朝のコーヒー 夜のビール【bookノートC】

「コーヒーとビールが自律神経を整え、仕事のパフォーマンスを上げる」。

コーヒーとビールは正しい飲み方を守れば、自律神経のバランスを整えて、仕事のパフォーマンスを高めるのに大いに役立つ。

コーヒーは、体内のコルチゾールの分泌を邪魔しない時間帯に飲むようにすると、覚醒効果が得られる。

ビールには代謝を高める働きがあるため、食事と上手く組み合わせることにより、ダイエット効果が期待できる。

コーヒーとビールの効果を得るには、十分な水分補給が大前提。

飲み物は水分補給、あるいは補助的な存在として捉えられがち。

飲み物は、食べ物と比べると約50倍もの速さで消化吸収が行われる。

具体的には、食べ物が胃で4時間もかけて消化されるのに対し、飲み物にかかる時間はたったの5分程度だ。

さらに飲み物の場合、その栄養分は小腸だけでなく胃からも吸収される。

つまり、口にしてからわずか数分で栄養が全身を駆け巡るということだ。

この利点を活用しない手はない。

毎朝、眠気覚ましにコーヒーを1杯という人は多いはずだ。

しかし、この飲み方こそ身体の慢性的なだるさを引き起こし、

1日のパフォーマンスを低下させる可能性が高い。

これは「コルチゾール」というホルモンが深く関係している。

コルチゾールは、目覚めに大きな影響を与えるホルモンである。

早朝6時から分泌量が増えていき、午前8~9時にピークを迎える。

その間にしっかりとコルチゾールが分泌されることで体が覚醒し、やる気も湧く。

しかし、このタイミングでコーヒーを飲んでしまうと、コルチゾールの分泌が抑制されて、本来得られるはずだった覚醒効果が失われてしまう。

すると、眠気が覚めない、だるさを感じるといった症状を招くことになる。

さらには、コルチゾールの抑制を習慣化するとカフェインに対して耐性ができてしまう。

すると、覚醒作用をはじめ、疲労回復作用、記憶力向上、ダイエット作用といったコーヒーの大切なメリットも得られなくなる可能性も生じる。

コーヒーを飲んでもよい時間帯は「午前9時半~11時半」「午後2時~5時まで」である。

この時間であれば、1日の中で変化するコルチゾールの分泌を邪魔する心配もない。

コーヒーには飲むタイミングがあるということを、基本ルールとして覚えておきたい。

甘い缶コーヒーを常に飲む人は、缶コーヒーに含まれる多量の砂糖に注意が必要である。

一般的な缶コーヒー1本の中には、10g以上もの砂糖が入っており、

これはWHOが定めた1日の糖分摂取目安量の約半分にあたる。

大量の糖分を、特に空腹のときに摂取すると、血糖値を急激に上昇させ、その反動で急下降を引き起こすことになる。

これにより自律神経が乱れ、疲労を感じやすくなってしまう。

さらには、脳機能や精神面に影響を及ぼす可能性がある。

コーヒーの働きをうまく享受するには、ブラックで飲むのを基本にするとよい。

アロマ効果につながるコーヒーの香りを感じやすく、コーヒーの成分をストレートに取り入れられる。

甘みを足すにしても、白砂糖ではなく黒砂糖を選択したほうが賢明だ。

白砂糖は体内に吸収されやすく、血糖値を急激に上げやすいためだ。

きび砂糖や黒砂糖は体内への吸収が緩やかであるため、血糖値も上げにくい。

よって、メンタル維持やダイエットにも向いているのである。

「ビールは太る」と言われる本当の理由はビールそのものではなく、一緒に食べる「つまみ」にある。

ビールはソーセージやピザなどの高カロリーな食事、とりわけ揚げ物との相性は抜群だ。

ビール自体は決して高カロリーではない。

まずは食事の内容に目を向けるべきである。

ビールは「低GI食品」のひとつだ。

GIとは血糖値の上昇スピードを数値化したものである。

ダイエットをしたいなら、GI値の低い食べ物や飲み物から口に入れるのが望ましい。

ダイエット向きなのはGI値が60以下と言われるが、

ビールのGI値は35と条件を満たしている。

GI値は最初に胃に入れるものに左右されるため、

「とりあえずビール!」は、正しい判断だと言える。

仕事のパフォーマンスを向上させる方法の一つが「30分前のカフェインナップ」だ。

コーヒーを1杯飲んでから15分~20分の仮眠をとるだけで、

疲れやだるさを効率よく軽減でき、

脳もリフレッシュする。

コーヒーに含まれるカフェインの覚醒効果は、飲んでから約30分後である。

コーヒーは二日酔いの症状を和らげるのに最適な飲み物だ。

二日酔いで頭痛が起こる原因は、

体の許容範囲を超えたアルコールがアセトアルデヒドに変わり、

脳内の血管を拡張させ、

周囲の神経を刺激することである。

アセトアルデヒドを体外に排出させ、

拡張した血管を元に戻すことが、二日酔いの改善策となる。

この両方に効くのがコーヒーだ。

コーヒーの利尿作用がアセトアルデヒドの排出を促し、

そしてカフェインが血管を収縮に導いていく。

二日酔いのときにおすすめしたいのは、

牛乳を加えることである。

牛乳は肝機能や疲労の回復を助けてくれるため、

弱った胃腸の改善に役立つ。

ビールは副交感神経を高めてくれる。

仕事終わりにビールを飲めば、

ビールに含まれる麦芽やホップの香りなどと相まって、

体がリラックス状態に移行し、

その日の疲労がリセットされやすくなる。

ビールには代謝をアップさせる働きがある。

ビールに含まれる「ビール酵母」には、ビタミンB群が入っており、これが栄養をスムーズにエネルギーに変換する役割を果たすからだ。

食事に上手くビールを組み合わせれば、ダイエット作用も期待できる。

注目したいのは、ビールに含まれる炭酸と、原料であるホップがもたらす効果だ。

炭酸は胃腸の働きを活発にし、

二酸化炭素が血流を促進して消化・吸収を助けてくれる。

ホップの苦みが胃腸の消化酵素の分泌を活性化させる。

胃腸を活発にすることは、健康的な腸内環境を維持するのに非常に重要だ。

ビールがアミノ酸、ビタミン、ミネラルといった栄養素を豊富に含んでいる。

ビールの主原料であるホップはハーブの一種で、

古くから鎮静や薬理作用などがあることで知られている。

ホップに含まれる「キサントフモール」は、動脈硬化の予防や善玉コレステロールを上昇させる働きがあるという。

心疾患や脳血管疾患などの血管系の病気で亡くなる確率の高い日本人にとっては朗報である。

いずれにせよ、過度な飲酒は避け、人それぞれ適した量のビールを摂取するようにしたい。

コーヒーとビールでいくら自律神経を整えても、水分不足ではその効果が失われてしまう。

両者には利尿作用があるため、水分補給と併せて考える必要がある。

水分の摂取が不十分だと、あらゆる不調につながる。

新陳代謝の滞りからくる肥満やむくみ、

老廃物の蓄積による疲労、

便秘、ストレス増加、免疫力低下など。

ベストなコンディションを保つには、

飲食から1日3リットルの水分を摂ることを目標にするとよい。

また、「水分補給には真水」を選ぶようにしたい。

適量の水分を継続的に摂取することで、

健康増進や老化予防が期待できる。

朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる
馬渕知子 著
クロスメディア・パブリッシング


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