「流れに従って生きる」ー仙台スタート編ーACT63:T大工さん と E氏 の顔合わせ
私はT大工さんに木工事の話をするため会いに行きました。
打ち合わせの進捗状況から考えると、牧田の立て看板を見たことがきっかけでご契約になったWG様というお客さまでした。
WG様は仙台市から2つ隣の塩釜市でクレーン会社を経営している方なのですが、あまりにも知り合いの大工さんが多いため、「どこに頼んでも角が立つ」ということで、全く関係ない住宅会社に頼みたかったという特殊な事情の方でした。
実はWG様との打ち合わせのとき、WG様からこのような相談をされてました。
「請負契約は木の香の家にするから、木工事を俺(WGさま)の知っている腕のいい大工さんを使ってくれないか?」と依頼されていました。
お仕事柄、気に入った大工さんがいるとの理由のためでした。
しかし、私は「高断熱高気密という特殊な作業ですし、私が依頼している大工さんは間違いなく丁寧だから、こちらの大工さんにさせてください」と、性能を担保するため譲らなかったのです。
その物件をT大工さんでやろうと考えていました。
WGさんも、「それじゃ内部造作だけでも自分の知っている大工さんにさせてもらえないですか・・」とまで聞かれました。
WG様がずいぶん粘るので、素晴らしい大工さんなんだなぁ・・と思いましたが、まずは、それぞれお勧めの大工さんのタイミングもあると思うので、それを確認してから決めましょうということになりました。
私は、さっそくT大工さんに塩釜の現場の説明をしに行きました。
仙台に戻ってきて1つめの現場なので手伝っていただけませんか・・というお願いのためでした。
仙台市内ではないけど、T大工さんの自宅からは距離的に近くなるというメリットもあり、現場への乗り込みタイミングも問題ないとの回答をいただき、基本的には木工事を引き受けてもらえることになりました。
私が独立しての初めての仕事ということもあり、「なんとかやってやるか」・・という気持ちも感じるほど前向きになってくれました。
話が前進したことで、とりあえず一度会社に来てもらい、まずは会社の様子を見てもらいながら社長であるE氏に会ってもらうことにしました。
E氏とT大工さんの初顔合わせ
数日後、T大工さんが事務所に来ました。
私は E氏 に T大工さん を紹介しました。
私 「こちらが、お世話になっていたT大工さん(E氏に対して)」
私 「こちらが、社長のEさん(T大工さんに対して)」
一般的なあいさつをした後、今後の現場や会社と大工さんの関係についてなんとなく話をし始めました。
ところが・・・、3人で話をしているうちに、「現場をどうするか」とか、「T大工さんがどれくらい木の香の家の仕事に携われるか」・・という話はなかなか進まなかったのです。
なんか変な雰囲気のまま、「沈黙」と「しょうもない雑談」が進むような会話でした。
話は何も決まらないまま、本当に顔合わせ的な雰囲気になり、T大工さんも「ゆっくり考えてみます」程度の曖昧な返事になって終了しました。
その場の雰囲気から察すると・・
T大工さんの気持ちがいまいちという感じであったのです。
あんなに前向きに引き受けてくれそうだったのに、どうしたんだろう・・と心配になりました。
T大工さんの決断
数日後、T大工さんの現場に行って話をすることになり、そして・・その真相がわかりました。
T大工さんが重い口を開きました。
T大工さん「白鳥さん…、俺、その仕事やらない・・・。」
事実は小説よりも奇なり。
お天道様は見ています。
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