トルコ式ゲットアップ解説

こんにちは😃
ケトルベルインストラクターの花咲です。

今回は、スイングと並んでケトルベル種目の基礎として知られる「トルコ式ゲットアップ」について、動作の解説をしたいと思います。 


トルコ式ゲットアップって?

トルコ式ゲットアップは、元々は寝たところから起き上がるだけの種目でしたが、現在ではいくつかの体の基本的な動作を取り入れた素晴らしい種目となっています。

肩をしっかりと安定させた状態で行うことで、多角面からの刺激が肩や体幹に入るため、ファンクショナルトレーニングの王道とも言えるでしょう。

1回あたりの動作が少し複雑ですので、下記を参考にしながら安全に実施してください。


動作の流れ

まずはケトルベルを床から持ち上げる局面から確認していきましょう。
安全のため、軽い重量でも常に重いものを扱うような気持ちで動作を行います。

ピックアップ

ケトルベルが実施側の肋骨横(写真では右)にくるように寝転がります。

半身になり、ケトルベルのハンドルを右手で握り、その上から左手を被せるような形で握ります。

スタートポジション

ケトルベルを両手で保持したまま、上向きになります。

フロアプレス

ケトルベルを上に押し上げて、肘をしっかりと伸ばします。

これは、両手でも片手でも問題ありません。扱う重量に合わせて安全に選択してください。

ケトルベルのハンドルをしっかりと握り、手首をしっかりと立てます。

ここから先、ハーフニーリングポジションまで常にケトルベルを注視します。

事前準備(ポジション確認)

左腕を45~60°くらいに開き、左足も左腕と平行になるように開きます。

右ひざを立てて同じように45~60°程開きます。
お尻の力を使いづらくなるので、右足をお尻に近づけすぎないように注意しましょう。


ローリング

そのまま右足で床を踏ん張り、左ひじで床を押し付けつつ体重を乗せる形で、上体を起こします。

右のお尻を使い、体を左側に転がすイメージを持つといいでしょう。

起き上がる際に、伸ばした左足が持ち上がってしまう場合は、広背筋の収縮が弱かったり、腹部の筋力が弱い可能性があります。移動を行う前に、力強く息を鼻からすすり、広背筋と腹部へ力を込めて再度動作を行ってみましょう。

エルボートゥハンド

次に左肘を伸ばします。

左手は遠すぎず近すぎず、左のお尻の斜め後方あたりで最も肩が安定しやすい場所に置きます。以降の動作に影響があることもあるので場合によっては、手の位置を動かすことも必要になってきます。安定しやすく、次の動作が行いやすい場所を把握しましょう。

また、この姿勢で首を左右に数回回旋させ、首が脱力し、肩が引き下がっているかを確認してみましょう。スムーズな回旋が行えない場合は、肩がすくんでいる可能性があります。

ここまでの動作を繰り返す種目を「ハーフゲットアップ」といいます。
ゲットアップ導入時の動作学習や、重いケトルベルで行う場合に適した種目です。


レッグスウィープ

左足を後方へ引き、左手のライン上に膝をつきます。(レッグスウィープ)

右膝と左膝の向きが直角関係にあり、左の下腿骨(ふくらはぎ)ライン上に左手があると、次のヒンジ動作がスムーズに行えます。

この時は、左手に重心がある状態を維持します。

ヒップヒンジ

ヒンジ動作を伴いつつ、左手から左の股関節へと重心を移動させます。

この際に、体が湾曲(側屈)しないよう真っすぐな状態を維持します。

ヒップエクステンション(ハーフニーリング)

股関節の伸展を伴いつつ、体を起こします。

このポジションからは視線をケトルベルではなく、前方(地平線を見るように)へ移動させます。

この際にも、肘は完全に伸展させ、上腕が耳の横に位置するように心がけましょう。

ランジ

右足を写真のように移動させるか、右ひざの向きを変えて、ランジポジション(ハーフニーリング)をとります。

前足ではなく、地面に接した膝へ体重を乗せておきます。

スタンディングポジション

右足に体重を移動させる形で完全に直立します。

手首はまっすぐ、腕が耳の隣に来ており、腹部や臀部、大腿部が収縮して、一直線を描いているか再度確認しましょう。

ここまで行った動作を戻り、ケトルベルを置くまでが一連の動作になります。

おわりに

トルコ式ゲットアップは動作の流れを覚えるのが手間ですし、実施場所も限られるため、行っていない方が非常に多いのではないでしょうか?

実際は、スイングもゲットアップをやれば最低限のトレーニングが出来ると言われるほどに効果の高い種目です。

また、歴史も古く2〜300年以上と昔から、スポーツ選手のトレーニングとして取り入れられたことがわかっています。今でも多くのストレングスコーチが注目され、実施されるには理由があります。

是非みなさんのトレーニングの一部に歴史あるトレーニング、トルコ式ゲットアップを取り入れてみてはいかがでしょうか?


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