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水草と水質変化について①-4月の魚病対策-

以前友人からこんな話を聞いたことがあります。
池にホテイ草を植えていたところ、それが非常に繁殖し青々と伸びて広がり、池の半分くらいを占めるようになったそうです。ホテイ草は可憐な薄紫の花をさかれるし、池水のマイナス因子の吸収してくれるということでそのままにしていたところ、秋になって鯉が次々に死に始め、ついには全滅状態になってしまったというのでした。

そして彼は、ホテイ草は毒を出すのではないかと言うのです。しかし、この失敗は毒云々というよりも、もっと基本的な問題が含まれていると思わざるを得ません。

ホテイ草はもちろんのこと、クレソンや野あやめ、あるいは石しょうなどの水草、なかなか根づかせるのが難しいあの美しい水苔、そして、池の水の中に見るサヤミドロやアオミドロ、これらを上手に利用することがどんなに水の管理に役立つものかを知ってほしいものです。

そして忘れてはならないのは、植物性プランクトン、つまりアオコです。これらの植物の四季による移り変わり、一日一日の生活状態を把握することが大切です。

若い青々とした葉や茎が出て根を伸ばし、水中のマイナス因子を吸収し、溶存酸素を補給してくれる反面、時期が来て古くなった部分はもうその役割を終えて茶色になり、枯れていきます。

この枯れた部分は放置しておきますと腐敗し、汚物となって池の水に悪影響を及ぼします。特に水草では、水面から下の根の部分は見えないだけに、注意を要します。

ホテイ草や野あやめは夏の終わり頃までは勢いよく生い茂り、どんどんと根を張り伸びていきます。水面より上の葉の部分と、水面の下の根の部分の長さはほぼ平行します。

池のマイナス因子(硝酸塩、亜硝酸、鉄分…)を吸収し、さらに浄化槽内の御影石やゼオライトの隙間を縫って下へ下へ入り込んで根を密に張り、生物濾過はもちろんのこと、物理濾過の役割にも大きな効果を示します。しかし、秋になりますと、これらの水草の勢いは衰え、葉の先から黄色く枯れ始め、しおれていきます。

※画像はイメージです。

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