支配の仕方

この本、おもろかった。

戦後を生き抜いてきたヤクザの親分が、米軍が敗戦国日本に対してどうやって支配をしていったか遺言的な形で話していくというもの。

支配の仕方にはいくつか類型がある。始まりは暴力だけど、暴力だけでは支配を永続していくことはできない。

  1. 法による支配

  2. 伝統による支配

  3. カリスマによる支配

現実にはそれぞれが組み合わされつつ、支配が進んでいく。法だけで人が支配されるかっていうとそんなことはない。

マッカーサーが厚木に来たときのこと、戦艦ミズーリでの降伏文書調印式、昭和天皇と並んだ写真撮影、など歴史の教科書にも出てくるような出来事について、進駐軍が敗戦国支配というプロジェクトをどうやって進めていったかという視点で描いている。なるほど。現代日本って、そうゆう支配者と被支配者の関係になってたと見れるのか。

天下人、豊臣秀吉も、まずは暴力で戦に勝って、天下惣無事というスローガンの下に大名から暴力を取り上げつつ、朝廷の権威という伝統を使って、日輪の子とかいうカリスマイメージ戦略も使いつつ各地の大名や民衆の支配を進めていった。更に、石田三成とかの奉行衆という官僚を存分に活躍させた。

明治維新の新政府は、大政奉還、江戸城無血開城とかもあったけど、錦の御旗をとって、戊辰戦争で幕府軍に勝って、明治憲法作っていろいろ法律を整備していった。

格差とか言うけど、世の中、支配する側と支配される側ってのがあるんやな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?