![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136713482/rectangle_large_type_2_3d002ed7f3978a7740990364064b90d4.jpg?width=1200)
インスタ発音実例ー「スーパーサラダ」はいりますか?(イントネーションに着目して)
実例(リンク有り)
気がつけば無限にみてしまうインスタのリールですが、面白い英語に出会えることが多いです。まずは動画から:
短い動画で笑えますね。調べてみると、どうやら昔からよくある話だそうです。まずは誤解が生じる瞬間に着目してみます。
誤解が生じる瞬間
① 分節音の観点から
分節音とは、簡単に言えば母音や子音のこと。発音記号を使用して、今回の誤解の原因を紐解きましょう。
soup or salad→/suːp ər sæləd/
super salad→ /suːpər sæləd/
記号で見るとsoup orとsuperが同じであることがわかります。当然こうきたら誤解しかねないですね。
② 超分節音の観点から
さて、ここからは誤解がイントネーションにどう現れているかを確認しましょう。もう一度最初の疑問文:Did you want soup or salad with that?を聞いてみてください。toneの変化が大きい話者ではないのでわかりにくいですが、少なくとも私の耳にはこう聞こえました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136702928/picture_pc_267d4de92ab7e598738a50360411092f.png?width=1200)
見ていただきたいのは核(ピンク)の部分。選択肢が二つのみの選択疑問文ですが、salad以降が上昇している上昇調に聞こえます。Wells(2006)では、選択疑問文について以下のように示しています:
Alternative questions are sets of two or more yes-no questions linked by or. They are treated as lists. A closed list ends in a definitive fall, and in principle an open list (if nuclear) ends in a dependend rise. However, the speaker has some discretion to ignore this rule.
(太字は筆者による)
つまり、今回のように「スープ」か「サラダ」のclosed listだとしても、話し手によってはそのルールに従わないこともある、ということになります。ウェイターはこの疑問文を日常的に繰り返していますから、多少おざなりになった(普通のYes/No疑問文として上昇調にした)とみるのが妥当だと思います。そしてこれだと選択肢が二つのみの選択疑問文らしさがないため、慣れていないとそれとして認識できない可能性が大いにあります。実際に今回のお客さんは認識できていません。
誤解が解けないー選択疑問 or OO名詞
その後、Yeah, I’ll take one.と勘違いしたお客さんに対し、ウェイターはこう続けます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136698790/picture_pc_c1a588d9431871ee805bad39f09407d0.png?width=1200)
核が下降調になりました。2種類の選択肢が提示されていることがわかります。ただ、お客さんはYeahと言いこう返しました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136698902/picture_pc_7fca02497742f4f3e1c25f2a607c9d1b.png?width=1200)
このイントネーションで明らかに勘違いしているのがわかります。つまり、「複合名詞」としてーー「スーパーサラダ」としてーー勘違いしています。
スーパーサラダ、ではない!
この問答が一続きした後、「スーパーサラダには何が入ってるんだ?」と尋ねられたウェイターは
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136698952/picture_pc_7572cc46e899abd764fa6fa7c1e13820.png?width=1200)
soupとsaladそれぞれに核が付与されおり、上昇調と下降調で分かりやすく選択疑問文です。ここでやっと気づくわけですね😄というわけでこのリールは選択疑問文のイントネーション紹介のために使用できるなと思いました。
複合名詞の強勢位置(残る疑問)
ここまで書き終えた私ですが、一つ気になったことがあります。シーザーサラダ(Caesar salad)の強勢位置を考えてみると、こちらはsaladに強勢があります。Caeserさんが作ったsaladということのようで、複合名詞でも「作成者」が前にあると後ろに強勢が来るのか!と思った次第です。辞書で色々確認してみると、確かにモールス符号(Morse code)もcodeに強勢があることが多い。
そう思って納得したのも束の間、Diesel engineやFerris wheel、Fahrenheit scaleは前に強勢がある、という記述がほとんど。複合名詞と名詞句の強勢位置の違いに関して、多少の知識はあれど瞬時に判断することができません(インプットが足りていない…。)この辺りのインプットは私の今後の課題です。
<TuneEditorについて>
TuneEditor(行間表記作成ウェブプログラム 村上雅章さん作成):
まえがき
実際のプログラム
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?