母がオレオレ詐欺に騙された

2022年12月。母がオレオレ詐欺に騙されました。
被害額は50万円。その顛末です。

発覚したのは12月25日。母から宅配便が届きました。
開けてみると中身はパジャマと下着。クリスマスではありましたが、プレゼントのような感じではなく、病人にでも送るような感じ。
大掃除したら出てきたのかな?と思って電話してみるものの、話が全く噛み合わない。
「あなたが電話してきたんでしょ?熱があるんでしょ?」
こちらとしてはそんな電話はしていないので、(ヤベェな、とうとうボケたか?)と思っていると、

「お金は大丈夫なの?」

お金? おれがお母さんに無心したの???!!!
してないよ〜それ詐欺〜〜〜!!!!
母は完全に詐欺からの電話でお金を渡したことを、この瞬間まで私に渡したと信じきっていたわけです。
急いで実家に行き、二人で警察署へ。
受付の警察官に「すみません、母がオレオレ詐欺に騙されまして、被害届を。。。」
と言うと、あっ、はい、みたいな感じで取り調べ室?へ案内される。

犯人からの第一接触は12月22日。電話で、
「今、風邪をひいて熱がある、携帯の番号が変わった」
とだけ伝える。やたらと咳をしていたということなので、心配させて注意を背けるのと声が違うことを不審がらせないためでしょう。
その日はこれで終わり。

翌23日、いよいよ本番の電話がかかってくる。
なんでも私(?)が不倫をして相手に子供ができてしまい、下ろさせた。
そして相手の旦那にもバレ、慰謝料を請求されているというストーリー。
母は「あの子がそんなことするわけない」と思ったそうなのですが、
「三人で話している時に相手の旦那の言ったことにカッとなって、殴ってしまった」
と聞いて、
(あ、あの子ならやりかねない、それはうちの子だわ)
と信じてしまったのだとか。
待って?!犯人の話を信じたポイント、そこ?!
おれそんなに短気???!!!
まぁ、思い当たる節も無いわけではないですが、、、警察官の前でこの話を聞いて、吹き出しそうになってしまった。
そしてお金の要求。最初は300万と言われたそうなのですが、そんなに用意できないと断り、結局50万に。
ここがポイント。

実は、母は以前にもオレオレ詐欺に騙されたことがあり、その時は未遂で終わったのですが、怖くなって生活に必要な資金以外を私に預けていたのです。
その安全装置がここで発動した。
これやってなければ、あるだけ取られてた。

そしてお金の受け渡し。
最初は横浜市営地下鉄のどっかの駅まで持ってくることを指示されたそうなのですが、母は足も悪いし土地勘も無いし、それは無理と伝えると、JR相模線門沢橋駅を指定してきた。
この駅、首都圏では珍しい無人駅なんです。
つまり人目につきにくい。そういう場所をリストアップしてあるんでしょうね。
そして、ただ現金を持ってくるのではなく、菓子折りを用意してその中に入れて来いという指示。謝罪だからと。
年寄りがお金を渡しているところを見られれたら怪しがられるけど、菓子折りなら大丈夫ということなのでしょう。
知ってる知ってる、時代劇で見た。お代官様への賄賂だ。
もちろん受け取りに向かうのは私ではなく、知り合いの弁護士の息子という設定。
駅で待っていると男が歩いてやってきて、お金を受け取るとまた歩いて去って行った。
そして母は家に帰り、犯人の携帯に電話するも不通になっていた。

母は息子がそんな事件を起こしてしまったことを悩み、不安で夜も眠れなかったそうなのですが、電話も通じない。
そこで、荷物を送れば連絡してくるだろうとパジャマを送ることを考え(熱があるという設定だから)、急い発送して私の家に着いたのが25日だったというわけ。

今の母の気持ちは、息子の起こした(とされる)ことを本当に心配していたので、全てが嘘だとわかって良かったのが半分、悔しいのが半分だそうですが、
私としては、電話する時には必ず名乗るし、電話で番号が変わったことを伝えることはしない、必ず対面で伝えると言っていたのに騙されてしまったことに呆れる一方、
不倫をして旦那も殴るような男を、そこまで心配する必要ないだろ、自業自得だろ、ほっとけよ、という気持ち。
おれ、50過ぎだぜ?ハゲのおっさんだぜ?心配する必要ある?
でも心配するのが親心なんだろうなぁと、その気持ちを思うと泣けてくる。
そんな親の気持ちを逆手にとった犯罪が、オレオレ詐欺なんですね。

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