体罰を「しつけで容認」6割の現実に思うこと

本日読んだニュースで気になったものがありました。「体罰」に関するものです。
興味のある方はまずこちらの記事を読んでみてください。
子への体罰禁止に新指針 「しつけで容認」6割の現実
https://www.asahi.com/articles/ASN2L5VTTN2LUTFL00B.html

体罰が社会的関心を集めるようになって久しいのですが、いまも「体罰も場合によっては仕方がない」という考えが根強くあるようです。
厚生労働省では、体罰等によらない子育ての推進に関する検討会というものを組織しており、以下のリンクから議事録等の資料がご覧いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo_554389_00010.html
最終的なとりまとめはこちらです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02201409.html

体罰をするしないに関わらず、子どもの何気ない行動や人に接する態度などを見ていてイライラすることがあるという親は多いと思います。昨今では厳しい体罰は見かけませんが、子どもを導く正しい叱り方を身につけている親は少ないようです。

教育を行う以上、大人が子どもの行いを矯正しなければならない場面は必ず出てきます。その時に心がけなければならないのは、子どものしつけや、習慣化された行動の改善に近道はないということです。よく言って聞かせて、一緒にやってみせて、伴走者として寄り添っていかなければ、そういう人格や習慣の形成に関わる教育はできないのです。

私達は、子どもの行動に何か問題を発見したとき、あるいは過干渉、あるいは放任になりがちです。これはどちらも間違った方法だと言わなければなりません。正しい方法は、根気強く、成長を促す働きかけを長く続けていくというものです。塾でも、成績不振などで困っている生徒は、まず生活を改善し、各生徒のおかれた立場に寄り添って指導することで、勉強に対する恐怖心をなくし、次いで自信をつけさせ、そして良い習慣が身についていくように管理をし、最終的に自立させていきます。これは長い道のりですが、唯一の「確実に子どもが成長する過程」なのです。

本来時間のかかる「教育」を手っ取り早くやってしまおうというサボりたい気持ちの産物、この最も極端な例が体罰ですが、これをきっかけに背後にある問題の本質を考えると、より良い関わり方を取り入れていくことができるものと思います。
私たちがより良い方に関わり方を変えると、長期的には彼らがつくっていく社会や文化がより穏やかで、安心できるものになっていくのではないでしょうか。そんなことを想像しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?