人はなぜ戦争をするのか‐7②

 さてここで問題になるのが、人間、動物を含めた自然生命の普遍的活動目的とは何だろうか?タナトス(破壊)活動か、それともエロス(愛)活動か、である。もちろん後者のエロス活動を、地球上に住むすべての自然生命が普遍的目的にしている。一方のタナトス(破壊)活動はあくまで、それの手段としてのものである。 
 例えばさけ(魚)の普遍的生命活動(一生)はつぎのとおりである。 
さけの生まれ故郷は淡水小川である。幼魚までそこで育つ。それから広い海洋へ渡りそこで他種(敵)と戦い、タナトス(破壊)欲動を満足させながら大きく育つ。そして最後にまた故郷の小川へ戻り、そこで普遍的同種(エロス)活動を行って一生を終える。 
  ではさけ自然生命本来の欲動とは、どこ、何か。大海洋における他種との生存闘争、つまりタナトス(破壊)活動か、そうではない。それらは手段としてある。さけ自然生命、本来の目的は、生まれ故郷の淡小川へ戻り、そこで同種とのエロス結合をはたすことにある。


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