選ぶ

生まれてから初めての大きな買い物となるであろうランドセル。もちろん本人はわかっているはずもなく、選ぶことがただただ楽しいのか、どれにすれば良いのかわからず困惑しているのか。店内で様々な表情を見せてくれる。最初は遠慮がちに背負ってみたり、鏡をみたり。親としては大人の意向に誘導せずに本人に「選ぶ」という行為を楽しんでもらいたい。店内を見て回る中、「これがいい」というのが目に入ると、急に動きが変わる。恥ずかしさや遠慮がなくなり、背負わせろと言わんばかりに次々と同じシリーズの色違いのランドセルを試しに背負い始める。


傍で見ていて、納得感を得られるとこんなにもいっきに身体の動き(行動)が変わるのかということを改めて実感させられる。心と身体の一致。こういう何気ない日常の中で、迷いながら自分で選んだというこの小さなワンシーンが彼女が生きて行く上での土台となり、これでいいのだ!という確信となり積み重なっていく。生活して行く中で子供なりに様々な出来事があり、子供なりに対応しているはず。それに伴い身体そのもの(筋肉など)も緊張、弛緩をというものを繰り返し彼女の人間性というものを身体に刻み込みながら成長していく。心と身体は繋がっている。身心一如。どうか、良いことも、そうでないこともその身体に刻み込みながら元気に、そして多難な人生でも柔軟な心と身体でいてほしいと親のささやかな願望を抱きつつ、高い方のランドセルを選んだことを「マジで!そっち選んだのか⁉️」と不満を抱き面倒なカード決済の入力をしたガチガチの身体と心の持ち主の父親です。ちなみに人の心がわからない一面もある。

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