見出し画像

低水温期の塩の使用-2月の魚病対策-

低水温期の塩の使用ですが、慎重を要するものと考えます。塩による薬浴は、脳下垂体-福腎系を作動させ、コーチゾルの分泌を促し、塩類細胞をはじめとする各代謝機能を活性化します。

普通この塩分適応は7日〜10日ぐらいかかって完成するといわれていますが、かなり急速の反応していくようです。

従って鯉の代謝が著しく低下している低水温期に急にこれを活性化させようとすることは、いたずらに鯉に無理な代謝機能を強いてしまうのではないかと懸念せざるを得ないわけで、病気によっては全く意味のないものになると思います。

水温が10℃くらいで、鯉が遊泳している場合はともかく、ジッと動かないような状態ではなおさらです。しかし、塩分適応によるコーチゾルの分泌増加があるわけですので、環境条件さえ整えば塩は気つけ薬以上の役割を持っていると考えてよいわけで、全身的な状態の悪化、救急蘇生の必要な時などに使用することは意味のあることと思います。

塩を直接鱗にこすりつけるなど耳にすることがありますが、効果の程は定かではありません。もっと他の局所治療法があると思います。

※画像はイメージです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?