【読書ノート】探偵ガリレオ
タイトル:探偵ガリレオ
作者名:東野圭吾
出版社:文春文庫
発行年:2002年2月10日
本の要点
天才物理学者の湯川先生と警視庁のエリート草薙が不可解な事件を解決していく短編ミステリー集。
燃える(もえる)
転写る(うつる)
壊死る(くさる)
爆ぜる(はぜる)
離脱る(ぬける)
でストーリーが分かれている。
物理学の豆知識もあり、実に面白い本だった。
重要だと思った箇所・意見・感想
私は今まで小説を読み切ったことが一度もなかった。6割ほど読んだところで飽きてしまうのである。にも関わらずなぜ小説を読もうと思ったのか。理由はまた別に書き留めようと思う。
この本を選んだきっかけは、本の虫である奥さんがオススメしてくれたからである。一冊まるまる完走したことのない私でも読みやすいだろうと。
余談であるが、本書がドラマ「ガリレオ」の原作であることを私は知らなかった。読み進めていく内にもしかしてこれは、と気付いたのである。このことに気付く前と後では、本書に対する興味、読書への意欲が格段に変化した。始めはやや義務のような心持ちで読んでいたのである。原作であると知ると、次第に大事な場面ではBGMが流れ、主人公の声も福山雅治で再生されるようになった。これは"実に面白い"体験であった。
読んでみると非常に読みやすい本だったが、やはり一筋縄ではいかない。読書が最も苦痛に感じたのは序盤であった。読み終えるまでには難所があった。それも序盤だ。
小説を手に取ること自体が10年以上ぶりの行動だ。一種のアレルギー反応を起こしていたような気がする感じだ。(ちなみに物理的に触れたのは1年前の引っ越しが最後。その前は、さらにその前の引っ越し。)
読み慣れていないが故に、どうしても「いつ読書から解放されるのか」が気になってしまう。最初の「燃える」の章を読んでいるときは「いつまで続くんだ」と絶望感を感じた。「燃える」の話だけで1冊の本だと思っていたからだ。
奥さんに聞いた。
私「何をモチベーションに読んだらいいのか?」
奥「モチベーションとか、そういうことじゃない。」
しかし、短編集でありこの話は後少しで終わると知った時は安堵した。そして程よい分量で第一章が終わってくれた。これなら苦痛にならない。無事に難所を乗り越えることができた。
その後も一章の中で起承転結があり、「どうせこいつが犯人だろうし、こういう動機だろう」と思いながら読み進めていても、ことごとく予想を外された。
改めて本書を読んで、鮮明に状況を伝えられる言葉選び、文章、表現力の偉大さを感じた。
本当に読みやすく、人生で本を1冊読み切ったことのない私でも読めたので、読書が苦手な人にもおすすめしたい。
調べたこと
・扼殺(やくさつ)・・・手で首をしめて殺すこと。
・状差し・・・柱や壁に掛けて、受け取った手紙・はがきなどを入れておくもの。
次に読みたい本
池井戸潤「オレたちバブル入行組」文春文庫
皆さんのおすすめ教えてください!
(レベル感はお察しください)
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