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この頃想うこと-11月の魚病対策-

私のこの「今月の魚病対策」シリーズもあと12月を残すのみとなりました。いろいろと励ましや質問やらご教示やらいただいた鯉友の皆さんに感謝いたしております。

今にして思いますと、よくも臆面もなくこのシリーズの掲載を引き受けたものだと自分の無謀さにただあきれておる状態です。しかし、私の根底に流れるもの―愛鯉を病気から守るのは愛鯉家自身である―という思想をどうしても捨てきれないために、分不相応を承知で背伸びいたしてしまった次第でした。
 
愛鯉会の魚病対策研究員会や魚病対策委員会の席上で「私達は魚病については全くの素人で、早く専門家の出現が待ち遠しい」といった言葉を聞くにつけ、本当に悲しくなってしまうのです。せめて、魚病対策委員会の方々には愛鯉の家庭医になっていただきたいと思います。研究者になる必要はありません。これは本当の専門家に任せればよいのです。

家庭医は家庭医の活動する分野があるわけで、錦鯉の病気(あえて魚病とは言わない)の治療や、予防に専念すればよいのであり、化学記号や病理組織像やその他基礎的なことを知る必要はありません。家庭医として必要な最小限の知識と常識を保つ努力をすればよいのではないでしょうか。

錦鯉は私達にとってあくまで趣味であり、本業や家庭を犠牲にするほど愚かなことはありません。本業が栄えて初めて趣味も光ってくるわけです。

このような利害関係のない趣味の仲間の世界にこれに乗ずるように、拡張広告で利益をあげようとする業種がみられることは残念です。このようなことはどの世界でも見られるわけですが、私達愛鯉家は決して「裸の王様」になってはいけません。いろいろな製品の良し悪しの評価は自分ではっきり決着をつけなければならないし、愛鯉会もその指導的な立場からすれば、一部の業者と特に接近したり、製品の良し悪しの評価が未だ不明な段階で、その片棒をかつぐようなことはさしひかえていかねばなりません。

指導者のちょっとした言葉で効果のないものを高い金を出して長期に使用している人の良い初心者の姿ほど滑稽なものはありません。まだまだ未知の分野の多い、そして遅れのみられるこの世界、副作用のない、何にでも効く万能薬など無いのです。

※画像はイメージです。

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