This is a pen.には意味がある
実用性(?)重視の立場から、私のような世代が過去において必ず学習したであろう、This is a pen.のような英文を学習することに批判的な方々がいます。曰く、このような英文を実際に使うことがないから、だそうです。
しかし、齋藤兆史東京大教授は、このような考え方が間違っていると、著書のなかで喝破しています。齋藤教授があげている例とは異なりますが、This is a pen.と本質的には全く同じ英文が、厚生労働省のウェブサイト内にある、MRI検査に関する説明書(PDF)の冒頭に書かれていました。
この英文を書くためには、This is a pen.が書けなくてはなりません。いつの日か、上記PDFのような英文を書くために、This is a pen.を学ぶのです。
同じことはいわゆる、「クジラ構文」にも言えます。
この英文を使う人はあまりいないかもしれませんが、no+比較級、不定冠詞、接続詞thanの用法など多くの「実用的」な文法事項がつまった貴重な練習英文なのです。
なにをもって「実用性あり」とするのかは人それぞれであるかもしれませんが、少なくとも大人が現実世界で通用する英語の運用能力を獲得するためには、This is a pen.も「クジラ構文」も必須のものなのです(画像はシュモクザメですけど)。
ということで、「現実的に考える大人のための学び直し英語」シリーズは更新を続けていきますので、よろしくお願いします。
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