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第3回千葉科学大学公立法人化検討委員会 後編

議題


議題3 財務シュミレーションについて

【銚子市】第1回目の会議で家計学園側が作成、示されたタイムシミュレーションですが、看護学部が141人をピークに、教員数が減少しています。同じ期間の人件費の支出額になります。平成29年度には23億7500万円あったものが、令和4年度には18億8200万円になっています。4億9300万円の削減が図られています。学生数が減少する中で大変な経費の削減、経営改善の取組がなされたものと思慮されるところです。そういった中で、令和6年5月1日現在の教員数は108人で、この教員数をもとに、加計学園側が作成したシミュレーションが作成されている。しかし、公立大学法人化にあたり、市が必要な経費を見込む上では、学生数の増加を見込む中で、現在の人件費をベースに考えるのではなく、過去最大枠を参考にする必要がある。今後のリスクを排除するためには、少なくとも、ここ数年の平均額をもって計算する必要があると考える。6年間の平均を基礎として、今後10年間の人件費を見積もっているところです。この点が、加計学園が作成したシミュレーションと大きな違いになっているところです。充足率95%であれば黒字だが90%では赤字。

 建物の建て替えの一時的な支出は考えているか?
 加計学園側が用意したシミュレーションと合わせると、今回は施設設備改修事業費という形で見込ませていただいたが、実際には20年ということで(一部令和8年から11年くらいまでは経費が認められている)次は40年の時に大規模改修が見込まれている。その際は数10億がかかるだろうと予測されている。また令和8年〜11年の2〜3億の経費は、空調関係の経費が計算されており、20年経てば、足場を組むような大規模改修が必要だと思われる。

 以前、加計学園側からいただいた千葉科学大学の各学部ごとの資金収支計算書ですが、平成30年から各学部ごとの定員充足率のシミュレーションをやっていただきたい。
 同じようにそちらを元に作成したいと思います。

 規模が大きすぎるから縮小すると言う話が出ているが、共通費は減らないので、間接費がアップして全体では黒字なのが縮小すると赤字になっていくケースがままある。数字化は難しいかもしれないが、縮小した場合はどうなるかの資料を作ってほしい。
 シュミレーションは作ってみたいと思う

 参議院の方々がいらっしゃって、 公立化の状況についてヒアリングに訪れたとの事でした。その後、6月4日の参議院文科科学委員会についての審議がインターネットで拝見しました。公立法人設置後に、各大学における継続的な自己点検評価。 自己点検評価を踏まえた第三者評価である認証評価。大学の社会に対する説明責任を果たすとともに、社会との対応を通じた教育に関する質の補償のシステムを整えているという話がありました。長野大学では、文科省からの、大学の質の保証システムというのは何かありますか?
 大学というのは質の保証システムは必ず行わなければなりません。7年に1度臨床評価を受けます。更に書類は自己定年評価というものがありまして、それを踏まえて、文科省というよりは、例えば大学基準協会、私立大学までの大学基準協会、3つ程の協会があります。各大学の先生や、職員の方も委員になられていますが、各委員がお越しになり、実地調査というものを行います。その上で適合か、不適合かという判定を行います。基本的に国立がやっていることと公立がやっていること。私立は若干違うかもしれませんが、 基本的にはみんな一緒です。

議題4 地元ニーズ把握のための対応について

【銚子市】高校生の進路希望のアンケートをとった。6月20日から28日まで市内3校の高校生、1695人を対象に実施。一部の高校で期末テストと重なり、未回答となったが回答期限を7月5日までに延長しており、結果報告は次回会議、委員の皆さんには結果がまとまった段階で共有したい。

【委員】地元地域の人材ニーズ、地元の人の声・ご意見を頂戴したいと考えている。6月の評議委員会20数社参加し意見をいただいた。銚子の産業を考える、大卒の人材を活用できる事業所非常に少ない。毎年大卒を採用できている事業所は市役所を除くと地元の金融機関二つ、醸造業三社だけになっている。何年かに一回くらいなら他事業所もある。事業者に伺ったところ、第一回検討委員会で地元のために醸造科を作るなどの意見はあったが、今更作ったところで今まである大学には叶わないとのこと。経営者からは「公立大学を作るにあたって地元産業界のニーズを考える必要があるのかどうか疑問だ」との意見があった。志をもっと大きく持って、これからの時代にあった特色のある大学を作って、日本全国・アジアから学生を呼んで、銚子で勉強してもらい優秀な人材を地域に輩出するという使命を持った大学が良いのではないか。地域に送り出すという中に銚子が入り、その人材を活用して地元銚子に新しい産業が生まれてくるという方向がいいのではないか。ある経営者からは公立大学にすると地方財政措置という有利な措置があり、一つは普通交付税、学生に対して一人当たり⁨⁩何十万ともらえるもの、もう一つは特別交付税措置、地方債措置があり大学と市で連携授業、地域活性化授業を行うことに対して、財政面において非常に有利な措置をしてくれる。国も公立大学を応援してくれるという措置があると聞いた。これらを利用して地域活性化していくのもいいのではないか。特色のある大学を作ってそれによって地域を活性化する。

【委員】地元産業界30社くらいに聞いてみたところ、大学の人材、特殊な人材ニーズとマッチしないのでは無いかと。事業者側にも採用する気はある。しかしどうしたらいいかわからないといった意見も多い。商工会議所や銚子市などと連携して、採用の場を広げていく事も大事。中小企業が多く、毎年採用するのか?というと難しいが、選択肢には入ってくる。飲食店等の大学生のアルバイトはどのくらいいるのかという事で大学から取り寄せた。銚子市で暮らしている大学生が1,000人〜1,200人くらい、そのうちアルバイトをしているのは550〜630人いる。アルバイト収入家庭が収入が、年収300万円くらいの学生が100人くらいいるのでは。銚子は観光の街なので、大学生アルバイトのニーズがあるのではないか?と思った。

【委員】薬学部・看護学部は全国どこでもある。看護学部にしたら銚子市には銚子市立病院がある。近隣で言えば旭市では看護学校が有り教育している。そこで銚子市も同じように市内で教育し採用できるのでは?
危機管理学部は全国どこでも需要があるが、地元に特化したものでなくても良いのであれば、いかに魅力のある学部を提供できるかドローンなどを利用したものにすると良いのではないか?小学生も関心を持っている。募集をかけるときにはドローンに特化したものがあってもいいのではないかと考える。避難所の運営などを手伝って貰うという可能性も出てくる。静岡掛川工業高校ではドローン航空隊というのがあり、男女問わず資格を取得している。そういう事が銚子市に根付けば、各自治体の採用の目玉になるのではないか?千葉科学大学の危機管理学部は銚子市との災害協定を結んではどうか?協定を結ぶにあたり特別交付金などで自治体と学校との協定を結ぶことで交付されるような話もあった。

【委員】アンケートを実施中なので、それを待ちたいが、地元の高校としては大学のニーズはあると思う。公立化した場合は人が集まるとの事だが、地元の学校から入りずらくなる可能性がある。進路先としてニーズはあると思うが、公立化がベストかどうかは考えなくてはならないと思う。

【委員】大学は、そもそも地元のニーズを考えて存続するものなのか?教育機関なのに?という疑問がある。公立化する交付金は、国の税金であり、市民以外からのお金を使うこと、税金を使ってまで公立化する事が必要かどうか?税金が高く苦しい状況の中で、疑問に思う。魅力的な教育ができるのであれば存続してもいいと思う。

議題5 答申に向けて

【座長】ちょっと、委員の皆さんからのご発言の中で、特別交付税のお話がありました。特別交付税を前提にしないで、議論をした方がよろしいかなと思います。また特別交付税措置につきましては次回までに事務局の方でご確認いただければと思います。もう一つ、委員の皆さんからお話をいただきましたが、市のお考えとして現在までの話し合いの中で、大学法人のイメージというところで、少し市長の方かお話をいただきたいと思います。

 市長の考えは?
 私立ではないので人材ニーズも必要ではないのか?と思いました。地元の高校生が入りたくなる受け皿となる大学。この2点がないと公立化としての理由づけが希薄になる。全国から魅力的な大学を作りたくさんの学生を集めて経済効果を高める効果もあるが、公立化するということは市が責任を持って責任を担うということになるのでそれだけの意味があるのだというしっかりとした理由づけが必要である。と考えている。

【座長】市の中でも公立大学法人を運営するための課を作るなどの必要がある。市の負担はかかるから、市のお金を使うとなれば公共性を持ったお金の使い方が必要になる。受験生のニーズはどの様なものがあるのか、魅力って何なんだろうか?ということを深掘りしていく事がこの投資に必要な議論なのかなと考えている。答申については、検討委員会としては、千葉科学大学の公立化が可なのか否なのか条件付き可なのか?条件付きであればその場合どういう条件になるのか?というところをまとめて、市に戻す必要がある。次回には素案のようなものが用意できている必要があると考える。

 どれだけ先まで見通していくのか?というところが大切。つまり人口環境は悪化していく可能性しかない。公立化すれば授業料が下がるので、当然偏差値が上がる、倍率も上がる。しばらく国からもお金が入る。5年10年は問題ないとしても、20年後30年後は市民に財政負担がかかるのではないかというところまでは考えなくていいのか?何年先くらいまでのことを考えるのか?
税務シミュレーションもそうだが、建物の建て替えや理科系の大学の施設の負担も国からは面倒を見てもらえないとすると8億円くらいの支出が今から20年30年後くらいにくるかもしれない。それを考えた上で投資を考えるのか、目先だけを見ているのか。
 期限を切ってというより大学は長期スパンで考えるべきだと思う。将来の負担を考えるうえで、減価償却を確認した上で、将来の負担は潜在的にあるだろうということは前提として、その上でどう考えていくのかだと思う。

 留学生を増やすこと、初めから3割くらいの定員をアジアからの留学生として生徒を増やすべきと考える。日本だけで考えると少子化だがアジアを考えるとまだ成長産業だと考える。ロータリークラブで大学留学生との交換会を開き面談した。みなさんとても優秀だった。高校から日本に来て大学に行くという人がいた。市立銚子高校にも留学生をたくさん入れてそこから千葉科学大学に入れてはどうか?
 公立大学って何かっていうと、地域とともにあるもの。留学生を集めるのに交付税を使ってとなると、全国的に批判を受けると思う。地方の税金で集めるのは、そこが海外からの留学生が志願となったときに周りからの批判は大きいものだと思う。来年度、拓殖大学で危機管理系の学科を150人の定員で作る。看護、薬学、など一定のニーズがあるから新規で学科を設立する。姫路の薬学部は廃止される。全国的に見ても需要と供給のバランスが悪くなっている。その上で合格率が低いのは、教育の質というところに課題があり、それが公立化したら変わるのか?という問題もある。設置主体が変わったら変わるか?というとそうはならない。それがまた地元の合格が減るなどのジレンマをうむ。そんな中でどう進めるのか。あちらが立場こちらが立たずみたいなことがある。そんな中で先ほどの大学側からの説明で間がないという返答がある中で折衷案が難しい。

【委員】国立大学は授業料が安くて国が運営費交付金を大量に入れている中で、留学生がたくさん来ていることについては、留学生の授業料はあげるべきじゃないかという話が出てきている。公立大学化すると国から運営費が入ってくる、それを持って銚子で外国人留学生を大量に集めるとなったら批判の的になる。授業料を高くしても集められるのであれば、私立大学でも現状でできていただろうけれども、それはできていない。

【委員】教育の内容は、社会のニーズに合わせて、どんどん有益な人材を供給できるかどうかが生命線であると考える。東京のブランド大学のようにはないかないのだから、特色のある教育を作らなければニーズを捉えることはできず、外から人を呼ぶことはできない。銚子市内にいる子だけでは維持できない、外から学生を集めなければ大学は維持できない。そうであるなら地元での大学はそもそもいらない。大学を維持するつもりなら特色のある学科を考えなければならない。全てを新しくはできないが、個人的には収益なる介護は残して、危機管理の中でも国費を投入するにふさわしい学科は残し、そうでなければやめる。合わせて動物危機管理学科などの特色ある学科もあり、ペット市場も獣医や保険なども参入していて、ニーズが高まっている。獣医学科やインバウンド人材の企画を立てられる学科や、日本語教育の学科なども各大学で設置が進められている。きちっとしたニーズを捉えた学科を加計学園と話してつくれないか?と提案したいと思っている。

【委員】20年後を考えている余裕はないのではにかと思う。公立化してより良い大学にしていく、改善を待った上でとなると時間がない。公立化して偏差値があがると、そこに入りたい生徒が増えると思う。入りづらくなることも事実だが、入りたいと思う人も増えるはず。大学の産業を考えるとどれだけ経済効果があるのかということも考えていく必要があるのではないか?と思う。4億の設備の補修などは、地元の業者に落としていく可能性もある。産業として活性化することで経費がかかるとしても、地元に業者で回すということも重要ではないかと思う。


【委員】前向きな議論は嫌いじゃない。他方で、前向きな議論をする余地があるのか?新しい学部を作るというのは時間がかかるし、デジタルなどは重要があるか教える人材は取り合いをしていていない。3学部6学科のこの大学をどうすべきかという問題が優先。公立化の検討と、姫路市のような選択と、縮小して公立化するという三つの選択肢であり、新しく学部の編成をすること自体が違うのでは?そもそもできないのでは?時間がない上に、そうすると永遠と続いてしまうのではないか。今あるのをどうするかという議論をするべきなのだと思う。

【委員】20年先も考えられないととなると、どうなんだろうか?20年先は考えなくていいとなると先送りになるが、それが銚子の相違なのか?そうなればシミュレーションも簡単になると思うが。
【委員】より良い大学づくりということの議論なのか?大変だとなれば年数をかけて変えていくという前提があれば30年先も考えると思う。中長期計画を考えるのは難しく、まずは10年先があるとなればその中で考えていくのは一つのチャンスなのかなと考えられると思う。
【委員】会社の場合は事業を変えられる。大学の場合は事業変更はできない。マーケットが細いくなる事は既に見えている。財政負担のリスクは見えているのだから。その場合に夢を語って箱を残すと、20年後30年後に大きな財政負担になる。夢を語るべきではない。

【委員】大学ってなんのためにあるのか?という発言をしたが、先ほどから考えている。社会に役立つ人間を育てるためにあるとなった時に、利田区大学にある看護大学など近隣に通って行けばあると考えれば(成田、東金)、20年後が考えづらいのもまた不安。5月に生まれた子供が銚子市内4人だった。今年度は100人いかないのでは。他の市町村よりも子供の数が減っている中で、少子化が心配。今まで千葉科学大学が頑張ってやった結果がこの結果。銚子市に移管されたとして優秀な人材をなんとか集めても、基本的に今在籍している職員でやるとなると職員が変わらないので結果は一緒ではないか?

 答申に関して、市民の意見を入れるのか?大学が無くなったら困る人も出てくる。そのような意見についても検討委員会に入れるかどうかをお聞きしたい。
 論点メモにも書いてあるが地元の皆さんの生の声を聞かせてほしいなと思う。【委員】次回に資料として提出したいと思う。

【委員】全国の大学が置かれている環境などから鑑みて、残し続けることが本当に銚子市にとって良い事かというと自信がない。出生率から見ても、相当変わっていかなければいけない。加計学園は留学生に頼りすぎた。他の市町村はもっと前から考えていた。公立化したらハッピーみたいな状況にはならない。勿論なって欲しいという気持ちはあるけれども。

【委員】公立化の検討だけを考えていればいいと思い参加したが、議論が銚子市の内情などいろんなことがくっついて考えなければならず混乱している。社会のニーズに応えられる人材を輩出しなければ生き残っていけない、銚子市を活性化させるためには仕事を作ってくれる人を外から呼んでこなければいけない。ベンチャー企業の人に借したりもできる。現状を前提にしてどうするかの議論ではなく、現状を打破するためにどうしたらいいのかという議論をやらなければ先がない。変化に対応できなければ10年後20年後どうだろうというのは、やれる人間を呼んでくるとかしないと。公立化と合わせてでやらないと進まないのではないかと考える。

 確認で、55億円くらいは放棄するということでよかった?(大学の説明)そうなると4億円の寄付があって引き継げる?ということで良かったのか?
 放棄は適切かどうかわからないが、大学を移行させるので、放棄という話ではなく加計学園の持っているお金は移行には含めないということ。他に職員も退職しない限りは移行されてくる、4億円は今後の拡充のために2億円と前受け金前年度入学金2億円などで、本当に資産かどうかはわかりませんが。

まとめ
【座長】18歳人口が今の大学の規模は大きすぎるというのが政府の見解。どう縮小させて行くのかっていうところが多くの議論になっていて、厳しい環境での議論になっている。その中で公立大学となると、いずれにしても市の負担はかかってくる。その反面、プラスの部分で税収や経済効果があったりなどもあり、バランスを考えなければならない。市民の皆さんの税負担がもしかするとかかってくるという中で、公立大学として市民の皆さんに納得してもらい、銚子市に必要な大学というのをもう一度考えなければならない。負担はかかるかもしれないが、あるべきだという熱意が議論には必要。うまくいっているケースもある。地元の熱意も重要だと思う。市に公立大学法人の検討をしていただくための材料を元に答申をしていきたい。学部・学科の再編についても難しくなってきている。文科省も審査を厳しくなってきている。ダメだったから変えるというわけにはいかない。銚子市としての千葉科学をどうしていくのか?ということを考えていきたいと思う。

次回スケジュールは7月28日保健福祉センター15時半


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