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溶存酸素(DO)の重要性-7月の魚病対策-

流水式池では下流ほど成長率が低下すると言われますが、その原因は溶存酸素(DO)の低下であるとされています。DOの低下が餌付け不良の主たる原因であり、動脈血中のDOの低下を認め始める水中のDOは鯉で50%であるとのことです(千葉)。

つまり、DO50%以下で、摂取量の低下、成長の低下がみられたということです。

このように、鯉によってその成長や生育に酸素というものがいかに大切なものであるかということがわかります。

毒性の汚染であっても、酸素が十分にあれば助かることが多いとされ、逆に酸素不足の状態になっていると魚は非常に抵抗力が弱くなり、ちょっとした水の変化にも耐えられないといいます。疾患を治療する場合でも同様です(福田)。

以上の基礎知識は5月の魚病対策に述べた救急処置のベースになります。少し専門的な内容ですが、わかりやすくまとめたつもりですので、知識の片隅に置いていると役に立つと思います。

<参考文献>
魚の呼吸と循環、日本水産学会編, 恒星社厚生閣, 1978.

※画像はイメージです。

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