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サイン会でのはじめての体験

みなさま、こんにちは。
物事を「引用・気づき・行動」にてアウトプットするアウトプットリーダーきらけんです。
私は会社員(IT営業マン)として働きながら、日々、学びに時間を費やしています。
本日の学びは、『サイン会でのはじめての体験』です。

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「ありがとうございました」
 
私はオンライン商談を終えると、リュックを片手に席を立った。
昼休みの開始といっしょに、あの人に会うカウントダウンが始まった。
 
あの人=キングコング西野亮廣さんだ。
 
 
そもそも、私は芸人時代の西野さんのことしか知らなかった。
オンラインで知り合った友人が西野さんに大いに影響を受けた話を聞き、なんとなく気になる存在になった。
音声配信をしていることを知り、ふと聞き始めた。コロナ禍にもかかわらず映画の舞台挨拶を行うという。
2021年の元日に映画『えんとつ町のプペル』の舞台挨拶に行き、直接、映画に込められた想いを聞いた。
 
心が揺さぶられた。
応援したいと心から思った。
 
映画製作の展示会に行き、映画の背景を綴った著書を読み込んだ。火が付いた私は、毎日西野さんの記事が読める会員制のオンラインサロンに入った。
 
すっかり、西野さんのファンになっていた。
 
 
そんな西野さんの新刊の発売記念サイン会が、私の住む大阪で行われると音声配信で聞く。4つの会場を順に巡るスケジュールで、幸いにも、1つ目の会場は私の職場の隣の駅だ。
 
これは行くしかない。
 
 
しかし、問題があった。
開催日が火曜日なのである。月曜日から金曜日が勤務体系の私にとって火曜日は仕事がある。当日のスケジュールは、10:00~11:00、11:30~12:30と2件オンライン商談が入っている。午後は、14:00からずっと会議が入っている。
 
私は迷った。
1つ目の会場は、職場の隣の駅で、11:00~先着200名、2つ目の会場は、職場から20分程度の駅で、13:30~先着100名。3つ目の会場、4つ目の会場は会議が入っていて行くことができない。
1つ目の会場ならば終わり間際、2つ目の会場は先頭でサインをもらわないと会議に間に合わない。
さらにサイン会の整理券を事前に購入しなければならないのだ。
 
そんな迷っている私に助け船が出る。
「整理券を買いにいけないあなたのかわりに、サイン会の整理券をとります!」という出版社からのサービスが西野さんから告知されたのだ。手数料なしの書籍代金のみのクレジット払いだ。
すぐさま1つ目の会場を選択し、購入した。
 
これで、200名に入ることはできた。
あとはできるだけ早く会場に向かうのみだ。
 
 
「ありがとうございました」
 
私はオンライン商談を終えると、リュックを片手に席を立った。
昼休みの開始といっしょに、あの人に会うカウントダウンが始まった。
 
私は商談が少しでも早く終わればと願っていたが、時計は予定通り12:30だった。
 
商談で時間を短縮することはできなかった。
ならば、会場へ向かう時間を短くするしかない。
 
職場を飛び出した私は、エレベーターで7階から1階へ。
1階に着くと、地下鉄の出入り口に向け一直線だ。
階段を降り、改札口を抜け、ホームへの階段を降りる。
 
地下鉄がちょうどやってくる。
 
よしっ、ついている。
 
私は地下鉄に乗り、ニヤリとした。
 
と同時に、急に緊張してくる。
会って何と声をかけたらいいんだ。
 
「がんばってください」
(いや、お前ががんばれよ)
「応援しています」
(だから、サイン会に来たんだろ)
「音声配信毎日聞いています」
(だからなに?)
 
……。
頭が真っ白になる。
毎日音声配信を聞いているから、西野さんの情報は入ってきている。
ところが、何と声をかけたらいいのかが分からない。
 
うわー、どうしよ。何と声かけよう。
えーい、なるようになれ。
 
 
そんなことを考えていたら、サイン会場の隣の駅に着いた。
 
地下鉄の上りエスカレーターは行列ができている。
私は迷わず、上り階段を駆け上がる。
階段を駆け上がると改札口を目指す。
 
思ったより遠い、それに人が多い。
 
「すみません、すみません」
 
声をかけながら人をかきわけて進む。
改札口を出れた。
地下街を抜けて、エスカレーターを上がればサイン会場の書店だ。
 
地下街も人が多い。
 
「すみません、すみません」
 
声をかけ進んでいく。
 
サイン会場の書店が見えた。
「西野亮廣さんサイン会の並び場所」が貼り出されている。
 
よしっ、目的地のレジが見えた。
 
私は書店員さんに声をかける。
 
「すいません、西野亮廣さんのサイン会の整理券を購入した者ですが、サイン会場はどちらですか」
 
「えっ、少々おまちください」
書店員さんはそう言ってバックヤードに隠れてしまった。
 
えっ、どういうことだ。
いま、サイン会の真っ最中だから、対応する書店員さんが別にいるのか。
サイン会の受付は終わっているのか。
 
肩で息をしながら、グルグルと思考が回っていた。
腕時計を見ると12:40だった。
 
ふと奥を見ると、机を片付けている書店員さんがいる。
 
えっ、そもそもサイン会は終わっているのか。
まさか西野さんはいないのか。
 
書店員さんが戻ってくる。
携帯で誰かに電話をかけている。相手は出版社の方のようだ。
 
「受付画面を見せてもらえますか?」
 
私はサイン会の整理券の購入履歴の画面を見せる。
 
もう代金は支払っているぞ。
 
「はい。吉良健一さんです。
……。
そうですか。
……。
わかりました」
 
電話を切り終わった書店員さんは、私に説明する。
 
「サイン会はもう終了しています」
 
うそっ! 間に合わなかったのか。
会いたかった……。
 
書店員さんは続ける。
 
「集合のお時間に来られていないので、サインなしの通常の書籍をお渡しすることになります」
 
うそっ! サイン会の整理券を購入したのにサイン本が手に入らないのか。
なんのためのサイン会の整理券なんだ……。
 
「ですが、出版社のご厚意により、サイン本をお渡しします」
 
うそっ! サイン本が手に入るのか。
 
「ありがとうございます!」
 
私は心の声を叫んでいた。
 
 
こうして、西野さん本人には会えなかったものの、サイン本は手に入れることができた。
その後の会議にも遅れずに出席できた。
 
 
たしかに、西野さん本人に会えずにがっかりした。
それでも、昼休みの時間で、本来は手に入れられなかったサイン本を手に入れられた。
書籍の発売日前日に新刊を手に入れることができた。
 
 
西野さんは新刊でこう綴る。 

アクションを起こして「小さな結果」が出た時に、「もっと結果を出して、もっと気持ち良くなりたい」という気持ちが生まれ、それが「やりたいこと」や「モチベーション」に繋がる。
とりあえず始めてみないことには、何も始まらない。

(西野亮廣『夢と金』幻冬舎、2023年)

サイン会の情報をキャッチし、サイン会に行こうと考え、サイン会の整理券を購入し、商談後にすぐ会場に向かったからこそ、サイン本を手に入れられたのだ。
 
サイン会で本人に会えないというはじめての体験は、私に、「小さな結果」をもたらした。
 
次こそ本人に会いたい。

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本日の学びは、『サイン会でのはじめての体験』でした。

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