この海のずーっと向こうで、ライラさんたちのお仕事姿を待ってる人がたくさんいますね。」
とか故郷と繋がる決意を固めているようなセリフが散りばめられています。

それでアイスについてもいろいろ言及していますが、

んー…しあわせ時間でございます。お味もとてもライラさん好みで、P殿の選択は間違いありませんでしたよー。
ちょっとだけしょっぱいのは、きっと潮風が隠し味になりましたねー

というセリフが特訓前のフレーバーテキストになっています。あとこんなセリフも。

アイスは溶けてもアイスでございます

この辺、ライラさんがアイスに自分を重ねていると思うのですよね。
P殿のアイスの選択に間違いはないのはこれまでの自分のプロデュースに重ねているからで、アイスがちょっとだけしょっぱいのも海を見て故郷との繋がりを感じて郷愁の念を感じているから。そしてアイスは溶けてもアイスというのは、故郷から離れた自分を溶けたアイスに例えていて、でも故郷から離れている今の自分も故郷にいた時の「ライラ」と繋がっている自分であるため。

そんな感じで海とアイスから故郷と自分の現在地と気持ちを整理して、それで「明日を想う瞳」のエピソードに繋がったんじゃないかと妄想すると割と物語としておさまりがいいので、「アイス=ライラさん自身」という風にここでは考えようと思います。

⑦新装開店ライラさん

ここまで検討してきた仮説を一旦まとめます。

・ライラさんのおててはライラさんの世界とのかかわり方を象徴している。
・ライラさんのこれまでの力の入ってないおてては世界との深い繋がりを忌避していることの象徴だが、その忌避感はアイドル活動を通して徐々に変化しており、明日を望む瞳にてファンや家族と繋がる覚悟を決めたことが示されている。
・アイスはライラさん自身の象徴

この辺を踏まえて今回のライラさんカードを改めて見てみようと思います。

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まず特訓前。ライラさんのおててを見てみると、アイスの楊枝をわりとしっかり握っているのが見て取れます。これが何を意味しているのかですが、ライラさんと同僚アイドル達との関係性を示しているものだと思うのです。

というか、おててに着目しなくてもこの絵はライラさんと他アイドル達とのつながりを感じるもののオンパレードで、ひじりんやメアリーと卓を囲っているのもそうだし、ライラさん自身の象徴でもあるアイスを他アイドルが食べてることもあるし、あとなんといってもライラさんの後ろの写真。この写真達はぼやけているのでどんな写真なのかははっきりとはわからないようになっていますが、どうみても明らかに、過去ライラさんが共演していた子達とのお写真で、それぞれ対応しているカードがあって、エモいです。シン劇わいどもよかったですよね。ぎゅってしてた…。それもライラさん側から求めて…。

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という感じで、「明日を想う瞳」にてファンや家族と繋がることを決意したライラさんの延長線で、その時には描かれなかった「ライラさんとアイドル仲間達」との繋がりをライラさんが大切にしているというのが、この特訓前絵の意味合いなのではないかと思います。

上でも少し触れましたが、ライラさんが誰かに何かを貰ったことがはっきり描写されたのはアキハとチヅルから貰ったお洋服と白衣が最初で、そこからライラさんと世界の繋がりが始まったようにも思えます(もっというならアイドルになった時ですが)。だからファンと故郷と繋がりを結ぶことを表明したなら、世界との繋がりの最初の一歩であるアイドル仲間との関係を描くのは当然のことなのかも知れません。

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続いて特訓後。こちらでもライラさんはアイスをしっかり握っています。この絵は何を意味しているのでしょう?

個人的に気になるポイントは2つ。

一つは、握っている対象物がアイスであるということ。仮説としてアイス=ライラさんであると上で書きましたが、だからといって「これはライラさんの自己愛の象徴」という話ではありません。このアイスについて、フレーバーテキストにはこう記載されています。

お店の開店を記念しまして、今日はライラさんが一日店長を務めますです。みなさんに美味しいアイスとおしゃべりをたくさんお届けですよー。さあ、よってらっしゃいみてらっしゃーい

このアイスは「お客さんに配られるもの」です。それが多分重要です。「ライラさんの象徴=分身でもあるものがお客さんに配られる」という構図となっており、そこからこのアイスは「ライラさんとお客の繋がり」の象徴になっていると考えられます。ライラさんはそれをしっかり握ってくれているんだと思います。


もう一つは、この絵のテーマが新装開店したアイス屋であること。これは要はライラさんの新しいアイドルとしての在り方の表明なのではないかと。

「明日を想う瞳」でライラさんは強く変わろうと決意したと思っています。そうした姿を特訓後に見せてくれています。ただ、あの力強い姿はその先のライラさんのアイドルとしての姿でしょうか?

私は違うと思います。ライラさんが在ろうとするアイドルの姿は、恐らくこれまでステージ上で見せてくれた姿とそこまで変わっていなくて、ふんわりとやさしく、ひんやりとした冬のような穏やかさでありながらも、どこかぽかぽかと暖かな、そんな今まで見せてくれていた姿こそが「アイドルとしてのライラさん」の姿なんだと思います。

ただ、表向きの姿としては今までと同じでも大きく変わったものがあります。それが「深く繋がる」ということに対する意識の変化です。改めて思い返してみるとこれまでのライラさんの特訓後の姿は常にファンとの距離が開いたものになっています。ステージで皆と繋がってはいるのでしょうが、それでも「ステージの上」と「客席」という分断はあり、繋がってはいるのだけど離れていたのだと思います。

それは多分ライラさんにとってなんとかしたいことだったと思います。だってライラさんは「人とおしゃべり」が好きなんです。ステージの上でファンの声を聞いて、それを返して、というコール&レスポンスでも楽しかったと思いますが、ファンともっと近い距離でお喋りするような、そんなアイドルになろうとしたいのではないかと思うのです。

ライラさんはよく「ライラさんの声は届いてますか?」みたいなことを言います。ファンの声に応えるためにステージでパフォーマンスして、それでファンが喜んでくれているのを見ても、それでも、自分の声が、気持ちが、届いているのか不安なんだと思います。それは外人であることによる言葉の問題もありますし、これまで深い繋がりを避けてきたからこそ自分自身の芯を伝えるという経験があまりないからなんだと思います。

だから「おしゃべり」したいんです。ちゃんと相手と目と目を合わせて、相手の呼吸を感じ取れる、そんな交流をきっと求めてます。そしてだから、今回のカードではステージと客席よりももっと近いところまで来て、お客に直接アイスを渡しておしゃべり出来るお仕事をしているのだと思います。

それが多分アイドル ライラさんの新しい姿です。どこか捉えどころのない超然とした雰囲気を纏わせながらも手の届く範囲の「ここ」に来てくれるアイドル。遠く離れた異国の姫ではなく、アイス屋さんの看板娘としていつでもお話出来るアイドル。「それがライラさんだ」と伝えたいがために、今回このような絵になったんじゃないかと。

多分ライラさんがそうなろうと思えるようになったのはアイドルになったからです。アイドルになって、ファンや仲間やプロデューサーからの色んな声を聞いて、それが嬉しくて、それを恩返ししたくて、「ここ」にいたいと、繋がっていたいと思ってくれて、それで「ここ」まで来たんです。

もう気づいたらいなくなってしまうような子ではありません。ライラさんは手を伸ばせば掴める場所にまで来てくれたんです。後はこちらが手を伸ばすかどうかだけ。それが今回のカードで示されたライラさん像なのではないだろうかと私は思います。


⑧終わりに

そんなことをライラさんのアイスを持ったおててを見ながら考えました。

いつものように妄想とこじつけと曲解だらけのツギハギですが、私は今回のライラさんの姿から上記のように今のライラさんを捉えました。それがライラさんが届けようとしてくれた声だと願って。

ここまで読んだ方がどれぐらいいるかはわかりませんが、「ライラさんいいよね…」って少しでも思った方がいてくださったら幸いです。

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以上、妄想でした。



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