苦闘を愛せ

飯の味がしない、休んでも仕事のことがどうしても頭から離れない、キャッシュフローのシートを見るのが恐い、思ってることが全然実現できてなくて自分は本当にたいしたことないと思ってしまう。気づいたらしょうもないことでずっと頭がぐるぐるしている。何もしないと頭も身体も鈍っていく。教育なんかで人は変わらないんじゃないか、自分良りよっぽどあの人にやってもらった方がいいんじゃないか。

日常茶飯事になってきた苦しみでさえも、自分を少しずつ削り続け、なんで始めたんだろうとすら思ってしまう。

それでも、それでも立ち続ける。進み続けるのだ。

自分を信じられないときは、自分を信じてくれている人を信じればよい。本当は意味がないんじゃないかと思っても、絶対にどこかで待ってくれる人がいる、人は人が関わって幸せになれるというロマンを絶対に捨てない。

自分と同じようにチャレンジをする人が100人いたら、そのうち1人は成功するかも知れない。それが別に自分じゃなくても、だとしても、100人チャレンジすることでしかその1人は産まれない。何も成し遂げなくて死んでもかまわない。

それでも進み続ける。

社会の片隅を少しでも照らすとはそういうことだ。

苦闘とは、そもそもなぜ会社を始めたのだろうと思うこと。苦闘とは、あなたはなぜ辞めないのかと聞かれ、その答えを自分もわからないこと。苦闘とは、社員があなたはウソをついていると思い、あなたも彼らがたぶん正しいと思うこと。苦闘とは、料理の味がわからなくなること。苦闘とは、自分自身がCEOであるべきだと思えないこと。苦闘とは、自分の能力を超えた状況だとわかっていながら、代わりが誰もいないこと。苦闘とは、全員があなたをろくでなしだと思っているのに、誰もあなたをクビにしないこと。苦闘とは、自信喪失が自己嫌悪に変わること。苦闘とは、苦しい話ばかり聞こえて、会話していても相手の声が聞こえないこと。苦闘とは、痛みが消えてほしいと思うとき。苦闘とは、不幸である。苦闘とは、気晴らしのために休暇を取って、前より落ち込んでしまうこと。苦闘とは、多くの人たちに囲まれていながら孤独なこと。苦闘は無慈悲である。苦闘とは、破られた約束と壊れた夢がいっぱいの地。苦闘とは冷汗である。苦闘とは、はらわたが煮えくり返りすぎて血を吐きそうになること。苦闘は失敗ではないが、失敗を起こさせる。特にあなたが弱っているときにはそうだ。弱っているときは必ず。

ベン ホロウィッツ. HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1271-1281). Kindle 版.

苦闘を愛せ。今、私は日々起業家と接しているが、一番伝えたいのはこの教えだ。自分の独特の性格を愛せ。生い立ちを愛せ。直感を愛せ。成功の鍵はそこにしかない。私は彼らに前途に待ち受ける困難さを伝えることはできるが、困難に直面したときに何をすべきかは、彼が自ら判断する以外ない。私にできるのは、それを見出すための手助けだけだ。私はCEOでいる間、一度も心の平和を得られなかったが、運が良ければ時にはそれも得られるだろう。しかし、世界中の助言と後知恵を集めても困難な物事は困難なままだ。最後に私は、困難に立ち向かうすべての人々に「幸多かれ、夢の実現あれ」という言葉を贈りたい

ベン ホロウィッツ. HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4706-4712). Kindle 版.

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