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火の国サラマンダーズ2021シーズンを振り返る(石森大誠編)

早いもので今年も残すところあと3か月を切った。
NPBのシーズンも佳境に入り、我がスワローズは6年ぶりに優勝争いを繰り広げている。
シーズン前の予想では考えられない展開だが、残念ながら今年はスワローズの公式戦へ足を運べていない。

2021年シーズンは専ら、今年発足した九州アジアリーグ (2021/9/9からはヤマエ久野九州アジアリーグ、以下KAL)に所属する地元球団・火の国サラマンダーズの試合を観戦した。

6月には、前広島東洋カープの小窪哲也が入団 (8/31に千葉ロッテマリーンズへ移籍)したことで話題となった球団でもある。2021年は23勝9敗、勝率.719という圧倒的成績でKAL初代リーグ王者となった。

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2月のキャンプから9月まで16試合を観戦し、各選手への思い入れも深くなったので、勝手に今シーズンを振り返ろうかと思う。

まずは、NPBのドラフト指名が有力視されているこの人から。

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名前 : 石森大誠
出身地:石川県
生年月日:1997年12月3日
身長:178 cm
体重:80 kg
投打:左投左打
ポジション:投手
経歴:遊学館高校 → 東北公益文科大 → 熊本ゴールデンラークス(2020)→ 火の国サラマンダーズ(2021-)
趣味 : 釣り、ゴルフ
好きな食べ物:深草捕手が作るハンバーグ
※プロフィールは『九州アジアリーグ公式選手名鑑2021』より引用

2021成績

成績

一球速報.comより引用・抜粋

獲得タイトル
・最多セーブ(19セーブ)
・月間MVP※(5月度)
※火の国サラマンダーズファンクラブ会員の投票により決定

昨年所属していた熊本ゴールデンラークスでは、先発を務めることもあったが、チームがプロ球団化してからは主にストッパーとして起用された。突出しているのは、やはり奪三振率。15.61は圧巻の一言。

ストレートは最速155 km/h。アベレージでも150 km/hは出ているように思う。コントロールは良い方とは言えないものの、四球でランナーを貯めてアップアップになることはない。

King Gnuの『飛行艇』で登場し、藤川球児のように歩幅で右足のステップ位置を測る。試合の中で好きな瞬間の1つだ。

登板数は36。2021年の火の国サラマンダーズの試合数(リーグ戦、交流戦の合計)は51試合なので、実に7割以上の試合に登板した計算になる。

また、3連投が2回、4連投が1回。中1日での登板が4回。この中で失点したのは3連投中の1試合のみ。暑い九州でスタミナは鍛えられたのではないだろうか。

気がかりなのは、今シーズン失点した4試合のうち3試合が複数失点していること。最小失点で抑えズルズル失点しないよう切り替える方法は会得する必要があるかもしれない。

シーズン中には、セーブシチュエーションでない場面で、かつ連投になるにも関わらず登板することもあった。今思うとスカウトが来ていたのだろうか?

色々なドラフト予想で名前は上がっているものの、情報が少ないのか"最速155km/h左腕"のようなざっくりとした紹介で終わっているものが多かった。
(所属球団が「火の玉」サラマンダーズだったり熊本ゴールデンラークスのままになっていたりするドラフト予想サイトも見られた…)

もう少し今季の成績について分析してみたいと思う。KALの中継ぎ投手※達のK%とBB%をプロットしてみる(赤の点線はKAL平均)。
※先発、中継ぎ両方で登板している投手は登板機会の多い方に区分した(同数含む)

因みに、K%は、対戦した打席数を奪三振数字で割ったもの。ざっくり言えば「三振を奪う能力」といったところか。BB%は、対戦した打席数を与四球で割ったもの。
こちらもざっくり言えば、「どれだけ四球を出さないか(出してしまうか)」といえるだろう。

つまり、三振を取る能力が高いとグラフの右の方向へ、制球力が良い(四球を出さない)とグラフの下部へプロットされる。守備力に依存しない指標のため、投手の能力が純粋に反映される。

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圧倒的すぎるK% : 43.75。横軸をかなり伸ばさなくてはいけなかった。

ただ、KALは2021年に設立されたリーグで、所属球団は2球団。他の独立リーグやソフトバンクホークス3軍との交流戦はあるものの、中々その実力を測りづらい。

そこで、過去3年間で独立リーグからNPB入りを果たした投手達の成績 (K%、BB%)と比較してみることにする。ただし、リーグ、年度、役割 (先発or中継ぎ)が違い、単純に比較はできないのであくまで参考程度に (赤点線は独立リーグからNPB入りした選手の平均)。

NPB比較

過去3年間で独立リーグからNPB入りを果たした選手は12名。彼らと比較してもK%は頭一つ抜けている。課題はやはり制球力か。

それでもボールの力で押すピッチングは、見ていて非常に魅力的だ。馬原投手GMによると160km/hも夢ではないポテンシャルを秘めているという。

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ただのファンで何の関係もないのにも関わらず、ドラフトが近づくにつれ少しドキドキしてきている。

どのチームのユニフォームを着るのか、何巡目で指名されるのかを考えるとワクワクする。それと同時にNPB入りが決まってしまうと、来年は藤崎台で見られなくなる寂しさも感じるようになった。

先日放送されたローカル番組で、深草捕手とともに取材を受け「何年後かは自分の球を捕ってくれるキャッチャーが深草だったらいいな」と語っていたが一足先にNPB入りとなるか。

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