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新人SE物語

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少し前の話ですが、大学の講義でSEの仕事ってどんなことを行うんですか?と質問されたことを思い出しました。 私はその時に、きちんと話したつもりだが、生徒の顔を見てもどうも納得して…
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#自分

2.3 チームとしての一歩

要件定義と設計の段階を経て、プロジェクトは次のフェーズへと移行した。健太とそのチームは、これから開発作業に本格的に取り組むことになった。これは、彼らにとって新たな挑戦であり、チームとしての一歩を踏み出す重要な時期だった。 ある朝、チームメンバー全員が会議室に集まり、開発スケジュールと各自の役割分担について話し合う会議が開かれた。「みんな、これからの数ヶ月間は一丸となって頑張らなければならない。お互いを信頼し、協力しあって、このプロジェクトを成功させよう。」プロジェクトリーダ

2.2 先輩SEからの指導

要件定義と設計の作業が進む中、健太はプロジェクトの複雑さと自分の経験不足に直面し、時には壁にぶつかることもあった。そんな時、彼にとっての光となったのは、先輩SEである田中の存在だった。 ある日、健太が設計の詳細について苦戦していると、田中が彼のデスクに近づいてきた。「健太くん、何か悩んでることある?」田中の穏やかな声に、健太は自分の悩みを打ち明けた。「この機能の実装方法がいまいちわからなくて…」 田中は優しく微笑みながら、健太のPC画面を覗き込んだ。「なるほど、これは確か

1.3 プロジェクト配属

健太の最初の仕事の日が終わり、彼は新しい挑戦に胸を躍らせていた。しかし、彼が最も楽しみにしていたのは、明日から正式に配属されるプロジェクトチームでの作業だった。彼は自分がどのようなプロジェクトに参加するのか、どのような役割を果たすのかについて、夢にまで見た。 翌朝、健太は普段よりも早起きし、いつもよりも丁寧に身支度を整えた。彼の心は期待でいっぱいだったが、同時に新たな環境でのプレッシャーも感じていた。 オフィスに到着すると、彼はすぐにプロジェクトマネージャーの佐々木に呼ば

1.2 IT業界への第一歩

健太はオフィスビルのエントランスを通り抜け、一歩、また一歩と自分の新しい職場へと足を踏み入れた。その足取りは、期待と不安で少し重かったが、彼の目は前向きな決意で輝いていた。 オフィスに入るやいなや、健太は新鮮な空気と活気ある環境に包まれた。壁には最新のテクノロジーを駆使したプロジェクトの成功事例が飾られ、若くエネルギッシュなエンジニアたちがキーボードを叩いていた。 「佐藤健太です。今日からお世話になります。」健太は少し緊張しながらも、はっきりとした声で自己紹介をした。周囲

1.1 健太の決意

朝の光がゆっくりと部屋を明るくしていく。佐藤健太は、今日が自分にとって新しい人生の第一歩であることを心の底から実感していた。大学を卒業し、これからシステムエンジニア(SE)としてのキャリアをスタートさせる。彼の目は期待で輝き、心は希望でいっぱいだった。 「これからが本当の挑戦だ。」健太は自分自身に言い聞かせるようにつぶやいた。彼は自分の部屋の小さな鏡の前に立ち、スーツに身を包んだ自分の姿を見つめた。このスーツは、大学卒業の記念に両親が買ってくれたものだ。今日、そのスーツを身