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請願(市民の意見)の重みについて

請願(権)は日本国憲法(第16条)で保障された国民の権利であり、市民の意見を市政に反映させる方法の一つです。誰でも、また1人でも請願をすることが出来ます。

まず請願と陳情は、要望等を議会に訴える手段という点では同じですが、形式が異なります。請願は、憲法で保障された国民の基本的権利であり、その方式や処理の手続きなどが定められていますが、陳情は定められていません。また、請願は紹介議員が必要ですが、陳情は必要ありません。このような相違はありますが、ともに付託された委員会で審査を行い、陳情は委員会で審査後、採決。しかし、請願は委員会で審査、採決後、本会議でも採決を行います。

以上の通り、陳情と請願では紹介議員が必要な点や委員間での採決を経て、本会議においても採決を行うなどより提言としては重く。採択した請願は、市長その他の執行機関に送付するに当たって、議会から処理の経過及び結果の報告を請求することができ、議会、執行機関双方に実現への努力が要請されます。

銚子市議会でも6月定例会では請願4件陳情2件が提出されました。

そのうちのひとつ。令和6年6月24日に、産業建設委員会に付託された請願第9号「どうぶつ基金の行政枠導入を求める請願」の審査が行われました。私が委員長の為、執行部に請願の補足説明を求め、補足説明が行われました。

その際、執行部側の補足説明中に異例の「請願は受け入れない」旨の市側の意向が示されました。詳細は過去のnote「銚子市議会 令和6年6月定例会 産業建設委員会」をご覧ください。

本来、補足説明は、請願に対して今の市の現状などを補足して説明する為に行われるものであり、議会の評決を左右する様な市の意向を述べることは適切では有りません。

しかしながら、結果においては委員会内では委員全員の賛成により採択すべきものと決しました。また6月28日に行われた本会議においては、塙議員から以下の様な賛成討論が有りました。

「請願第9号、どうぶつ基金の行政枠導入を求める請願について賛成の立場から討論いたします。本請願は先に行われた産業建設委員会で委員からの様々な議論の末、全員賛成で採択されました。市執行部の補足説明の中で市内獣医師会や銚子市との関係性、また来年度当初より行われる銚子市の直営事業により不妊去勢手術を行う事が明らかになりました。更に「本請願の行政枠を導入する考えは無い」との発言が有りました。しかしながら、そもそも請願は憲法で保障された権利であり、市民の意見を市政に反映させる方法の一つであります。その憲法で保障された権利を行使する前に、行政側が答えを出してしまう事に大きな違和感を感じました。請願で市民の意見を市政に反映させる権利、それを審議するのが我々議員。その結果を検討し結論を出すのが行政。説明にやらないという結論が含まれる事は、今後の請願のあり方について疑問を投げ掛けました。同請願を望む市内1,144名、市外89名、合計1,233名の想いが込められているという話も今定例会中に同僚議員の一般質問より明らかとなりました。消滅可能都市と言われても市民の想いに耳を傾け、真摯に受け止められる銚子市であって欲しい。多くの市民の声で有る事、委員会で議員全員採択した。その結果を銚子市には重く受け止めて頂きたい。その事を強く求めて賛成の討論といたします。」

その後、本会議において採決が行なわれ、全員賛成で可決されました。

請願とは願いを請う行為であり、市民の想いが我々に託されています。傍聴席にも今回の請願を願う多くの市民が訪れていました。委員会でも議会でも議員全員賛成で採択されたこと。何より署名活動も行い同請願を望む市内1,144名、市外89名、合計1,233名の想いが込められていた請願。これが反故にされるような市政にどんな希望を持てるのか?少なくとも請願を受け止め、様々、検討した結果を我々に伝えるべきでは無いだろうか?

どんなに財政状況が厳しいと言われても、消滅可能都市と言われても、市民の声に耳を傾ける市政であって欲しい。そんな希望を抱き今回の記事を書かせて頂きました。

皆さんは、今回の件をどの様に感じますか?

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