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第二話「乗り越えた壁」大腸がん体験談[全三話]

今回は自分のがん体験談をまとめる機会がありましたので、新たに、ぎゅっとして書きました!

三話構成で掲載していきますので
もし良かったら、ちょっと読んでみてください!

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もくじ

第一話「がんになるまで」
▼病気になる前の生活
▼「がん」の前兆症状

第二話「乗り越えた壁」
▼「がん」を告知されたときの心境
▼病院・治療の選択
▼手術〜抗がん剤治療

第三話「未来に向かって」
▼健康的に生きるということ
▼がんサロンやピアサポートの活動
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第二話「乗り越えた壁」

「がん」を告知されたときの心境
大腸カメラ当日、下剤を3リットルくらい飲み、9時~14時までトイレに繰り返し行き、出す時にめちゃくちゃ痛かったのを覚えています。
台の上で横になり、大腸カメラを入れました。自分でもカメラの映像が見れるのですが、腸を塞ぐほどの大きな「塊」が見えました。
その大きな塊が見えた瞬間、先生からあっさりと、「これはがんですねー、家族でがんの人いますかー?」
と言われました。とても軽いがん告知でした。
ですが、僕はがんという病気が、どんな病気なのかを知らなくて「ドラマとか映画のゲロ吐いて死ぬやつ」くらいの知識しかなかったので、
告知された時は、「あーそうですか」「ふーん」という感じでした。無知だったので、反応出来ませんでした。なので、見つかった時に、ショックを受けるなどの精神的な落ち込みはありませんでした。
ですが、この日の夜にネットでがんについて検索しました。「患者あるある」の「ネットで調べて不安になる」やつです。布団に潜って、深夜3時までずっと調べていました。
調べれば調べる程、5年生存率とか、大腸がんで亡くなった人の話とか、「がん=死」というイメージが生まれてきました。

病院・治療の選択
病院は最寄りの市立の病院でした。家と職場から一番近かったからです。
手術の際に、開腹手術か腹腔鏡手術か選択肢を与えられました。開腹手術なら現在の病院で治療が出来て、腹腔鏡手術なら他の市にある大学病院への転院という選択肢でした。
僕は、性格的に「ガバッと開いてガバッと取って」と考えていたので、開腹手術を選び転院せずに治療をすることにしました。

手術〜抗がん剤治療
大腸カメラでS状結腸にがんがみつかり、ステージは1か2ではないかと言われていました。
そして、腸を20センチくらいと、近くのリンパ節も一緒に取るという手術を受けました。
手術は全身麻酔で8時間でした。
手術前から含めて入院は3週間。入院中は、YouTubeで落語を聴いたり、DSでゲーム、読書など、身体の痛み以外は快適な入院生活でした。
退院して2週間後に、手術で取ったがん細胞の病理検査の結果を聞きに行きました。
結果は、リンパ節に27個の転移で「ステージ3b」と確定し、抗がん剤治療をすることになりました。2014年4月のことでした。

僕の抗がん剤治療は、大腸がんの術後フォローアップで、アバスチンという点滴と、ゼローダという飲み薬を服用し、3週間で1クールというサイクルを8回行なう治療でした。(半年間)
外来で点滴をして、2週間ゼローダ錠を飲み、1週間休薬をする流れの1クールでした。
最初の点滴は、副作用がどう出るかわからないからということで、一泊二日の入院での点滴でした。
初めて抗がん剤の点滴を打った感想は、「全然余裕」でした。翌日も副作用などなく平気でした。
しかし飲み薬を飲んで4日経ち、だんだんと気持ち悪さが出てきました。
胸焼けのような胃のムカムカ、吐けない吐き気などの感覚が副作用として現れて、半年間続きました。しかも、だんだんと強くなっていきました。
副作用には精神的な落ち込みもありました。抗がん剤の点滴の後は、どんどんやる気がなくなって、なにもしたくないと思うようになってしまいました。
ですが、1週間の休薬期間になると身体も精神も少しだけ回復して、お酒を飲んだりタバコを吸ったり、「テンションの高い遊んでいる時の状態」を無理矢理作り出し、抗がん剤へのモチベーションを維持していました。
気持ち上下を繰り返しながらの抗がん剤治療でした。
身体に現れた副作用は、吐き気、だるさ、気持ち悪さ、気持ちの落ち込み、点滴を入れる腕の痛みと痺れ、指先の痺れ、口内の冷感などの症状がありました。
それぞれ半年間で徐々に強くなっていきました。

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次回、第三話「未来に向かって」
▼健康的に生きるということ
▼がんサロンやピアサポートの活動
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▼YouTubeチャンネルはじめました
川口健太朗Youtubeチャンネル
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▼プロフィール 川口健太朗
1987年生まれ。神奈川県出身。2014年2月。26歳で大腸がんステージ3b。
開腹手術、半年間の抗がん剤治療を受ける。
抗がん剤の副作用を克服するために、食生活アドバイザー、フードコーディネーターの資格を取得。
がんに罹患した自身のストレスをコントロールするために、メンタルケア心理士(心理カウンセラー)の資格を取得。
自分ががんになった意味を考え、自分の経験を発信することで、少しでも心が軽くなる人がいるかもしれないという想いから、様々ながん患者会や、がん患者イベントに参加。
自身の経験や活動を各メディアで掲載。(NHK、テレビ東京、読売新聞、朝日新聞、専門誌等)
がん啓発イベント、企業研修、医療者の勉強会などで、がん経験の講演活動を行なう。
講演内容は、がんになり、健康的に生きると決め、食事や運動で30kg減量し、病気以前よりも健康になった。だからがんになって良かった。がんが生き方を教えてくれた。自身が取り組んでいる、がんにならない生活習慣の実践など。
そして、2019年3月。5年間の経過観察が終了し、がんを克服。

趣味:料理、ランニング、読書、登山、ヨガ、瞑想、ギター、お酒。
資格:メンタルケア心理士、フードコーディネーター、食生活アドバイザー、食育アドバイザー、健康経営アドバイザー
好きな言葉:コツコツ勝つコツ

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