1-7_サビ

銀河鉄道とシンデレラ

硝子の切符が輝き出す

蒼く響くその汽笛で

硝子の靴で城のベランダを歩いた私は

星空を見てたその時に流星が輝って汽車が現れた

「さぁ お乗りください シンデレラ―」

背の高い 車掌の青年が 呼ぶの

「ほら お足元には お気をつけて―くれぐれも 乗り遅れなさるな―。」

(車掌がシンデレラの手を取る)

不思議に思っていたの

自分の物語の謎に

何故零時を過ぎても

硝子の靴だけ魔法が解けなかったのか

童話の世界の人たちを載せて隠された謎を探す 旅に出たの

(間奏:宮沢賢治作曲「星めぐりの歌」)

青年の車掌

「ここらで少し

 僕らを描いた筆者の話をしても宜しい哉

 文學を愛してた

 孤獨な 科學者がいたんだ―

 でも 彼は結局、物語を 書き上げる前に

 亡くなってしまった

 そう―

 未完結なんだ 僕はずっと空白の銀河を歩いてく

 ―でもね。

 僕は今も ずっと読者を信じている 何故って?

 この空白は きっと読者の可能性の為だと思うんだ

 彼は遺したのではなくて きっと

 僕達に託したんだ

 続くページを―

 

 もう気づいただろう?

 貴女に 硝子の靴を消させなかったのは

 筆者と読者が 願ったおかげだからなのさ

 シンデレラ

 僕は 今 確かにそうだと思ったよ

 

 随分銀河の果てまで来てしまったね

 

 隣の客車の歌姫に会うといい

 これからもまた 新しい物語が生まれそうだ

 彼女の歌声が創りだす

 輝く旋律のレールが

 貴女をもとの世界へと導くだろう

夢から醒める 愛している 王子の声で

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