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恐ろしいカルキ障害-5月の魚病対策-

5月には品評会が開かれる地区もありますが、最近、品評会でのカルキによる事故発生をしばしば耳にします。

水道水は飼育水として大変良い水であることはだれでも知っていますが、必ずカルキを抜かねばなりません。カルキを抜くには、その中和剤であるハイポの投与、あるいは太陽光線、エアレーション、そして温度の上昇が有効です。安全なのは太陽光とエアレーションですが、効率がよくありませんので、品評会では適量のハイポの使用を余儀なくされることが多いようです。エアレーションも前日より十分に行い、鯉に搬入日はかならず残留塩素の測定をしなければいけません。

不幸にしてカルキ障害を受けた場合、まず鰓がやられます。適切に処置しませんと、鯉は呼吸困難に陥り死亡します。搬入時まで元気だった愛鯉が急死するということは、忿懣やる他ない気持ちになって、全く地獄に落ちた気分になってしまうことでしょう。

初め鯉は元気なくなってじっと動かなくなり、時に時に狂奔状態になって苦しがり、結局すっかり腹を見せてひっくり返ってしまいます。ここで誤りに陥りやすいのは、こういう状態を呈するのが必ずしもすべての鯉ではないため、あたかもおかしくなった鯉や所有者のせいにされやすいということです。マスの中に入れる搬入時間の違いや塩素の飛び具合、その他の条件によって、症状の出る鯉、出ない鯉、症状の早く出る鯉、遅く出る鯉など、さまざまなのが実際です。品評会が終わり、無事搬出して自分の池に戻ってから死亡する例もあります。

※画像はイメージです。

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