すごいメモ【bookノートB 】
「見やすいメモの取り方がわからない」
「メモを取ったはいいけれど、その後見返したことがない」
こうした経験をしている人は多いだろう。
メモは単なる過去の記録ではなく、「未来の自分」に向けたメッセージ。
「まとメモ」は情報を上手にまとめて仕事の効率を高めるメモであり、簡単な記号を使い、吹き出しを書くだけで見やすいメモが完成する。
「つくメモ」は、既存のアイデアを組み合わせて斬新なアイデアを生むためのメモを指す。
「つくメモ」を活用すれば1時間に100個のアイデアを出すことも夢ではない。
「つたメモ」は伝えたい情報が的確に相手に伝わるためのメモである。
メモはその時取って終わりではなく、考えるきっかけを未来の自分へ残すためのものである。
人間の記憶は時間とともに必ず風化してしまうものなので、記憶力に頼らずその時の状況が一瞬で思い出せるようなメモを書くことが重要である。
どんなにたくさん情報があっても、使えない情報はゴミ同然と言ってもよい。
「まとメモ」は、洪水のような大量の情報を整理し、未来の自分が情報を活用できるようにするためのメソッドだ。
一番簡単な方法は、メモに「〇」をつけることである。
「〇」をつけて見るべきポイントを明確にしておくと、後からメモを見返したときに混乱しないし、自然と重要なポイントに目が行く。
ただしこの方法にはいくつかルールがある。
まず、「〇」の数は1つのメモに最大3つまでにするのが望ましい。
あれもこれも大切だからと「〇」をつけすぎると、結局どれが重要なのかわからなくなってしまうからだ。
ルールの2つ目は、どこかに書いてあることには「〇」をつけないことである。
むしろ、自分が大切だと思った考えや後で調べる必要のあることなど、書いておかないと忘れそうなことに「〇」をつけるのがよい。
ルールの3つ目は、疑問点には必ず「〇」をつけることだ。
「これはなぜか?」というシンプルな疑問こそが、未来の自分に考えるきっかけを与え、真の課題をあぶり出すことにつながるからである。
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「どういった順序で考えればよいかわからない」
「考えることが多すぎる」
こうした状況を解消するには、矢印「←」を使って秩序をもたらすのが効果的だ。
ランダムに置かれた情報を矢印でつなぐだけで、情報同士の関係性が明確になり、理解しやすくなる。
このメモを他人が読む場合にも、矢印を追いながら読み進めることで論理的に理解できる上、徐々に結論に近づいている気持ちになり読む快感も増すという効果がある。
何気なく矢印でつないでみた2つのものの関係性に、思わぬ矛盾を発見できるというメリットもある。
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視覚的に理解しやすい記号を多用することで、見やすいメモをつくることができる。
対立するものには「VS」
わからないことには「?」
対比物には「⇔」
などと、自分にとってわかりやすく使いやすい記号を用いてみる。
人間は忘れやすい生き物である。
いくらメモを残していても、その情報をどうしようとしたのかを忘れてしまっては、せっかくのメモが活きてこない。
そこで登場するのが「吹き出しメモ」である。未来の自分に
「こう考えてね」「ここを解決してね」
といった指示を吹き出しで残しておくことで、その情報を使えるようにするというものだ。
未来のよりよい気づきのために、吹き出しを添えることを推奨する。
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デジタルのメモのよい点は何といっても「検索」ができることだ。
紙のメモは簡単に図が描けるといった長所がある一方で、検索性に欠けるという欠点がある。
その点、デジタルのメモは、検索により目当ての情報を一発で取り出すことができる。
ただし、検索をスムーズにするにはタイトルを少しばかり工夫する必要がある。
というのも、日付やプロジェクト名だけをタイトルにすると、未来の自分がその日付やプロジェクトを思い出すとは限らず、情報が埋もれてしまう恐れがあるからだ。
ここでも未来の自分が検索しそうなキーワードを想定し、複数個タイトルに入れておくことで、探していたメモをすんなりと見つけることができる。
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メモからクリエイティブなアイデアを生み出すメソッド。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせだ。
クリエイティブだと言われている人もゼロから独創的なアイデアを思いつくわけではなく、クリエイティブなアイデアの出し方を知っているにすぎない。
そのために活用してほしいのが、「つくメモ」である。
「つくメモ」の中で最初に紹介するのは、「ハードルメモ」だ。
タイトルが決まると話の中身が書きやすくなるように、人はルールがあると考えやすくなる。
「自由に」「何でもいいから」と言われると、とっかかりがないためにアイデアを出すことができない。
超えるべきハードルを設けることで、人は考えを深め画期的なアイデアを生み出すことができる。
それを言葉にしたのが「ハードルメモ」だ。
このハードルメモがあれば仕事の目的がはっきりするためにメンバーやクライアントとイメージを共有しやすくなり、チームの合言葉にもなり結束力を高めてくれる。
「ハードルメモ」をたった3秒で書くコツは、目標を「それは本当に、〇〇〇するか?」という文に当てはめるというものだ。
〇〇〇にはチームの目標が入り、例えば帝国ホテルの目標が「帝国ホテルのサービスを向上する」だったならば、「それは本当に、帝国ホテルのサービスを向上させるか?」となる。
あとは、具体的な個々のアイデアがこのルールに当てはまるかどうかを考えればよい。
また、目標がハードル化されると、人はハードルを越えようとするため、精度の高いアイデアが集まるというメリットもある。
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脳は絵やマークが入っていた方が物事を簡単に理解することができ、断片的な情報よりも、ストーリー化された情報の方が覚えやすいという特性を持っている。
そこでイラストとセリフというマンガの特徴を生かして想像力を刺激しようというのが「マンガメモ」である。
マンガメモと言っても、吹き出しにそれぞれの意見を書き込むというシンプルなものだ。
こうすることで、情報が視覚化されて見やすくなり、内容が飲み込みやすくなる。
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短時間でたくさんの画期的なアイデアを出すことができる2つの方法を紹介する。
「ブラック三角メモ」「ホワイト三角メモ」
両方ともつの三角形を左右からリボンのように交わらせて描く簡単なものである。
ユーザーの不満から隠れニーズを探る「ブラック三角メモ」では、右手の三角形にユーザーの不満を、左側の三角形には今の技術でできそうなことや商品情報を書き連ねていく。
そして2つの三角形が交わってできる真ん中のひし形に、その左右の条件を満たすようなアイデアを書いていくだけだ。
このアイデアこそが、ユーザーの「隠れニーズ」を解決するものなのだ。
一方、「ホワイト三角メモ」は短時間でアイデアを量産するためのメソッドだ。
まず解決したい課題を設定し、先述した図の左側の三角形にその課題に関係することを書きこむ。
例えば「銭湯に若い女性を呼び込む」ことが課題なら、左側には「コーヒー牛乳」や「富士山の絵」「えんとつ」といった言葉が入る。
次に、右側の三角形にターゲットの好きなことをリストアップする。
この場合若い女性がターゲットなので、「壁ドン」「イケメン」「美白」といったワードが入るだろう。
最後に、左と右のキーワードをつなげて面白い言葉を作るのだ。具体例として、「富士山の壁で壁ドン」「コーヒー牛乳美白」「イケメン煙突」などを挙げることができる。
ちぐはぐでそのままでは使えないものもあるが、この方法を実践することで普通に考えていたら思い付かないような面白いアイデアが生まれる。
よいアイデアを生み出すためには、とにかくたくさんのアイデアを考えて、そこからよいアイデアを選ぶしかない。
これを繰り返し続けることで、コンスタントにクリエイティブな発想ができるようになる。
人に自分の考えを伝えるときに大事なのは、「伝える」ではなく「伝わる」ことを意識する点である。
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聞き手の理解を意識せず届けられたアイデアは、聞き手の中に浸透しない。
そこで登場する「つたメモ」は、聞き手に伝えたいことがより興味深く、面白く、正確に伝わるためのメソッドである。
「つたメモ」の中で、最初に紹介するのは「『見出し』メモ」だ。
見出しは「メモ年月日+その内容+そのときのメンバー」が基本形だが、会議でのメモであれば一言そのときの会議での発言を加えるだけで、メモの臨場感がグッとアップし、続きを読みたいという気持ちを喚起してくれる。
注意を引く見出しをつけることで、他人だけでなく未来の自分もメモに興味を持ちやすくなるので一石二鳥。
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面白いスピーチのヒントは書籍の「タイトル」にある。
タイトルには、その本に興味がない人にも興味を持ってもらうための工夫が凝らされている。
工夫の1つ目は「なぜ?」という言葉だ。
2つ目のポイントは「呼応」である。
人は呼びかけられると無意識に応えたくなるものだ。
3つ目のポイントは「数字」である。
人間はとにかく数字に弱い。
タイトルに「99%の~」「10の法則」などのように数字が盛り込まれた書籍に惹かれてしまうのだ。
スピーチをするときも、書籍のタイトルになりそうな一行の簡潔なメモを並べて話すようにすると、周囲から興味を持ってもらえる可能性が高まる上に、原稿にくぎづけになって下を向いたままという状況を防げるだろう。
「すごいメモ」 小西利行 著
かんき出版
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