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双葉杏ちゃんとの10年間

2021年11月28日にアイドルマスター シンデレラガールズは10周年を迎えました。

そのことに関しては色々な方が既に色々書かれているとは思いますが、先日のスローライフ・ファンタジーのデレステへの実装でノスタルジーを感じて杏ちゃんとの想い出を振り返っていたら自分がシンデレラガールズと関わったのが2012年2月12日からであることに気づき、「本当に10年経ったんだ…」と、なんとなく感慨深かったので自分のシンデレラガールとの関係の変遷を主に杏ちゃんに焦点を当てて振り返ってみようと思い、相も変わらずとりとめもなく文章を書きます。

注意:
後半になるにつれ正気度が下がっているのでSAN値チェックお願いします。

・出会い(ニートショック)

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出会いはニートショックでした。

自分はニコ厨だったのでアイドルマスターのこと自体は知ってたし、上がってくるMAD等を見てアイマス自体に好感は持っていたものの、あくまでニコニコの一コンテンツ程度にしか認識してなかったのでシンデレラガールズが始まったことを知りつつも特に食指は動かずスルーしてました。当時ネットゲームで破産した人の話等も聞いていたので、なんとなくネットワークを介したゲームというものに忌避感も感じており、「なんか始まった」程度に遠巻きに見ていたような覚えがあります。それを変えたのがニートショックでした。

ニートショックを知らない人は検索頂ければと思いますが、当時でも人気だった杏ちゃんの初SR実装とそれを手に入れるためのコンプガシャの仕様により大量にガシャが回され、当時ネットニュース等で大量にシンデレラガールズ関連のニュースやキャラクターが拡散されていました。それがきっかけでデレを知った絵師の方が絵を上げたり、元々765のPをしてた方も参戦したりで今まで遠巻きに見ていたコンテンツについてよく目にするようになり、生来ミーハーなのでなんか始めないといけないような気がしてモバマスの門を叩いたのが自分のデレとの関係の始まりでした。

始めて最初に気になったのが杏ちゃん。当時一番拡散されていた子というのもありますが、アイドルらしからぬ表情や服装をしているのによく見るとパーツはとてもかわいいところや、「働いたら負け」というところに親近感を感じて、とりあえず課金せずに杏ちゃんの「だらだら妖精」のカードを手に入れるのを目標にプレイ開始しました。


・音楽コンテンツとしての興味(CINDERELLA MASTER 002 双葉杏)

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始めてしばらくしたら杏ちゃんに声が付くことと歌が出ることが決まりました。ただ当時の自分はそのことについて正直特に何も感情が動くことはなく、「へぇ、曲出るんだ。まぁ、買わないけど」みたいな反応でした。

この頃の自分はアニメ/ゲーム/アイドルコンテンツの歌というものをかなり見下してました。オタクではあったもののキャラクターソングの類はまともな音楽を聴いたことが無いかわいそうな人たちが聴くものという偏見を持っており、曲を出す前提で作られていた当時の元祖アイマスならまだしも、元々声のついてないソーシャルゲームが新たに出す曲なんて興味もありませんでした。杏ちゃんのことは好きでしたがその好きはあくまで「気になるキャラクター」程度で、あえてお金を出すほどの好きではありませんでしたので特典カードが付くことを知ってもスルーしてました。

で、まったく興味もなかったのですが、発売後に曲を聴いた人たちが「なんか凄い曲来た!」と騒いでるのをよく目にするようになりました。そんな声が各所から出てきたり、当時音楽的な趣味が合うと思っていた人も反応したりしてるのを見て、「まぁ…だまされたと思って買うか…」と思ってCM002を買いました。

「あんずのうた」を聴いて驚きました。すんごい電波曲なのに音作りはしっかりしていてチープなピコピコ音が杏ちゃんの声とキャラクターにあってるし、765の曲を部分的にカバーしてるし、オタク達のコールが妙に荘厳に聞こえるし、なんか謎のセリフパートと謎の「いも」があったと思ったら縦読みだし、「なんだこれ!?」とかなり衝撃を受けました。

それで他のも聴いてみるかと思い、同じように騒がれてたCM004、楓さんのこいかぜを聴いてこれまた「なんだこれ!?」となって、自分の中にあった「キャラクターソング=たいしたものではない」という偏見が粉々に霧散しました。

このあたりで自分のデレに関する認識が「よくあるコンテンツ」から「良質な楽曲を出してくれるコンテンツ」というものに変わり、今までそんなに真面目にやってなかったモバのイベントとかもちゃんとやるようになりました。

・他の子への興味と杏ちゃんの多様性(新春の甘姫)

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始めた当初は杏ちゃんのことしか興味がありませんでした。けど好きなコンテンツとして関わるようになって、初めてイベント走って手に入れたブライダルナターリアだとか、可愛すぎた小悪魔メイドフレちゃんとか、最初のCMの後も次々に出てくる良質な楽曲群を聴いていって、徐々に「杏ちゃんが好き」から「シンデレラガールズが好き」に変わっていってイベントも毎回やるようになっていきました。イベントとかの会話見るたびに好きな子が増えていって、当時はアイドルの追加もかなり多かったので新たな子が追加されるたびに「どんな子だろう」とワクワクしたりしてました。

けど、この頃の自分はアイドルの見せる個性/表情は一人一つみたいな認識だったと思います。デレはキャラクター数が多いので、一人のキャラクターは基本そのキャラクターに沿った一つの側面しか見せないというような認識でした。

杏ちゃんだったら「やる気のないニートアイドル」
フレちゃんなら「適当可愛いアイドル」
ナターリアなら「エキゾチックで元気なアイドル」

そんな感じで一人のキャラクターが持つ個性からブレないアイドル像を見せるだけというような捉え方をしており、あくまで表面的な部分のみに着目し、アイドル達の内面について深く考えるみたいなことはありませんでした。そんな中、「新春の甘姫:双葉杏」が実装されました。

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死ぬかと思いました。可愛すぎました。というか杏ちゃん?なにその表情?君そんな表情出来たの?今までこんな↓感じの饅頭だったじゃん!何!なんなの!

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可愛いとは思ってたよ。ふてぶてしい饅頭みたいな顔しときながらパーツはめっちゃ美少女だよね、とは思ってたよ。けどいきなりそんな表情見せるのは反則じゃない?だだっ子お姫さまの覚醒前の時点で美少女なのは知ってたけどさ…「でも杏ちゃんが美少女だって気づいているのは私だけだよ…ふふふ…」とか勝手に思ってたのに…そんな…そんな顔を公衆の面前で…ぐぅぅ…

それで覚醒後がこれ↓

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あぁあああああ!!!かわいい!8年経ってもかわいい!何度見てもかわいい!天使!天才!杏ちゃん!

今までもドヤって顔してるしさ…あんずのうたでもドヤってるしドヤ顔は杏ちゃんのトレードマークみたいなものだけどさ…こんな…こんなかわいいドヤを見せてくれるなんて…何?天使なの?杏ちゃんは天使なの?もしくはかわいいの概念?それは幸子のだよ。でも当時割とこしあん(輿水×杏)とかの二次創作あってかわいい×かわいいでかわいいだったし、ありなのか?ありだ。「杏ちゃんはかわいい」というのは「かわいいはかわいい」と言っているのと同義で言葉が重複している。しかしこのかわいさは貧相な自分の語彙だと「杏ちゃんかわいい」としかいえない…どうすれば…杏ちゃん…杏ちゃん…かわいい…


はい。という感じで今までまったく想定していなかった純粋美少女杏ちゃんを叩きつけられていろいろネジが飛びました。アイドルは一人一つの個性みたいに思ってた貧困な自分の想像力は右ストレートでKOされて死にました。そして「どうして杏ちゃんはこんな表情が出来るんだろう?」「いつもの杏ちゃんとどう繋がるんだろう?」と考えるようになりました。

当時シンデレラガールズに関わるようになって2年弱。その間ただ供給されるものを摂取してましたが、この時初めて「自分が好きなこの子はどういう子なんだろう?」と供給されるもの以外の手がかりを探すようになりました。

・アニデレ(杏ちゃん=イケメン)

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新春の甘姫をきっかけに「この子はもしかしてこういう子なんじゃ?」「フレちゃんは天使…」「ライラさんis天使」などと妄想をたくましく浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでる間にシンデレラガールズがアニメ化することが決まりました。杏ちゃんが出ることも決まりました。製作はアニマスと同じA-1さん。

そんなにアニメを見ないタイプでしたが、杏ちゃんがアニメーションで動くというのがまず嬉しかったです。当時デレステもなかったので、杏ちゃんが動く姿は見れませんでしたし。更に765のアニマスは好きだったので、あのレベルの掘り下げをしてくれるのかと当時かなり楽しみでした。

それでアニメが始まって見て「…何このイケメン」と思いました。最初は仕事を避けようとしたり、クーデターをしたり、「まったく…杏ちゃんはしかたないなぁ…でもきらりがサポートしてくれるなら大丈夫かな」みたいな感じで見ていたんですけど、CANDY ISLANDのメイン回で見せたみんなを俯瞰してみる姿とか、必要あればフォローに回る姿とか、天才な姿とか、杏ちゃんがカッコ良くてますます好きになりました。

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特に1期13話のハイタッチのところ。あれ、カッコ良すぎる。このころから
「杏ちゃんかわいい!」から「杏ちゃんカッコいい…抱いて…」と、保護対象としてどちらかというと母性多めの親目線みたいな感じで見ていた杏ちゃんに対して、尊敬の念とか憧れみたいなものを抱くようになっていきました。


あとこの辺りから仕事中によく杏ちゃんのことを考えるようになりました。学生時代から「仕事やだ」「だらだらしたい」と思って生きていた自分に社会人としての生活は辛過ぎてかなり苦しかったのですが、そんな時に心の杏ちゃんが「杏といっしょにだらだらしようよ~」等と言ってくれるという幻聴/幻覚が見えるようになり、それがなんか救いになってました。

あの頃の自分は嫌で嫌で仕方ないのに「仕事をしないといけない」「真面目にやらないといけない」「手を抜いては行けない」という強迫観念にとらわれていたような気がします。それが苦しかったんですけど、そんな時に「だらだらしてもいい!」と力強くいってくれる杏ちゃんが自分の中の「働きたくない」という感情に寄り添ってくれたことで、感情を殺してしまうことなく色々乗り越えられたんだと思ってます。別に杏ちゃんに誘われたからといってもだらだらできるわけではなかったんですが、「だらけたい」という感情を否定しなくてもよかったというのはそれなりに心理的余裕を作るうえで有用だったんじゃないかと。

・デレステ(はじめての課金と破産)

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そんなこんなで駄目社畜するのにも慣れてきて、アニメ二期も始まって毎週の活力にしてた頃にデレステのサービスが始まりました。まず好きな曲を好きな子達が踊ってくれることに凄く感動しました。当時ライブには行ってなかったため、モバの2D静止画状態から一気に3Dでアイドル達が動くようになって、アイドル達の動きに対する解像度が上がった気がします。開始当時は衣装もほとんどなかったしアイドルも順次実装みたいな感じでしたから、理想編成を組めずに歯噛みしていた時もありましたが、自分の手元で、自分が考えたユニットが動いてくれるというのはなかなか心震える体験でした。

杏ちゃんのもちもちした、普段は憎たらしいけど澄まし顔の時は美少女な顔もよく再現してくれてましたし、今まで杏ちゃんが躍るなんて欠片も想定してなかった曲で踊ってもらうことで、杏ちゃんの新たな動きや表情が見れたのもよかったです。またユニットを組んだ際のモデルや衣装の一致度等で、これまで全く考えてもいなかった組み合わせを考えられたのも色々な発見があってよかったです。あんきらの身長差とかもね。いいよね。

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そしてソシャゲに課金するようになりました。初課金はなまけものフェアリー実装時。ふわふわの衣装に包まれて、頭にデカリボンつけてる杏ちゃんが可愛すぎて欲しくて欲しくてたまらなくて遂に無償ジュエル貯蓄では足りなくて課金に手を出しました。当時はまだ天井が存在しなくて、1ありす=50万円という恐ろしい単位が存在した時代だったので、ドキドキだったんですがなんかわりとあっさり来てくれて「杏ちゃん…来てくれてありがとう…出したお金なんて杏ちゃんが来てくれたことに比べたら紙屑だよ…」みたいなことを思って以降課金への抵抗力が極端に落ちたりしました。

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が、その後同じ年に実装されたもう一人の筆頭担当のフレちゃんのリュミエール・エトワールで0.4ありすぐらい回しても来てくれなくて泣きながら撤退して、ガシャとは恐ろしいものだと分からせられました。今でもトラウマでこのカード見ると色々な感情で胸が締め付けられます。あまりにも辛くて、それまで「宵越しの金は持たねぇ」みたいな感覚で欲しいものは欲しいときに買うみたいに刹那的に生きていましたが、その後趣味に費やしていい資金をちゃんと確保するために家計簿をつけ始めたり、株などの資産運用をはじめました。

なおその後リュミエール・エトワール フレちゃんは1年後復刻の時に引きましたが天井でした。ざっくり0.6ありすのカードです。引けたときはいろんな意味で泣きました。その後、何かの闇鍋ガシャで被って、神を呪ったりもしました。


・スローライフ・ファンタジー

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フレちゃんを引けなかった苦しみ+財布への結構なダメージ+リアルな仕事で自分の裁量を超過した業務の対応しなくてはいけないという状態で16年末から17年頭はかなり追いつめられていました。

何もしたくないのに、嫌で嫌で仕方ない仕事をしないといけない。
遊びたいとすら思えない。そもそも残業で時間がない。
フレちゃんを「引かなかった」ことによる引け目でモバもステもログインすらする気が無く、わりと念願だったはずのあんきらイベもスルーして更に罪悪感を積み重ね、そのせいかいつも辛いときに勝手に来てくれた杏ちゃんの幻覚もあまり浮かんでこず、割とメタメタな日々を過ごしてました。

そろそろ杏ちゃんのソロ2曲目が来るというのは知ってましたが、なんとなく何が何でも聴こうという気力が沸かず、試聴動画が上がってたのは知ってましたが聴こうともせず、正直デレから消極的に離れようと思ってました。

色んな面で余裕がありませんでした。けど17年も2月になり、地獄のようだった業務もある程度見通しが立って、多少趣味に避ける時間が出来たので放置していたスローライフ・ファンタジーの試聴動画を聴きました。

【アイドルマスター】「スローライフ・ファンタジー」(歌:双葉杏) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ooVacNKo51U

双葉杏(五十嵐裕美) スローライフ・ファンタジー 歌詞 - 歌ネット
https://www.uta-net.com/song/223206/

ぶっ刺さりました。アイマスの曲は好きでした。泣きそうになったことも何度もあります。デレアニメの最後の卯月のS(mil)ING!でも涙が滲みました。けどあまりにもその時の自分にとって完璧な曲調、歌声、歌詞で、試聴動画の段階でそれまでにないほどボロボロに泣いてしまい即CDを買いました。

フルを歌詞見ながら聴いてまた泣きました。

刺さったところを書き出すとほぼ全歌詞引用になってしまうのでしませんが、とにかく全歌詞がその時の自分の欲しかった言葉の全てで、自分で勝手に感じていた「こうあるべき」という呪縛が剥がれ落ちて、生まれ変わったかのように心が軽くなりました。出来ないことや自分の分量を超えることは自分じゃなくて誰かに任せてしまえばいいし、そもそもこの世界はおもちゃ箱なんだから楽しまないと損なんだと。そう思えるようになりました。そう割り切れるようになったら仕事がやたら捗る様になり、一気に生活が改善しました。


そして杏ちゃんとの関係においても決定的な転機がありました。 

当時、杏ちゃんとの付き合いも5年。ニートアイドルとしてそのやる気のない態度が気になり、あんずのうたで電波曲も歌えるハイテンションさを好きになり、新春の甘姫であまりの可愛さに悶絶し、アニメでそのかっこよさに改めて惚れ直し、デレステで他アイドルとの新たな関係を妄想し、公式や二次創作や自分の妄想で色んな杏ちゃんを見てきました。

視点が増えるたびに杏ちゃんを見るときのスタンスもだいぶ変わりました。ただの気になる一キャラクターから、庇護欲を掻き立てられる存在となり、尊敬や憧れを感じるようにもなりました。とても好きな子だと思っていたから自分のことを「杏P」と特に疑問を感じることなく言ってました。

けど、スローライフ・ファンタジーを聴いてわかりました。自分は杏ちゃんのプロデューサーなんかではない。逆だと。

自分は杏ちゃんみたいに生きたかったのだとその時はっきりと自覚しました。それまでも仕事中に杏ちゃんの幻覚を見て、苦痛をわかってもらう存在として側にいてもらってましたが、自分は杏ちゃんに同僚のようにサポートして貰いたいわけではなく、杏ちゃんが理想としている世界に住みたいと思っているいわば杏教の信徒で、杏ちゃんに導いて貰いたいと思っていたんだと。

民俗学とか大好きなので、アイドルとは偶像=神の存在を象ったもの、みたいな認識はなんとなくありましたが、それはあくまで外側から見ているだけのもので、実感を伴ってそう思ったことはありませんでした。でも、わかりました。

自分は宗教を「世界がどのような法で構築されているかを説明する体系とその体系に近づこうとする行動」と定義しているのですが、自分は杏ちゃんの描いているだらだらと楽しい内的世界の姿を「あるべき世界の法の体系」と認識しており、そんな世界を現実にしたくて、杏ちゃんを通してその世界を観測して、判断の参考にしたり、行動の指針にしたりしていました。私にとって杏ちゃんはまさしく法の体系=神の体現者でした。なので私は双葉杏教の信徒です。杏ちゃんを導くプロデューサーなんかではありません。

この認識はその後5年経った今でも変わりません。便宜上杏Pや美也Pなどを名乗ることもありますが、自分をプロデューサーとは正直思っていません。アイドル達を通して「あるべき世界」を垣間見ようとしているだけの狂人です。それが私がアイマスに関わるときの基本スタンスです。

とはいっても、まぁ、杏ちゃんは可愛いので「杏ちゃん…かわいいね…かわいいね…」とそれまで同様にオタクとして気持ち悪いことも考えているのですが。だって仕方ないんです。杏ちゃんかわいいから。


・ライブへの参戦(Serendipity Parade!)

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スローライフ・ファンタジーを聴いて自分のアイマスに関わるときのスタンスが確立して以降、今までやってなかったことをやってみようと思うようになりました。その最たるものがライブへの参戦。

とはいっても相変わらず偏見まみれの自分は「まぁ、でも声優がやるライブなんてたいしたことないでしょ」と高を括っておりとりあえず見るだけ見て半分笑ってやろうぐらいのスタンスでした。で、そんな折、たまたま残業調整のために無理やり有給を17/3/10(金)に取らされ、たまたま当時ほぼ何も知らなかったミリオンライブの4thライブがその日にあることを知り、特に予定もないしミリオンへの思い入れなんて皆無な分、ある意味冷やかしで見てがっかりするにはちょうどよいと思い、LVの当日券を買って見に行きました。

あまりのパフォーマンスに圧倒されて、結局4th3日間を全通し、ペンライトも買い、最終日にはボロ泣きしてました。

いや、凄かった。自分は学生時代は毎週ライブハウスに転がり込んでた人間なのでそれなりにライブの経験はあると思っていたけど、声優本人としてではなく声優がキャラを背負って行うライブというものがここまで感情を載せられるものだとは正直夢にも思ってませんでした。

そんなこんなで声優ライブというものの凄さを知り、5月から始まるデレ5thを心待ちにするようになりました。ミリ4thの時は最初誰一人顔と名前が一致しなかったし、曲もほぼ1曲も知らなくてアレだけ感情が揺さぶられたんです。5年間付き合って、キャラとその背景をちゃんと理解しているシンデレラでどうなってしまうんだろうと期待と不安でぐちゃぐちゃでした。頭の宮城公演に杏ちゃんいたし。

見ました。
無事死にました。

というかまず宮城公演のセトリがズル過ぎた。アニメ曲の中でも最高に好きなShine‼から始まってきらり→智絵理→杏ちゃんのソロ2ndが来て、もうそこで感極まってました。ゆきんこさんが正に杏だったし。スローライフ・ファンタジー歌うし。駄目でした。その後あんきらするし。そりゃ、死ぬわ。

そんなライブが、ツアーだったために2週間に一回行われるとかいう恐ろしい状態で、当時仕事で土日出勤もそれなりに当たり前だった中、なんとかしてライブを見るたびにこれまでにないパフォーマンスで仕事したりして、今思い返してもあの頃は「ツアーを全力で駆け抜けた」という感慨があります。

で、ライブツアーを通して思ったのはアイマスを支えてくれてる方たちへの感謝でした。これまで自分は基本的にアイドル達のことは好きで、いろいろ感謝したりはしてたんですが、それを形づくっている声優さんとか、曲を作ってくれている作曲家さんとか、絵やシナリオを描いてくださっているかたとか、アプリのシステム開発さんとかに対して意識を向けることはありませんでした。

けど、ステージに立って全力でキャラを演じてくださっている演者の方たちの姿を見ているうちに、架空世界の創作物としての「シンデレラガールズの世界が好き」から、現実世界含めて「シンデレラガールズを形作る世界が好き」という風に認識が変わっていきました。

「声優の方はこのセリフをどう考えて演じたんだろう?」
「どういう感情を込めたんだろう?」
「この絵にどんな意味付けをしているんだろう?」
「この意匠にした理由はなんだろう?」
「このシナリオ展開は何を意図してるんだろう?」

そうやって作り手側の思惑を考えることで、今まで見てきたものを別の解釈で捉えることが出来るようになっていきました。これはシンデレラガールズについての話だけでなく、他コンテンツや仕事においてもそうで、公私共に見える世界が大きく広がったように感じてます。

スローライフ・ファンタジーで杏ちゃんは
”宇宙は広がりまくる”
と歌ってますがまさに実感としてそんな感じでした。

けどどんなに世界が広がって手に負えなくなったとしても
”広げすぎて困ったら 全部 夢オチ”
にしていいんだという気楽さ。

スローライフ・ファンタジーは5thツアーの宮城とSSAで歌われてツアーの頭と最後にありましたが、ツアーを通して見えてきた新たな物事があったため宮城の時とSSAではまた違った印象で、宮城の時は胸いっぱいの張り裂けそうな感謝という感じでしたが、SSAでは余裕が出来てしみじみと「いいなぁ…」という安心感を感じてました。いいよ…スローライフ・ファンタジーやっぱりいいよ…デレステへの実装待ち望んでたけどホントありがとうございます…


・働く杏ちゃん

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無事ライブデビューも果たして、日々をだらだらと過ごすようにまたなって、ふと感じたのは「なんか最近杏ちゃん結構働いてない?」というものでした。

きっかけはあんきらコミュ。あんきらコミュ自体はイベント実装時はメンタル死んでたので結局コミュみたのは5thツアー中だったりしたんですけど、なんと恐るべきことに杏ちゃんが自分から仕事を求めてきてました。

「ええ!?」って感じです。もともとなんだかんだで真面目にお仕事をするチョロい子ではあったんですけど、まさか自分から仕事をもらいに行くとは思ってなかったのでなかなかの衝撃です。まぁ、自分はキモイオタクなので当時は「へぇ…杏ちゃん?きらりと一緒に歌うためなら自分からお仕事求めに行っちゃうんだ?へぇ…?」みたいな感じだったんですが、この後も凄かったです。

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リトルリドル(ステで17年7月)

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よきにはからえ(17年8月)

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フェス(17年12月)

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満開スマイル(デレステに18年3月実装 ※曲自体は17年)

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杏の主張(モバで18年3月)

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続いてエイプリルフールのきらりんロボ(18年4月 )

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Vast World(ステで18年4月)

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ばてばてサマー(モバで18年8月)

いや、多すぎる。1年でここまで出番あるのは相当珍しいんじゃないだろうか?というか杏ちゃん大丈夫?そりゃばてばてになるよ。汗かいてる杏ちゃんかわいいね。

で、まぁ単純に出番も多かったんですが、特にデレでユニット組んでるあんきらとかリトルリドルとかVastWorldを見ていると、杏ちゃんがアイドルという仕事に対してかなり前向きな印象を受けました。とは言っても手を抜こうとしたりはするのですが、今までは「仕方ないからやる」みたいな感じだったのが、「みんなのためにやる」「だらけてもOKな仕事にする」みたいな感じになっていってました。ステのフェスカードでは覚醒後に「このお仕事も、楽しかったよ」って言ってくれたし。私は泣いた。

そんな感じで長年愛したニートアイドルがお仕事を楽しんでくれるようになってるのを感じて「杏ちゃん…立派になって…」と思ったりしてたのですが、このお仕事に対するスタンスが割と当時の自分とシンクロしてました。

私は仕事を嫌悪してました。というより「やらなくてはいけない」という義務全般を嫌悪していて、その最たるものとして「生活のためにやらなくてはいけない」仕事を嫌悪していたのですが、仕事にそれなりに慣れていくにつれ、仕事をしていて「楽しい」と感じることが増えていきました。そのあたりはスローライフ・ファンタジーを聴いて、仕事に対していい意味でも悪い意味でも適当になったというのも効いてるような気もするのですが、嫌な仕事の中にも自分が楽しめる何かを探して、その楽しいことのために仕事するようになってました。例えば今まで嫌で仕方なかった上司への資料作成に関しても、以下に手を抜いて上司を納得させるかというRTAだと捉えるようになり、ゲーム気分でやれるようになりました。

それを続けていってるうちにふと気づけば「今日の仕事は楽しかったな」と思っている自分に気づきました。自分がそう変わったから杏ちゃんの変化にシンパシーを感じたのか、杏ちゃんの変化を見ながら自分も変わったのかはわかりませんが、でも、どんな理由であるにしろ少しでも杏ちゃんと同じような目線を得ることが出来たのは、杏ちゃんみたいに生きたいと思っている私にはとても嬉しかったです。少しでも近づけたのかな、と。


・杏ちゃんの色気(安らぎの案内人)

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そんなこんなで「杏ちゃん…かわいい…イケメン…好き…」と思いながら数年間過ごしていたのですが、ふと気づきました。「杏ちゃんって結構おエロいのでは?」と。

きっかけはばてばてサマーでした。覚醒前の汗だくでへとへとな顔を見て、自分の中に眠るS心が覚醒しました。ダメでした。

一度そういう目で見てしまうと、まぁ、いろいろ見えてきてしまって、なんか…杏ちゃんのお尻いいよね…とか、杏ちゃんの脚…とかなんかこうダメでした。

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というか6年近く全然気づいてなかったけど、「ハロウィンぷちデビル」のカードヤバいなとか。よく見たらお尻見えちゃってるし、これ観客から杏ちゃんのスカートの中丸見えじゃん。デレP許さない…。とか自分を棚に上げて思ったりしました。6年間、「杏ちゃんのジト目かわいいね」としか思ってなかったのに…どうしてこんなことに…

そんな感じで信仰対象である杏ちゃんにそういう目線を向けてしまっていることに罪悪感と共に暗い悦びを感じているなか、安らぎの案内人がでました。

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ああああああああ!!!杏ちゃん!?杏ちゃんなの!?え、あ…え?えええええええええ!!!!????あ、女神?女神なの?杏ちゃんは女神だったんだ!そうだったんだ!知ってた!杏ちゃんはなんかこう神聖にして侵すべからずななんかそういう存在だってわかってた!というかあなたなんなんですか?殺す気ですか?ま、饅頭だったくせに…なんだその顔は!ぎぃいいい…!

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というか覚醒前もヤバいんです。ねぇ?杏ちゃん?なにその…なにその顔?美少女なのは知ってたよ?だけど、さぁ…そんな大人な表情…うぅ…杏ちゃん…ちょっと前まで饅頭だと思ったのに…こんなのレディじゃん…大人の女じゃん…もう結婚じゃん…あ、そういえばちょっと前にしてた…

みたいになりました。

いや、8年目にして狂いましたね。饅頭だと思ったのに杏ちゃんは中身だけでなく、外見も大人になれるんだということを思い知らされました。覚醒前も後もなんか妙に色っぽい気がする。というか美。花も恥らう乙女座に恥じぬ完璧さでした。


・10周年と原点回帰(EVERLASTING)

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そうこうしているうちにシンデレラが10周年を向かえました。

杏ちゃんがシンデレラの10周年を祝うEVERLASTINGにいてくれるのがまず嬉しかったんですが、同時に曲とかライブとかイベビジュとかを見てて、シンデレラは今原点回帰みたいなものを少し意識してるのかも知れないと感じてます。

EVERLASTINGの間奏部にこれまでの十年を支えていた曲が盛り込まれていたり、ライブも6th、7thであったように演出にゴリゴリに力を入れるというものからアイドルや演者の方にスポットライトを当て、曲も初期曲多めな構成になってました。イベビジュもあかりちゃんカードの後ろでわりと自分が初期に二次創作で好んで摂取していたこしあんが絡んでたりして、なんかいろいろノスタルジーを感じることが多かったです。

とはいっても原点回帰で懐古という感じではなく、歩みを振り返ってみて、道のりを確かめて、それでまた歩き出そうという感じ。

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最近出た杏ちゃんのノワール衣装も絶対ハロウィンぷちデビルとかぐうたら王国意識してるけど、その時とは違って自分から積極的にぐうたらする世界のために戦っていて、杏ちゃんのこれまでと、成長した杏ちゃんがまたこれからどんなことをしてくれるのか非常に楽しみで嬉しかったです。

スタマスでも初期の「仕事なんてするものか!」な杏ちゃんの姿を久しぶりに見れてそれもなんか感慨深かったですし。3Dコミュの杏ちゃんもかわいいしね…饅頭…

みたいなことを考えてぼんやり生きて、10周年の最終公演の時になんか振り返り文章でも書こうかなとか思ってたら、先日スローライフ・ファンタジーがデレステに実装されて、こうなんか色々と自分の中で愛が高まって振り返ってみたら2012年2月12日があんずちゃんをお迎えした初日で、なんか運命感じて、この文章を書き始めました。


はい。そんな感じで杏ちゃんとともに本日2022年2月12日に10周年を迎えました。他にもフレちゃんとかライラさんとか感情を激しく揺さぶるアイドルはいるんですが、自分にとってはやっぱり始まりは杏ちゃんだし、10年ずっと好きで、事あるごとにもっと好きになっていったし、いろいろ公私ともに考え方を変えるきっかけになってくれたし、仕事中によく幻覚見るしで、やっぱり杏ちゃんはかなり特別な子の認識です。

これからも杏ちゃんがどんな姿を見せてくれるのかをだらだらと追って生きていこうと思います。しばらくは遂に実装されたスローライフ・ファンタジーを堪能し続けるけど。

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大好きだよ杏ちゃん。
これからもよろしくね。


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