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「資格」その前に ~寅さんが生きづらい社会~

私は医療業界、中堅企業で人事の責任者をしています。

毎日毎日、色々な労務トラブルが出てきます。

私は、仕事以外でも、人間関係のトラブルで相談されることが多いのですが、その度にいつも思うことがあります。

そして、私の対応方針はいつも決まって...。

伝えるのは少し難しいので、以下にコロナ前に読んだ山田洋次監督の言葉を引用します。

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寅さんが行きづらい社会
 山田洋次監督

「寅さんがヒットしていたころの映画館は騒々しくてね。たばこや酒のにおいはする。終夜営業の3本立てなんて、お客は騒ぎながら見ている。『いいぞ!』なんて叫んだり、グーグー寝てたり。僕はそういう雰囲気で見てほしいと思う。いつのまにか行儀よくしなきゃいけません、人に迷惑かけちゃいけません、みたいになっちゃった。人に迷惑かけたっていい、というのは理屈として通らないわけだ。そりゃ迷惑かけない方がいいに決まってんだけど、多少の迷惑は『まあしょうがないね』と言って許すという寛容さが消えている」

「大きな音で食べないでとか、前の席を蹴らないでとか、小学生じゃないんだから。うるさかったら『うるさい、静かに見ろ』って言えばいい。もめたら仲裁する人が出てくる。それでいいはずなんだよ。人間関係って。それを全部お上の命令みたいに、決まり事にしちゃう。映画館だけじゃなくて、いろんな場所でいえるんじゃないかな」


「柴又の駅で満男が電車を降りてくる。今は自動改札だよ。次は50年前の回想で、さくらが博を追いかけてくる。改札にあるのは鎖だよね。一瞬立ち止まって鎖を外してホームに走る。今はああいう演出はできない。改札係が寅さんを追っかけてきて『このきっぷ、乗り越しだから、払ってくれ』というのがあったけど、そういう人間くさいトラブルがなくなった」
「隣近所との付き合いも希薄になった。人間同士がトラブルを起こし、トラブルを解決する、その中で新たな人間としての愛情がわく。そんな経験が少なくなり、付き合い方が下手になった」
「寅さんの家族みたいにしょっちゅうけんかしていれば、修復の仕方も知ってる。修復することを考えながら、けんかしているからね。人間関係についてのベテランですよ。今はそうはいかない」
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最後の「いまはそう行かない」を、「今だからそうしたい」に変えたいのが想いです。

その前に、私含め、皆さんが、寛容になる、深い懐を持つことが大切だと思ってます。

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