見出し画像

『第二回千葉科学大学公立大学法人化検討委員会』の傍聴 後編

第二回千葉科学大学公立大学法人化検討委員会が銚子商工会議所の一階第ホールで行なわれ、出席してきました。議事録をまとめましたのでご一読ください。

*下記、タブレット端末を持ち込めなかったため手書きで書き取った物をパソコンで打ち込みました。一字一句書き起こすことは難しく、ニュアンスは伝わらないかもしれません。誤解が無いようにご理解をお願いします。そこで話されていたことを順を追って端的に書き起こしております。抜け誤字脱字などございましたら、ご了承ください。また今回は質疑の時間が長かったため全てを文字で起こすとなると時間を要するため、『前編』『後編』と分けて更新したいと思います。ご了承ください。

また第一回の傍聴、第二回の後編に関しては下記をご覧ください。

議事
1.前回の指摘事項について
2.千葉科学大学を取り巻く環境について
3.千葉科学大学誘致の検証について
4.財務シュミレーションにおける諸条件について

大学側が退席の後、10分間の休憩を挟み、銚子市から提出された資料を元に銚子市側から「千葉科学大学を取り巻く環境について」「千葉科学大学誘致の検証について」の説明が有り、その後、質疑応答が有りました。

Q.22億円の銚子市に対する経済効果が無くなった時の銚子市としての代替え案の様なビジョンがあるのか?また検討委員会で答申が示された後のスケジュールや決定方法などを教えてください。(検討委員)
A.公立化が決まり大学が存続することにより大きな効果が有るとは思うが同時にリスクも有る。市民の税金を注ぐからには慎重に検討が必要。地元の産業などのニーズも探り、委員の皆さんから意見を出して欲しい。本年(令和六年)8月まで検討委員会を開きその答申を受け銚子市としての方向性を出す。その後、委員会で出た意見を元に市議会や市民に説明会などを通して意見を伺って行く。(銚子市)

Q.ある一定レベルの子供を教育して育てるのに先生方が、頑張って頂いているんだと感じた。先程、大学側からの発言で「責任を持つ」という発言があったが、きちんと契約書を交わしてくれるのか?その責任は10年なのか20年なのか、ずっとなのか?約束が果たされない場合、銚子市からの支出が有ると思うが、同じ財布の中から支出するので有れば、小中学校の基礎教育の方に支出して欲しい。(検討委員)
A.赤字補填の件ですが、12月に2回1月に1回、加計学園と協議をさせていただいた。当初、10月の段階では赤字があった場合には補填をするとの事だったが途中から貸付けに変わってしまった。公立化を受けるのであれば少なくとも減価償却費の40億円については出して頂きたい。とお話ししたが、最初は2億円。その後は4億円は支出するという回答だった。(銚子市)

【意見】質問に対してフワリと答えている印象。敢えて言わせて頂くと不信感。先生方も頑張ってやっていると思うが、海外からの留学生が多く、海外から評価をされているとの事だが、どこから評価されているのか言葉だけでは分からない。エビデンスが少ない中で我々が判断を迫られている。非常に辛いなと思う。一方で銚子市も本気で考えるのであれば事務局体制を整える必要性がある。公立大学は負担が大きい設置主体となる。その中で、銚子市の本気度も図られる。きちんとした資料を提出して欲しい。銚子市としての本気度を示して欲しい。(検討委員)

Q.大学が中心となりジオパークに貢献したことは大変、大きかったと思う。また市民の皆さんも誇りに思っている。また洋上風力発電についても同様。市長は大学が出来て何が良かったと評価しているのか?(検討委員)
A.大学はジオパークに対して、大変、大きな効果があった。また洋上風力発電事業も4年後にスタートするが、千葉科学大学の力は大きかった。学生消防やスターラビッツ、町の保険室など多くの事業を地域と共生する大学として展開して頂いた。(銚子市)

Q.公立化は短期的に5〜10年は良いが、その先も銚子市の人口が減って行く中で、市長の説明にも補助してくれるという話が貸付に変わったという話があったが30年後はどうか?50年後先まで貸してくれるのか?公立化する段階でどれだけキャッシュを残してくれるのか?(検討委員)
A.貸付の期間については協議はしていない。貸付が本当に出来るのか?という事が疑問。事務局職員については一部を派遣する事は可能。期間については10年程度は派遣するという話は聞いています。つまり10年以降は自立して下さいよ。という風に記憶している。(銚子市)

Q.銚子市が持つ公立大学として・・・(聞き取れずメモが取れませんでした。すみません。)(検討委員)
A.学費が下がるので人は集まってくる。ただし、そのままその地に残るという事は考えにくい。地元の高校を出て西の大学に行って薬剤師として働いている方はいるので、別の地方から来た学生が地元(銚子市)に定着するかは疑問が残る。(銚子市)

【意見】公立化すると市外(からの生徒が)が増える。増えると何故市外の生徒を、市の税金で運営するのか?という議論が起こる。中長期的に考えることが大事だと思う。また三学部という事だが六学部だと思っている。内容も方向性も違う。小さな大学ではない。中規模か、公立でいえば大規模大学。公立大学の人数規模でいったら101校中20番以内に入る。それだけ大きい大学。覚悟なり財政的な負担をどう考えるかが重要だと思う(検討委員)

Q.定員を満たせば大学運営は採算が取れるのか?(検討委員)
A.私立大学は儲けてはいけないというのが原則。しかし修繕費は積立なけらばならない。定員を満たせばペイは出来る。短大は定員を満たしていても赤字。大学運営は儲かるようなビジネスでは無い。(検討委員)

Q.今後、交付金(国からの)が下がる可能性も有りえるのか?(検討委員)
A1.地方交付税の単価が有るので学部による。また国公立大学は定員を満たさない場合、2次募集をかけなければならない。3月末にやっている所もある。(検討委員)
A2.看護や薬学は、社会系に比べて運営交付金は高い方。(検討委員)

Q.国公立大学は閉校は(国の制度上)出来るものなのか?(検討委員)
A1.統合も行っている。理論上は出来る。現実に国立大学に吸収された公立大学も有る。(検討委員)
A2.公立化すれば全てバラ色と言う訳では無い。沖縄県名護市の大学は厳しくて、公立となったが先日、定員が割れた。新潟産業大学は公立化が出来なかった。(検討委員)

続いての議題【財務シュミレーションにおける諸条件について】に移りたいと思います。(矢尾板委員長)

銚子市執行部の説明の後、質疑、応答に移りました。

Q.減価償却費はどれくらいを見込んでいるのか?(検討委員)
A.累計額は40億円なので換算すると年に2億円程度。(銚子市)

Q.大学側の資料に「減価償却費を含めない」と記載されているのはどういう意味なんでしょうか?(検討委員)
A.建物85億円の建て替えの際は、銚子市にお願いしますという意味です。また、すでに償却した40億円についてもお願いしますという事です。今後、建物85億円、減価償却費40億円は財務シュミレーションに入れて貰った方が良いです。(検討委員)

Q.今後、大学が撤退した時のデメリットはどうか?(検討委員)
A1.市の資料の財政効果から20数億円の経済効果が無くなる。家賃収入など(銚子市)
A2.建物など現状復帰するという事が明記されていない。撤退後跡地をどうするのか?更地にするのか?という議論はまた今後になる。大学が撤退した後のメリットデメリットはどちらも有ると思っている。(銚子市)
A3.撤退後は経済資産が出ていた物が無くなる。その後、跡地をどうするのか?という事です。更地にして戻してくれるのか?鴨川では城西国際大学が撤退した時は建物はそのまま残した。跡地利用は様々な条件で変わってくると思う。難しい部分。(検討委員)

Q.聞いたところによると加計学園が更地にして戻すと聞いたが?(検討委員)
A.契約内容には協議をするという貸付の条件になっている。(銚子市)

Q.契約書を見せてもらえるか?(検討委員)
A.次回、資料としてお見せしたい。(銚子市)

Q.生徒を集めるのが現状でも厳しいのでシミュレーションも2パターンくらい出したほうが良いと思う?(検討委員)
A.厳しく見るシミュレーションも必要だと思う。(銚子市)

Q.国公立より私立大学の方が給与が高いと思うが、公立大学の給与水準に合わせるのか?(検討委員)
A.教員は公立法人でやるからさほど差はない。(検討委員)

Q.減額にはなるのか?(検討委員)
A.地方の私立大学は給与は低いので、慶應とか早稲田とか(は高い)私立大学でも色々あると思う。(銚子市)

Q.前回、国に申請した際に、公立化が通らない可能性があるという話があったと記憶しているが、どうしたら通らないのか??(検討委員)
A.基本的な条件が揃っていて銚子市がやるとなれば公立化出来る。(銚子市)

Q.企業として考えた時に2000名規模の企業が撤退となると大きい。これをカバーするようなビジョンは有るか?(検討委員)
A.公立化の議論なので今はない。(銚子市)

Q.経済効果の試算は誰がやったのか?(検討委員)
A.銚子市独自で行った。外部がやっても難しい。姫路獨協大の審議会の資料の中で、ある教授が直接効果で22億円そこに1.25倍して27億円という数字が出ており、そこに照らしても乖離していないと思う。(銚子市)

【意見】見積もった人が誘致したいという希望的観測で上振れしてしまう。それをどれ位、引き算して適正にするかが難しい。銚子市の見立ては適正ではないかと思う。(検討委員)

【意見】私が関わってきた大学法人の話です。理事長のリーダーシップが極めて重要その想いが末端まで届いて行く。「公立化したからどう」という事ではなく「公立化してどういう教育をやって行きたいのか」という事が一番重要。お金の話として今の現状を見てみると少なくともバケツに穴が空いている状況。まずはその穴を塞ぐことが先。その後、利益がトントンの学部。銚子のニーズや実情にあったまた社会の情勢にあった新たな学部の創設を既存の学部にプラスする。そう考えていく必要が有るのでは無いかと考える。社会では介護施設のニーズが高い。多くのアイデアを出しながら今後の展開を考えて行く必要がある。

その後、今後の進め方について【論点整理メモ】の説明が矢尾板委員長より行われた。


銚子市からの配布資料については下記から閲覧いただけます。
https://www.city.choshi.chiba.jp/shisei/page020291_00002.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?