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錦鯉 -今月の魚病対策-

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季節に先駆けた錦鯉の魚病対策について。 錦鯉愛好家の皆様に読んでいただけると幸いです。
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2023年11月の記事一覧

この頃想うこと-11月の魚病対策-

私のこの「今月の魚病対策」シリーズもあと12月を残すのみとなりました。いろいろと励ましや質問やらご教示やらいただいた鯉友の皆さんに感謝いたしております。 今にして思いますと、よくも臆面もなくこのシリーズの掲載を引き受けたものだと自分の無謀さにただあきれておる状態です。しかし、私の根底に流れるもの―愛鯉を病気から守るのは愛鯉家自身である―という思想をどうしても捨てきれないために、分不相応を承知で背伸びいたしてしまった次第でした。 愛鯉会の魚病対策研究員会や魚病対策委員会の

注意するべきこと-11月の魚病対策-

人為的な失敗例これまで主として代表的な魚病について述べてきましたが、魚病同様に注意しなければならない人為的な失敗例について述べてみます。 ⑴鯉の飛び出し 治療のために池から小さな薬浴槽に移した場合や、新しい鯉を入池した場合に発生します。ちょっと目を離したスキや、夜間に外へ飛び出して死亡あるいは回復不能な損傷を負います。水面が30〜40センチぐらい低くても、また移した水槽が多少広いといっても安心はできません。簡単なふたなどをしてもはずしてしまうことがありますので、薬浴やでき

冬になる前に-11月の魚病対策-

10月に続いて11月もいろいろと忙しい季節です。いろいろな行事で鯉の出し入れが頻繁となって、かなりのストレスが鯉にかかるわけですが、それにしましても、一シーズンに何度も同じ鯉が品評会に出品されるのを見ますと、本当にかわいそうになってしまいます。 1シーズンに3回も品評会に出された鯉が春先に死んでしまったり、死なないまでもすっかり体調をくずして翌年はもう使い物にならなくなってしまったりという経過をしばしば見たり聞いたりします。鯉は非常に敏感で、神経質な動物です。多くても年に1