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熱意と熱量がぶつかり合えば。~県立春日部高校を訪ねて(授業公開)~

6月29日に開催された,埼玉県立春日部高等学校の土曜公開授業へうかがった。
先日,県立浦和高校の公開授業にうかがって,他の県立高校の授業にも興味がわいていたところに春日部高校の公開授業があるとホームページで知った。
予定があったが何とかなりそうだったので「よし,行こう」ということになった。

埼玉県立春日部高等学校は,埼玉県東部,春日部市にある男子校だ。
最寄りは,東武アーバンパークライン(野田線ねw)八木崎駅。
急行は止まらないが,春日部駅からはひと駅隣で1分ほどで着く。

おしゃれな外観。

公立高校が駅から遠いというイメージがある(徒歩20分は平均値,と思っている)が,春日部高校は駅近物件だ。
八木崎駅を降りると目の前に校舎がどーんと見える。
徒歩2分。走れば30秒くらいかもしれない。
駅からの近さは北千住駅東口の足立学園と肩を並べる。そういえば足立学園も男子校だ。
足立学園はその駅からの近さを,ジャンボジェット1機分の距離,とパンフレットに載せていた。
春日部高校も何かそういうインパクトの大きい表現,ないかなあ。
笑点のメンバーとなった春風亭一之輔師匠が卒業生なのは有名だが,同期には円楽一門の三遊亭楽生師匠もいる。
元ラーメンズの片桐仁さんや作家の高村薫さん,スポーツジャーナリストの青島健太さんも同校の卒業生だ。

さて。
今回は,学校説明会はミニだろうが通常サイズだろうが,なかったので,授業見学がメイン。
どれどれ。
校舎も含めてじっくり見てやろうじゃないの。
浦和高校のときはうっかり圧倒されてしまったので,気を引き締めなければ。w

事務室の窓口で受け付けを済ませると,入校証がもらえる。
洋服に貼るタイプ。
No.35となっていたので,前に34名の方が来校されたのかな。

校舎はかなり明るくてきれいだ。
県立高校には珍しくおしゃれな外観だ。
中は見れなかったが,天井高のホールや図書室,食堂もある。
バリアフリー対応になっていて,校舎内にはエレベーターも設置されていた。
特に進学校でよく見かけるのだけれど,廊下のいたるところに机やいすが置かれている。
どこででも自習ができる環境になっている。
放課後,ここを利用している生徒さんたちの様子も見てみたかった。

ほとんどの授業で,タブレットをノート代わりに使っているようだった。
短焦点のプロジェクタとスクリーンも完備されている。
授業もとても工夫されていた。
「さん,はい。」の掛け声とともに復習の質問をクラス全体に答えさせる理科の先生。
話し合い(学び合い)をさせている数学の先生。
すらすらーっと地図を書いて説明を始める社会の先生。
隣同士で音読?例文暗記?の確認をさせる英語の先生。
タイ料理について熱く語っていた男性の先生は何の教科だろう?w
とにかく,生徒を飽きさせない工夫が散りばめられていた。
問題演習や話し合い,近くの生徒との作業に移るときの動きのはやさや,ワッと盛り上がった後の授業に戻る切り替えのはやさは,さすが進学校だ。
休み時間中に教室に入られて授業準備をされている先生がいらっしゃるのも,やはり進学校だな,という感じだ。

平日の時間割が面白い。11:50~30分間の第1昼休みがある。その時間に昼食をとるとのこと。

ただ,どうも何か物足りない。
授業に活気がないわけではないし,真剣に取り組んでいないわけではない。
むしろ,授業への集中の仕方は,さすが春高,という感じだった。

おそらく,全体的にまじめでおとなしいのだ。
廊下で案内をされていた先生に「休み時間はやっぱり賑やかですか?」とうかがうと「やっぱり“男子校”という感じで騒がしいですよ。」とおっしゃっていた。
休み時間になると確かに賑やかだった。
でも,どこか落ち着いているように感じた。

「爆発力に欠ける」
一言でいうならそんな感じだ。
もちろん,文化祭や体育祭などがかなり盛り上がることは知っている。
部活動も盛んなのも知っている。
だが,その勢いが普段の授業には少し足りないような気がした。

春日部高校は県立高校では2番手の位置づけだ。
進学実績も国公立大101名(現役)と大健闘している。
日々の授業で,先生方の熱意と生徒さんたちの熱量が爆発的にぶつかり合えば,もっと進学実績が伸びていくんやないのかな,と。
生徒さんたちが,一枚,殻を破れるような環境?仕組み?があるといいんだけど。
なんだかちょっと勿体ない気がした。

掲示物もこんなにセンスある。

ただ,今回は授業見学だけだったので,説明会を聞いたら印象は変わるかもしれない。
機会があれば説明会にもうかがってみたいと思っている。

そうだ。
もうひとつ残念だったのは。
「受験生なので」という理由で高3の授業が見れなかったことだ。
模試をやっていたとかテスト中だったとか,今が12月だというならわかるけれど。
高3の生徒さんたちがどんな空気感で授業に臨んでいるのか,ぜひ見学したかった。


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