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板倉由紀子のイタ可愛いさに萌える。

※※物語の核心には触れませんがネタバレを避けたい方は読了後に読んで下さい※※


劇中において、板倉由紀子は森本の常に一歩先にいる。その理由は彼女が被っている仮面に起因していて、それは小説という物語でしか成立しない。

だから、板倉由紀子は森本より強い。強くなければ描く意味がない。彼女が存在しなければ、あの三人組は成立しない。昭和の古き良き価値観を象徴するヒデさんと、本来であれば日本で働いている意味がなさそうなカバパンでは、ヒエラルキーが如実に出てしまう。そこに板倉由紀子というエキセントリックな個性が加わることで、チームとして成立する。彼女は自分の役に自覚的だが、明らかにフィードバックを受けてクセになっていて、その事も自認しているだろう。そのヤバさが板倉由紀子を強くする。だから劇中で彼女は最強なのだ。きっと作者は、この物語で板倉由紀子を描きたかった。彼女が成立する条件を、それが小説という物語の中でしか存在できない儚げな存在であることを、彼女の強さが象徴しているのだ。

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