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代謝の低下-2月の魚病対策-

1月、2月の低水温期は鯉のmetabolism(代謝)が低下しているわけで、鯉の疾病に対する対応性あるいは抵抗性が低下しております。外からの侵襲条件は普通にあっても鯉自身の防禦機構、治癒機構が低下しているため、ちょっとしたことで羅患しやすく、治りにくい状態となっています。

たとえばヌメリのもとである鱗の表層にある粘液細胞の機能が低下し、粘液の分泌量が減少します。それによって体表の洗い流し作用が低下し、イクチオフチリウス(白点虫)などに羅患しやすくなります。

普通はスレや外傷で鱗に傷がついたりしても速やかに粘液が分泌され保護されますが、低水温期は代謝機能が低下しているため、粘液の分泌が十分でなく、サプロレグニア等の水生菌(真菌)の侵襲を受けやすくなります。

鱗に水生菌が感染し、鱗が死んだ状態になると治療はそのままでは困難で、この鱗を取ってしまう以外ありません。

このように、低水温期は外傷に限らず人為的な操作でもサプロレグニア等の感染を誘発しやすいので注意が必要です。外傷あるいは人為的な操作で鱗に傷がついた場合は、できるだけ早期に時をおかずにメチレンブルーピオクタニンブルー(クリスタルバイオレット)等の塗布しておきましょう。一回の塗布で普通は十分な予防になります。

※画像はイメージです。

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