フジテレビ・関西テレビの騙し取材、切り抜き放送を許さない

 最初に、このニュースを見て欲しい。ちなみに、インタビューに答えているのは私だ。

 ところで、この私の発言はどんな質問に対する答えだと思っただろうか。普通に考えて、「あなたがやったことが問題になっているが、なんでやったんだ」とかだと思うだろう。実態はぜんぜん違う。

どんな取材を受けたか

 まず、このインタビューを受けた際の状況を説明したい。1月30日、私が難波でスタンディングを行っていたところ、フジテレビの系列局である関西テレビの記者がやって来て、「あなたの活動を番組で取り上げようと思っているから取材したい」と言われた。この際、「威力業務妨害事件」のことなど微塵も聞かれなかった。それどころか、この時点では自分が「威力業務妨害」の容疑を懸けられていることすら知らなかった。まさかこんな使い方をされるなど思ってもいなかったので私はそのインタビューを受けた。インタビューでは、その時行っていたスタンディングについてや、かつて手伝っていた近大での運動について、自分の大学で行っている活動に関してなど幅広い質問を受けた。てっきり、「Z世代の社会運動」とかそういった感じの特集を組むのだと思っていた。

私の発言がいかに切り抜かれたか

 しかし、実際はこの様だ。インタビュー全体で10分強、近大での運動に関連する部分だけでも2、3分はあった。その中では、近大での具体的な活動についてや、近大職員や公安警察からの日常的な嫌がらせについても話した。また、近大で学内デモを行った日の深夜に道を歩いていたら警官に「デモのやつだ」と言われ、リンチされた挙げ句酔ってもないのに保護房に入れられたことなども話した。しかし、これらは全て切り取られている。
 更に、地方局の関西テレビでは、私が社会運動に取り組む理由を述べた部分を放送するなどまだ偏りが少ない構成になっているが、全国放送のフジテレビ版では警察発表と恣意的な切り抜きインタビューのみになっている。これは卑劣を極めたやり方だ。また、関西テレビ版は全国版に比べるとまだ中立的ではあるが、全国版にはない私が近大の学生でないことを強調する場面があり、私達の近大での活動を学外者が騒いでいただけのように見せかけている。私達の活動の中心となっていたのは近大生で、この報じ方は実態とかけ離れている。

この「事件」そのものについて

 そもそも、この「事件』はでっち上げられたものだ。私達に近畿大学と公安警察からどんな弾圧が加えられたのかや、私達の実際の行動がどんなものだったかについては今、文に纏めているのでもう少し待って欲しい。

フジテレビ・関西テレビの行動はなぜ悪質か

 警察発表を鵜呑みにし、「威力業務妨害」であるとされる行為が実のところどんなものだったか調べもせず、当事者への裏取り取材もしない。それどころか、騙し取材・切り抜き放送によって当事者の声も反映されているように見せかける。こう言ったフジテレビ・関西テレビの行いは、報道機関として決してあってはならない事だ。特にインタビュー映像を、写っている人に告げた以外の目的、しかも当人にとって不利になる様な目的に勝手に転用することは、絶対に許される事ではない。また、取材に来た記者は放送前に連絡すると約束したがそれもなかった。意図的に私を騙したということで間違いないだろう。
 更に、このインタビューは私が自宅への家宅捜索によって自分が「威力業務妨害」の容疑を掛けられている事を知る一ヶ月も前に行われた。警察から事前に情報をもらい、言わば警察の手先となって今回の放送をしたとしか考えられない。

報道機関の機能不全はいかに危険か

 報道機関は、立法、行政、司法に次ぐ第四の権力と呼ばれることもある。なぜなら、報道には国家権力の不正や横暴を見張り白日の下に晒す義務が課せられているからだ。しかし、今起こっていることは真逆だ。権力を見張るどころか、人を騙して取材をしプライバシーを踏みにじるという報道機関としての禁じ手を使ってまで、国家権力のプロパガンダに手を貸している。報道機関が第四の権力と呼ばれるもう一つの理由はその影響力の大きさにある。絶大な影響力を持つ報道機関が国家権力の都合の良いニュースばかり流したり、権力にとって都合の悪い人への攻撃に加担したりしたら、多くの人は権力が描いた物語を信じてしまうだろう。そして現にそうなっている。

私達ができること・やるべきこと

 こんな状況で私達一人一人にできることは少ないだろう。一人ひとりの声が積み重なっていくと大きな力になるはずだ。この記事を読んでいただいている皆様には、どうかおかしいと思う事を声にすることをやめないで欲しい。貴方がた一人ひとりのそういった頑張りが必ず社会をよくするはずだ。私もどんな弾圧を受けようとも声を上げ続けることをここに誓う。又、フジテレビ・関西テレビへの抗議行動も考えている。詳細が決まればnoteやTwitter(X)で告知するので、一人でも多くの方に参加をお願い申し上げたい。

雑賀健

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