銀河鉄道とシンデレラ
硝子の切符が輝き出す
蒼く響くその汽笛で
硝子の靴で城のベランダを歩いた私は
星空を見てたその時に流星が輝って汽車が現れた
「さぁ お乗りください シンデレラ―」
背の高い 車掌の青年が 呼ぶの
「ほら お足元には お気をつけて―くれぐれも 乗り遅れなさるな―。」
(車掌がシンデレラの手を取る)
不思議に思っていたの
自分の物語の謎に
何故零時を過ぎても
硝子の靴だけ魔法が解けなかったのか
童話の世界の人たちを載せて隠された謎を探す 旅に出たの
(間奏:宮沢賢治作曲「星めぐりの歌」)
青年の車掌
「ここらで少し
僕らを描いた筆者の話をしても宜しい哉
文學を愛してた
孤獨な 科學者がいたんだ―
でも 彼は結局、物語を 書き上げる前に
亡くなってしまった
そう―
未完結なんだ 僕はずっと空白の銀河を歩いてく
―でもね。
僕は今も ずっと読者を信じている 何故って?
この空白は きっと読者の可能性の為だと思うんだ
彼は遺したのではなくて きっと
僕達に託したんだ
続くページを―
もう気づいただろう?
貴女に 硝子の靴を消させなかったのは
筆者と読者が 願ったおかげだからなのさ
シンデレラ
僕は 今 確かにそうだと思ったよ
随分銀河の果てまで来てしまったね
隣の客車の歌姫に会うといい
これからもまた 新しい物語が生まれそうだ
彼女の歌声が創りだす
輝く旋律のレールが
貴女をもとの世界へと導くだろう
夢から醒める 愛している 王子の声で
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