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令和元年事例Ⅰ(与件分析編)

中小企業診断士のけんけんと申します。

令和元年事例Ⅰ(与件分析編)をお買い上げいただき有難うございます。
ここでは令和元年事例Ⅰの実際の試験問題を用いて与件文の読み方、考え方を解説していきます。

実際の事例解説に入る前に中小企業診断士試験における与件文について説明します。

ここで皆様に質問させていただきます。
中小企業診断士試験2次試験における与件文とは何を意味するでしょうか?

これはいろいろな解釈がありますので、正解は一つではありません。

中小企業診断士試験自体は事例企業に対する紙上コンサルティングです。
あなたが中小企業診断士として、事例1の事例企業であるA社社長に対して診断・助言をします。

当然診断助言する訳ですから、A社の内部環境である強みや弱み、A社を取り巻く外部環境である機会や脅威が分からないと分析は出来ません。
以上から与件文はA社の内部環境や外部環境などが書いてあるものと解釈できます。

もう一つの側面は中小企業診断士「試験」という側面から考えてみましょう。
中小企業診断士試験の事例問題は「設問文」「与件文」「答案用紙」に分ける事が出来ます。
「設問文」に関しては「令和元年事例Ⅰ(設問分析編)」で解説させていただきました。この試験が事例企業に対する紙上コンサルティングという意味合いから考えると、「設問文」は事例ⅠのA社社長からの質問事項であると捉える事が出来ます。

次に「与件文」です。与件文は先ほど、A社の内部環境や外部環境が書いてあるものと述べました。

先ほど設問文は事例ⅠのA社社長からの質問事項と書きました。それと同時に試験の出題者からの質問事項と捉えられます。

ここで出題者の視点に立って考えて見ましょう。
例えば出題者が「経営資源の集中」を正解として考えたとします。
その場合出題者は「経営資源の集中」に正解を導くようなヒントを与件文に埋め込みます。
何のヒントも無く「経営資源の集中」を正解に書かせる事は難しいです。
この場合「経営資源が分散しているA社」の状況を与件文に書くはずです。
こう考えると与件文は出題者からのヒントと捉える事が出来ます。
以上から与件文を読む=出題者からのヒントを探す作業と言い換える事が出来ます。
ではどうすれば出題者からのヒントを気づきやすくなるのか?
事例Ⅰ特有の与件文の読み方と併せて紹介していきます。

★まず与件文の分量を把握する事が重要です。 
かならず与件文を読む前に与件文の分量を把握する事が重要です。一般的な事例Ⅰの場合は与件文の分量は2ページから2ページ前半くらいです。
私の場合は与件文を読む時間は10分間と決めていました。
しかし令和元年事例Ⅰの場合は、与件文の分量が3ページ弱あります。
この時点で読む時間が通常より多くかかる事を想定しなければならない。

では実際の与件文に沿って説明していきます。

第1段落
A社は、資本金8 , 000万円、売上高約11億円の農業用機械や産業機械装置を製造する中小メーカーである。縁戚関係にある8名の役員を擁する同社の本社は、A社長の祖父が創業した当初から地方の農村部にある。二代目の長男が現代表取締役の A社長で、副社長には数歳年下の弟が、そして専務にはほば同年代のいとこが就いており、この3人で経営を担っている。

段落毎に説明していきます。まずは第1段落です。
第1段落では何を確認すべきでしょうか?
・業種チェック
・規模チェック
・創業チェック
この3つは事例Ⅰ第1段落で必ずチェックすべきです。

まずは業種チェックです。A社は「何を行っている」会社か?確認する事です。別に驚く事を書いている訳ではありません。
A社の診断助言を行うため、当然上記の事は把握して当たり前です。
本事例の場合は「農業用機械や産業機械装置を製造する中小メーカー」です。

次に規模チェックです。A社の資本金、売上高から大体の会社の規模感をチェックします。事例ⅠのA社は規模は大きい場合がほとんどです。逆に事例2は小規模です。
事例Ⅰは組織・人事事例です。
通常規模が大きくなればなる程、組織・人事面の問題が起きます。逆に事例Ⅱの小規模な会社では組織・人事で問題は起こりにくいです。ちなみに令和元年事例ⅡのB社は2人しかいませんので、組織・人事と言っても・・・。
人が多くなればなる程問題が生じる事は皆様も直感で分かっていただけるのではないでしょうか。
本事例の場合は「資本金8 , 000万円、売上高約11億円」です。
ここら辺は確認するだけで大丈夫です。

そして創業チェックです。
「A社長の祖父が創業した」「二代目の長男が現代表取締役の A社長」とあります。
事例Ⅰの場合、創業年が重要になります。
歴史が古い企業は老舗企業といいます。「老舗」と与件文にあったら要注意です。老舗企業は歴史が古い分だけ組織は硬直しております。
いわゆる「ゆでガエル」状態とも言いますが、外部環境の変化についていけない企業が多いです。

「二代目の長男が現代表取締役の A社長で、副社長には数歳年下の弟が、そして専務にはほば同年代のいとこが就いており、この3人で経営を担っている。」と与件文にあります。
「この3人で経営を担っている」というフレーズが引っ掛かりました。
これは感覚的です。感覚と言っては元の子もないですが。
皆様も与件文を読んで、なんとなく気になるフレーズがあると思います。
これを「わざわざ表現」と呼び、作問者からのヒントになる事が多いです。
与件文を読んで気になるフレーズはチェックしておきましょう。実際の解答に使うかは分かりませんが、解答を考えるキッカケになると思います。
「3人で経営を担っている」=「権限委譲が進んでいない」と私は本試験の際に考えました。

第2段落に入ります。

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令和元年事例Ⅰ(与件分析編)

けんけん

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高岡と申します。令和元年に中小企業診断士に合格。令和2年に中小企業診断士として登録済。 中小企業診断士受験生を支援するブログを書いています。 ブログ名 「中小企業診断士けんけんの部屋」

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