行旅病人担当係員
1999年4月、市に入職して、研修のあいだ、同期400人くらいで、学校の続きみたいに過ごして
ゴールデンウイーク明けくらいに、各部局に配置され、その後、各部局での希望部署についてヒアリングののち、ぼくは、区役所の生活保護の担当課、その中でも、行旅病人の担当チームに配属された。
チームには、1人の主査(係長さんみたいなひと)と4人の行政職現業員(ケースワーカー)の先輩。
そして、新規採用の20歳のぼく。
ぼく自身は、初年度は、ケースワーカーとは言え、主査の補助的な動き…受付や、担当の割り振り、各種雑務…あと、行旅死亡人の担当。
(用語については、またのちのち触れていきます)
役場の雰囲気や、行政上の流れなんかを、考える暇もなく、じゃんじゃんやっていった社会人一年目でした。
なかなか、稀な部署である上に
なんと、当時、ケースワーカー4人+2人で、区内で発生する行旅病人の役場的サポートを行っていた。
なにが「なんと」なのかと言うと…。
その区内では、行旅病人の発生件数が、年間に7,000件から8,000件。
(病床数によるため、年間の延べ数は、横ばいになる)
(え?そうなの?)
外来を含めると数は増える。
(あ、いまのは、入院の数だったのか…)
(ちょっとうる覚えなので、たくさんの件数があるってことだけご理解ください)
主には、保護費の計算とか、医療費の支払いとか、そういったお金の手続きについての事務が大半なんだけれど
それだけやとは言っても
一人当たり、常時400人から500人いかないくらいの件数を先輩たちは担当してた。
ほんで、もちろん、それだけにはとどまるわけではなく
ケースワーカーと、言われるだけあって
相談者に対して
役場でできることを手続きしたり
できないことを他の社会資源に繋いだり
家族を探したり
行政処分に対する不服審査が請求されたり
裁判になったり
法律相談に付き添ったり
暮らしにまつわることは
ある意味、なんでも屋さんなので
先輩たちは
スーパーマンにしか見えなかったし
夜な夜な残業してた
役場の人って
税金泥棒とかって言われるけれど
そう言う一面も見えるんだろうけれど
未だにあの頃の先輩たちは
ぼくにとってのヒーローだったりする。
と、同時に、初年度は
本気で、役場を辞めようと思った。
あんな、スーパーマンたちには
なれないと思ったからだ。
とりあえず、ここまで。
一区切りします。
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