『決戦は日曜日』感想 ~ 赤楚くんについて※ネタバレあり

そもそも、この映画を観たきっかけが我が最推し赤楚衛二が出演しているから。ありがとう!赤楚くん。私を坂下雄一郎監督作品に出会わせてくれて。

赤楚衛二の名前がキャストの三番目に表記されていることはファンとしては嬉しい限りだが、物語の序列的には秘書軍団揃って三番手の印象。おそらく監督もそのつもりで撮っていたと思う。

しかし!ここは赤楚衛二ファンの一人として、彼の演技にスポットを当て記しておきたい。推しですからね、箸が転んでもスタオベする所存。

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赤楚演じる岩渕勇気は代議士の息子、監督からは「若者の代表のような役柄」と指示があったとか。次から次へと起こるトラブルに対して疑問も持たずに流されていく岩渕を彼は「軸がない」と言って役作りに悩んだと言う。軸がないとはどういうことだろう?岩渕には本当に軸がなかったのだろうか?

事務所に来て日が浅いある日、「余裕っすね。ちょろいかもしれない…やっちゃいますね、俺」と言って先輩・向井(音尾琢真)をドン引かせる。有美があそこまで破天荒でなければ、この事務所のガンは岩渕だったかもしれない。代議士の息子として生きてきた故か本人が持って生まれた性質なのか、目の前で起きる様々なトラブルに理解が出来なくてもサクッと受け入れる軽やかさ、と言うにはいささか軽すぎる。これが「軸がない」ということなのだろう。

岩渕は将来、父の跡を継ぎ国会議員を目指すのだから、何かを得ようとする気持ちはあると思う。選挙が始まって忙しく働き「どうなりますかね?」と選挙結果を気にする声は弾んでいる。彼なりにやる気がみなぎっているのだ。しかし選挙は「もう決まっている」「そんなもの」だと聞かされ、秒で受け入れる。こんな時の赤楚衛二の目の演技は秀逸だ。一瞬で諦めて光を失う瞳を前にしたら「この人怖いかも」と思ってしまうのも無理はない。

有美が古い慣習に疑問を呈し続けるキャラクターだとしたら、岩渕はその対極にいる存在。濁った水も「そんなもの」と受け入れる人物を一番若い彼が演じることにより、この国の将来への不安を匂わせているのかも?知らんけど。

何事にも大きな疑問を感じず受け入れる岩渕、どうやらしばらくは川島有美の私設秘書を続けるらしい。その有美が、谷村と結託し今のシステムに反旗を翻そうとしている。傍にいて岩渕はどう行動するのか?そういう側面で続きを見てみたいと思うし、赤楚衛二の更なる演技を見てみたいとも思っている。

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