人生ドラクエ化マニュアル【bookノートB】
多くの人にとってドラクエは現実逃避の楽しみとして存在する。
でも、それならば、現実の人生をこそドラクエ化してしまえばいいのではないか。
人生というゲームにおいては、選択できるコマンドはドラクエよりはるかに幅広く多数にわたっている。
全ての体験はリアルで、死ぬときは本当に死んでしまう。
ポーズボタンはないので、時間もどんどん進む。
人生はドラクエの何万倍も面白いゲームに変えることができるのだ。
ではどうやって人生をゲーム化すればいいのか。
ゲームとは
「目的を達成するための」
「ルールに則った」
「敵との楽しい闘い」
と定義できる。
ドラクエは
「アレフガルドの平和を取り戻すという目的達成のための」
「ドラクエ独自ルールに則った」
「敵との闘いを楽しむゲーム」
となる。
ドラクエもスーパーマリオもサッカーも、闘いが楽しいのだ。
しかし、人生においては、闘いは苦しくつらいものと認識されている。
そこで人生をゲーム化すると、闘いが楽しいものに変わり、人生全体が楽しいものになってしまうというわけだ。
先に述べた「目的」「ルール」「敵」という三大要素を、勉強や仕事に投入すれば、それらはゲーム化する。
そして、人生そのものに三大要素を投入すれば、
人生が冒険ゲームに化けていくのである!
まず、実際、人生における「目的」とは何を意味するのか。
人生の目的とはそもそも、誰が設定しているのだろう。
ほかでもない、あなたである。
ドラクエのゲーム設定者は堀井雄二氏だが、あなたの人生にあなた以外のデザイナーはいないのである。
ところが、あまりにも当たり前なこの事実が理解されず、
親や社会から設定されたゲーム目的
「良い学校、会社に入って結婚して平穏に暮らす」
をそのまま設定している人が多い。
それでは、他人の人生を生きているということになる。
自分の人生ゲームのゲーム目的は、自分の意志で決めて、
そして自分の意志で変更したっていいのだ。
目的を決めるにあたって、ドラクエのゲーム目的を振り返ってみよう。
人生をドラクエのように面白いゲームにするには、ドラクエのゲーム目的の特徴を参考にするべきだからだ。
ドラクエのゲーム目的は、
「ボス敵を倒し、お姫様を救出し、世界平和を取り戻すこと」
だ。
ここには、
「ワクワクし、ロマンを感じ、実現したくてたまらない夢」
という特徴がある。
したがって、自分自身にとってそうした特徴が感じられるものを人生のゲーム目的にせねばならないし、
でなければ人生はゲーム化されないともいえる。
体が勝手に動き出して、
行動せずにはいられないくらいワクワクすることこそが、
あなたの人生のゲーム目的になりうるものだ。
ワクワクすることは絶対にどこかにある。
ないと思っているのは思い込みで、
おそらくただ単にワクワクすることを忘れているだけだ。
ゲーム目的となるものがわからないならば、まずはそれを探す冒険に旅立とう。
次は、人生をゲーム化させる要素のうちの「敵」について考えてみよう。
まず、ドラクエの敵といえば、「スライム」や「まほうつかい」などのモンスターたち、さらに行く手を阻む「迷路」や「各種パズル」も敵だといえる。
人生ゲームにおけるモンスターは、
嫌味っぽい人、
頭の固い上司、
常識や世間体にしばられる両親であり、
迷路やパズルは、金欠などの自分が置かれた不利な状況だ。
自分のやる気喪失なども敵であるといえる。
人生ゲームにおいて敵が出現すると、私たちはムカついたり落ち込んだり、だいたいマイナスの反応をとる。
けれど、ドラクエの場合はどうだろう。
スライムと遭遇した時は、「かわいいなぁ」という感情が湧き(敵なのに!)、かるくやっつける。
ゴールドマンと遭遇した時は、大金ゲットに舌なめずりしながら楽しく闘う。
パズルと遭遇した時は、難しくても面白がりながら解くことを楽しむ。
このように、敵との遭遇をワクワクしながら楽しんでいるのである。
よって、人生をゲーム化するには、敵をドラクエのモンスターやパズルに見立てて、楽しく闘うということがミソだ。
この、闘いを楽しむ姿勢が、人生をゲーム化する際に必要なのだ。
人生ゲームでは、大きな夢を設定すれば手強い敵が、
小さな目標を設定すれば弱い敵が自動生成されて出現する。
そのため、大きな夢を設定したときひるんでしまうことになる。
でも、自分の人生ゲームのゲームデザイナーは自分なので、敵の難易度は自分で設定しなおしてしまえばいいのだ。
ドラクエと同じように、「ラスボス」「中ボス」「小ボス」「ザコキャラ」に分けて、「ザコキャラ」からやっつければいい。
本書の「出版&ミリオンセラー化ゲーム」を考えたとき、
いきなりラスボスの「ミリオンセラー達成」に向かい合うのではなく、
下位の目的を、中ボス=原稿を編集者と作りあげる、
小ボス=出版社の編集者から出版OKの返事をもらう、
ザコキャラ=勢いのある出版社&編集者のリストアップ、
というふうに小分けして敵に設定。
そして、スライムのようなザコキャラにあたる敵からやっつける。
それぞれの敵が見えたら、モンスター名をつけてもいい。
敵が粘着気質な人間なら「おおなめくじ」、肥満体なら「キングスライム」など。
それだけでも笑えてくるものだ。
そして、倒す/仲間にする/逃げる (無視をする) など、攻略法を考えていく。
敵との楽しい闘いがあってこそのゲームなのである。
ドラクエには、
ゲーム目的は変えられない、
敵に勝ったときにのみ経験値が増加する、
ゲームプレイに時間制限がない、
などのルールがある。
こうしたルールは、ゲームを緊張感のある、面白いものにしている。
ルールを知っておけば、人生ゲームも、より楽しく有利に進めることができるのである。
【人生のゲーム化】
まず、ゲーム目的は自由設定可能、ということだ。
ドラクエでは初期目的は堀井氏により設定されているが、人生においてはプレイヤー自らが自由に設定できる。
しかも、変更しても追加しても削除してもいい。
だから、いつでも気軽に、最高に楽しい! と思えるゲーム目的に変更できる。
現在の自分の人生ゲームの目的に違和感を覚えたら、何度でも気軽に目的を変更してしまおう。
ドラクエでは、敵との闘いに負けた時に経験値は増えない。
けれど、人生ゲームでの経験値は、敵との闘いに勝っても負けても、途中で逃げても増える。
人生ゲームでは、負けても逃げても、その方法では敵を倒せないことがわかり、次のバトルに活かせるからだ。
多くの人生ゲームプレイヤーたちは負けを恐れて闘わないゆえに、経験値もレベルも上がっていかない。
けれど一部のゲームプレイヤーたちはがんがん闘いまくるので、経験格差やレベル格差ができていく。
ルールを活用するには、とにかく命の危険がない限りともかく闘う、特定の敵に対してはいろんな攻略法を試してみる、というようなことが考えられる。
それらすべてが経験値アップにつながるのだ。
人生をゲーム化する三大要素についておおまかなところを説明してきた。
ただ、今現在の (つまらない) 仕事をゲーム化することで人生を楽しくしたいと願う人も多くいるだろう。
【仕事のゲーム化】
仕事のゲーム化も、もちろん、仕事にゲームの三大要素、「目的」「ルール」「敵」を投入すればよい。
教育の仕事のケースを例に、三大要素の投入の仕方を考えてみよう。
本来、仕事の目的は固定されているものだが、これを自分なりにいじってしまうのが、仕事のゲーム化の極意だ。
教育の仕事の場合、一般的には「生徒に学習内容を理解させること」が目的だ。
ここにワクワクするのならそのままゲーム目的とすればよいが、
ワクワクしないのなら、自分がワクワクする要素を付け加える、
仕事そのものを違うかたちで捉えなおす、
ということを試してみるといい。
教育の仕事を「ウケる授業を行うこと」「遊びながら学べる、娯楽提供サービス」などと、ワクワクするものに言い換えてみよう。
次に、敵を明確化する。
教育の敵なら、難しい学習内容や、生徒の無関心といったことが考えられる。
そして、仕事にあるルールを明確化し、
活用法を考えると、
仕事に緊張感という味わいが出てくる。
教育のルールは、授業の内容の面白さによって、生徒の学習スピードが変化する、というようなことだ。
三大要素投入の仕方がわかったら、ゲーム内容を表現してみよう。
例えば、「ウケる教育ゲーム」と名付け、「生徒が楽しく授業の内容を習得することが目的。
授業の工夫やギャグなどで生徒の興味関心を高め、生徒といっしょに敵 (難しい学習内容) との闘いを楽しむゲーム」と教育の仕事をゲーム化することができる。
そして、日々、敵の弱点やルールを考え、攻略法を考え、敵との闘いを楽しむのだ。
「人生ドラクエ化マニュアル」
JUNZO 著
ワニブックス
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