熊谷俊人千葉県知事の著書から学ぶ

熊谷俊人知事が千葉市長の時代に著した「公務員ってなんだ?」を読みました。本にあることはほぼ全て同感、共感を覚えるものですが、その中で、一つ特に目に止まったものがありました。

それは橋下徹元大阪市長のやり方に関するくだりです。ディスっているわけではなく、冷静に、あれは橋下さんんだからできるやり方であるが、それ以外の人がやるべきやり方ではないとしています。具体的には、自身の議員給与削減交渉の話を例に出しているのですが、「私は労使交渉に市民やメディアを巻き込むということは極力したくないというのがポリシーだったのです。圧倒的な票で当選して改革者として乗り込んでいるので、やり方によっては組合を悪者にして、徹底的にやり込めて給与削減をするヒーローを演じることも出来たのですが、そういうことをすると結果的に職員との信頼関係がなくなってしまう。組合の使命は職員の福利厚生や職場環境を守ることですから、彼らが給与削減に抵抗するのは当たり前の話で、いいですよ、なんて言ったらその存在意義がなくなる。橋下市長がメディアや市民を巻き込んで交渉を進めたために組合が悪になってしまった。そうではなくて、組合は組合として当然のことをやったにすぎない。たしかに大阪市には他の市よりも問題が多いし、組合が優遇されてきていたのは事実です。しかし、その責任は組合に強く主張してこなかった歴代市長と執行部の責任であって、組合そのものではないはずです。組合の存在そのものが悪だと思われるやり方を取ってしまうと、労働環境を守るという当たり前の行動する理解が得られなくなってしまいます。しかも表で喧嘩を売られたらなかなか人って折り合えません」と言っています。

この熊谷さん、当時30代前半、物事を冷静に見る目を持ち、仕組みをしっかり把握して、更に人間というものを良く理解している、非常に成熟な方だと感心したし、物事を解決して前に進めていくためには、「人と折り合うことが大事」なんだという当たり前のことを、この歳になって教えられました。

明日から、僕も考え方を改めないと!

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